CONTENTS

2017年5月22日月曜日

Casiopea – Time Limit (1979)



バンドは勢い。
若気の至り。



Casiopea – Time Limit (1979)
 
Album:  Casiopea
Release:  May 25, 1979
℗ 1979 Sony Music Direct(Japan)Inc.
-----
LIVE@六本木Pit Inn June 1, 1979
野呂一生(Guitars--- 22
櫻井哲夫(Bass--- 21
向谷実(Keyboards--- 22
佐々木隆(Drums---22



小綺麗な曲を書き始める前の若いカシオペア、少し汗臭いカシオペアの曲をとり上げよう。この曲はカシオペアのファースト・アルバムの1曲目ですが、これは歌謡メロフュージョンじゃないのよ。メンバー一人一人がソロを回しながら走るように曲が進む。櫻井さんのウデウデ唸るベースのグルーブがすごい。皆さんお若いんですよね。22歳と21歳。驚愕です。凄まじい。全員とてもかっこいい。ドラムは佐々木さん。野呂さんが可愛い。向谷さんの指が長くてとても綺麗だ。

実はカシオペアで一番好きな曲は「Time Limit」。この曲は踊れます。アルバムのスタジオ Ver. にはなんとあの Brecker Brothers も参加!おおっ!

 
カシオペアのアルバムを最初から聴き直す日々が続いております。今やっとDown Upbeatまできた。

ところでカシオペアってMake Up Cityあたりで一段落していたのかも。

10年前に聴いていた時も、そういえばよく聴いていたのはCasiopeaSuper Flight』『Make Up CityそれにライブのThunder LiveMint Jams。それからDVDで後のほうのアルバムの曲のライブVer.をよく見て聴いていた…。

今改めて全盛期のカシオペアのアルバムを聴くと楽曲に「あれ?」と思うものが多いのね。あれれ。カシオペアの曲ってあまりかっこよくないかも…ダサいかも。

最初にカシオペア及びJ-フュージョンを発見した時は舞い上がって「ひゃー上手い上手いすごいねー」などと感激したんだけど、いま楽曲…特にアルバムVer.を改めて聴くと首を傾げるようなものも多い。あれれそうだっけ?

 
「全盛期のカシオペアは昭和歌謡フュージョンだ…」というのは以前から思ってはいたけれど、最初の感激から時間が経ってサラの状態で聴くカシオペアはやはりかなり昭和っぽい。

メロディがはっきりしていて歌謡曲みたいなのは構わない。しかしリズムが単純な曲が多いのはどうもいけない。44拍子に4分音符がタン・タン・タン・タンと並ぶ単純4つ打ちの曲がすごく多い。いかにもライブで観客が手拍子をして喜びそうなリズム。それもまたいいところなんだろうし…それがカシオペアが昭和の日本で大いに売れた理由でもあるんだろうけど。

初期はいろんなタイプの曲をやってて面白かったのに、アメリカに渡って『Eyes of The Mind』や『44』を出したあたりからちょっと音がお洒落になりすぎてエッジが無くなった。渡米して海外のノリを取り入れたら、今度は海外の大物のやるフュージョンには及ばない2流フュージョンの音になってしまった。外国っぽさがどうもこなれてない。ロンドンで録音した『Jive Jive』は音はいいのに楽曲は明らかにネタ切れで迷走っぽい。

それなのにライブをすればやっぱりかっこいい。そもそもフュージョンやジャズはアルバムよりもライブの方が面白いものだけれど、この頃(80年代前半)のカシオペアは特にそう。ライブ…この頃の彼らのミュージシャンシップは最高。だからこの頃のライブアルバムやライヴ映像はすごくいい。ミュージシャンとしてすごくかっこいい(衣装はダサい)。


…だからちょっと誤解していたのかも。私の好きなカシオペアの楽曲はたぶん初期の頃。荒々しくエネルギーに溢れた若気の至り。初期のライブは『Thunder Live』『Mint Jams。バンドとして脂の乗った80年代初期~中期のライブも悪くない。ライブならではのエネルギーがいい。ミュージシャンとして全員本当にすごい方々です。…そういうことを今回改めて知れたのはよかった。

歌謡フュージョン・カシオペアが多少ダサく聴こえるのはおそらく昭和のノリ。カッチリした4つ打ち4分音符のリズムにのる歌謡曲風メロディもとても昭和。そういう時代だからしょうがない。そのせいなのか実は全盛期のカシオペアは気持ちよく踊れる楽曲も少ない。

…あ…それでも今聴いてるDown Upbeat』はちょっといいかも。生っぽいな。


うだうだ書きましたけどあくまでも個人の意見。とにかくカシオペアはライブがいい。メンバーのバカテク、エネルギー。キッチリ・カッチリのリズムに歌謡曲メロディ、綺麗なギター、上品で軽快なキーボード…そこに突然割り込んでくるやたらファンキーで肉感的なベース。バンドは化学反応ですからね。綺麗で都会的で軽やかなな3人の音にやたら汗臭くてファンキーで元気なキレのいいベースが加わるとカシオペアサウンドになる。

私の好きなカシオペアは櫻井さんがいてこそだったのかもなぁ…と改めて思った。

この映像は1979年のライブ。メンバーは21歳と22歳だそうですが本当にすごいです。驚愕。バンドは勢い。無茶苦茶かっこいい。マジで惚れる しかしカシオペアはどうしてこういうグルーブのある曲をやり続けなかったんだろう…なぜこれをやった後で歌謡フュージョンになってしまったのよ…なぜなの野呂さん?


Casiopea - Halle (1985)
Casiopea - Twinkle Wing (1980)
Casiopea - Black Joke (1979)
Casiopea - Time Limit (1979)
Casiopea - Domino Line (1981)