2012年4月27日金曜日

私はロースト・ビーフが嫌い…かもしれない


イギリスには10年住んだ。何故だか知らないが美味いローストビーフを食べずに国を出てしまった。肉の質を考えれば高い専門のレストランでなければいけないらしいが、ついに食べずじまいだった。(あ、そうそうイギリスに移住してすぐに狂牛病が流行って警戒したためだったと思う)。

米人旦那Aは、ローストビーフが好きである。彼はイギリスでも会社の同僚と高い専門店で食べておいしいおいしいと言っていた。

さて、このローストビーフ、たまにホテルやケータリングなどでパーティーに出てくることがある(と思う?)。薄く切った切り身が大きな皿に並べられているものを取り分け、テーブルでホース・ラディッシュという日本のわさびのようなものをつけて食べる。(これはアメリカ式なのだろうか、そういえば英国ではいっさい見なかった。いや見たのかな?)

おいしかった記憶がない。ほとんど記憶に残らない。いつ食べたかも覚えていない。そもそも牛肉にわさびも疑問だ。


現在アメリカに住むが、デリではコールドカットといってプロの焼いたローストビーフをハムのように切ったものを量り売りで買える。旦那Aが好きで私が料理をサボるとすぐに買ってくる。サラダといっしょに普通に皿に盛ってホース・ラディッシュで食べることもあれば、サンドイッチにすることもある。

これが、あまりおいしくない。

味が無い。香りが無い。量り売りのものなんて冷めているので、まるで布の端切れでも食べているようだ。味の無いものに、胡椒を振ったり、わさびみたいなものをつけて何とか刺激を足して食べる感じだ。実はさっきランチで食べた。



自宅にはオーブンがある。旦那Aが好きなのでうちでもたまにローストビーフを焼く(めったにやらないけど)。シンプルな料理なので、おいしさは肉の質に左右される為いい肉を塊で買ってくる。塩を摺りこみ胡椒を摺りこみ、オーブンで時間を測り、温度計を肉に差し込んで焼く。表面はこんがり。切ると中はピンク。じんわりと肉汁が染み出してくる。

これは、まあまあ美味い。しかしそんな程度だ。翌日冷めればやっぱりまあまあである…。



ローストビーフという言葉の印象は非常にいい。イギリスでは、Sunday Roastと言って毎週週末に家族で食卓を囲むご馳走である。なんだか美味しそうなイメージがある。今までローストビーフとは美味しいものだろうと思い込んでいた。しかし今日気付いた。ちょっと待て…ほんとにそんなに美味しいかな…。

牛肉は嫌いではない。ステーキは各種美味い。スキヤキも(素材の組み合わせの妙だと思うが)驚くほど美味い(これを考えた人は天才だと思う)。焼肉も美味い。メキシカンのスパイシーなのも美味い、チリも美味い。肉じゃがも美味い。ハンバーグも美味い。ミートローフも美味い。ビーフストロガノフも美味い。中華も美味い。イタリアンのミートソースも美味い。赤ワインで長時間煮たビーフシチューの牛肉なんてとろける様に美味い。一番美味い。 ぁぁ



しかし、ローストビーフだけは…どうも解らない。今日あらためて考えたけど、どうしてあんなに高評価になったんだろうと不思議だ。オーブンでの肉のロースト料理は、どうも疑問が多い。七面鳥も鶏もたまに丸焼きにするが、胸やももが美味しいだけで、残りは処理が大変なだけだ。切り身を丁寧に料理する方がずっと美味しいと思う。

見た目は豪華だが、どうもハッタリ料理な気がしてきた…。

今度またイギリスに行くことになったら、本格ロースト・ビーフに挑戦したいと思う。