2012年10月19日金曜日

2012年米大統領戦ウォッチ-その5: 決定打の無い2人=大統領選をめぐる現状とは?


さて今年の米大統領選が、前回の2008年に比べて、非常に選択のむずかしい選挙だということは書いた。なぜなのか…それをもう少し踏み込んで書きたい。ところで私にはこの国の税金や経済の詳しいことは解らない。色々と酷い状況なのは判る。しかし様々な問題を抱えたこの国を具体的ににどうすればいいのかなんて解るわけがない。今までに私が書いた意見も個人的な好みと希望でしかない(私はオバマさんのほうがいいけど)。正直2人の候補者のうち今の米国の現状で実際にはどちらが正しいのかがまず判らない…。(毎回大統領選というのはそういうものらしいが)問題なのは、実は多くの米国人が私と同じらしいということ。みんな迷っているのだ。というのも今回はどちらの候補者も決定打に欠けているからだ。

民主党(オバマ)にも共和党(ロムニー)にも固定の支持者がいる。何があってもそれぞれの党に忠実に投票してくれる層がこのアメリカを二分している。そのため実際にどちらの候補者が選挙戦に勝つのかは「現時点でまだどちらにつくかを決めていない投票者」の肩にかかっている。現在行われている討論会も、基本的にはこのような「まだどちらにも決めていない投票者」に対して行われているといっていい。だからこそ候補者も必死なのだ。


オバマさんの言う理想論は実に素晴らしい。理性的な税制と財政改革、年金や医療保険の根本的な改善、グリーンエネルギーを推進、教育に多大な投資、それにともなって国内製造業の復興、経済の建て直し…アメリカの国民全員が幸せになるような政策、それに外交も(少なくとも印象では)好戦的には見えない。

しかしながら彼の問題は(旦那Aによると)実践力。彼の元で改善できたはずの問題が、過去4年間に何も動いていない。「Change!」とは口ばかり。そのため彼には実践力がないと痺れを切らした人が多いと聞く。過去4年間の結果から(事を進めるために必要な)政敵を説得するための情熱も手腕も無いんじゃないかと思うらしい。本人はエゴが無くていい人らしいけれど、物事を推し進める政治家としては多少押しが弱いのかもしれない。


一方ロムニーさんは、州知事での実績があるとはいっても、言うことがコロコロ変わるのが不安。マサチューセッツ州知事時代の手腕は買われている。そのため経済の観点から言えば、彼ならなんとかしてくれるだろうと期待を寄せる人も多い。しかしながら、それは過去の実績で、じゃあそれがそのまま国の規模になって成功するのかどうかは誰にも分からない。州と国では規模も環境も違うからだ。それに今までの論説を聞いても彼が実際に何をどのように改善するつもりなのかは一切見えてこない。

それにもましてもっと心配なのは、彼の属する共和党が近年大変右寄りになっていて危なっかしいこと。彼をサポートする共和党の人々にかなり偏狭な考えの人達がいるんじゃないか。特に心配なのは外交。今までの討論などを見ても、ロムニーさんにどれほどの外交上の知識と腕があるのかは全く不明。それが怖い。

 それにオバマさんの理想に比べて、彼の思想が過去の成功例を手本にした多少時代遅れなものであることも気になる。世界の情勢が変わってきているのだから、アメリカももう前世紀的な政策を続けることは無理じゃないか。そんなあたり、彼も彼の共和党の思想もずいぶん時代遅れに見えてしまう(これは私の個人的な意見)。

 
…これが現状と言っていいだろう。選ぶのが難しいと言われる今回の大統領選、とちらの側も完璧ではない。どちらにもこれといった決定打が無い。おそらく投票日のその日まで状況は変わらない。投票日当日まで迷う人も多いだろうと思う。

 素晴らしい理想論を語りながらもあまり実践力にすぐれず、もしかしたら笛吹きにもなりかねない大統領に賭けてみるのか…、それとも、経済を立て直す実務には優れているのだろうが、前時代的な思想にしがみついて将来に多大なツケをまわしかねない日和見大統領に賭けてみるのか…。ほんとうに難しいと思う。さてどうなるのか…。