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2024年10月17日木曜日

2024年米大統領選ウォッチ-その8: FOX NEWS『Special Report』 カマラ・ハリス・インタビュー感想…よくやったカマラ!しかし…



FOXによる大統領候補カマラ・ハリス氏のインタビューをYouTubeで見た。


最初に見た感想は
よしっ!よく言った!あっぱれ!

カマラさんよく頑張ったじゃん。FOXなんて敵のうようよいる洞窟に入っていくようなもの。よくそのようなインタビューを受けたものだとまず感心した。

前のCBS『60 Minutes』の時の弱々しいカマラさんに比べて、今回のカマラさんは強気。いいぞ。沢山ホームワークをしてきたのだろう。最初から敵陣に出向いていくことがわかっていたからよく準備していったのだろうね。ほぼ澱むことなくず~っと強気で喋り続けていた。よしよしよしよし。

それで私、このインタビューを見て日本のトランプ教信者は何を思ったかと興味を持ったのでネットを探った。そうしたら、まぁ罵詈雑言。やっぱり彼らには何も届いていない。彼らにとってこのインタビューのカマラさんは、やっぱり「書かれたことを暗記して繰り返しているだけ」「何もできないカマラ」「政策も無い」「中身も無い」「お人形」「トランプ氏の悪口しか言っていない」…とまぁ評判の悪いこと悪いこと。

同じインタビュー映像を見ているとは思えない。へ~そうか。今回もカマラさんの言葉は届かなかったか。そりゃそうかもね。最初から聞くつもりもないのだろう。

そしてもちろん米国のFOX界隈のコメント欄なども見てみた。これも酷い。「ヒステリックで怒鳴り散らす狂った女」とか、ほぼ全て酷いネガティブなコメントばかり。まぁそうだろうね。最初から彼女が何を言っているのかも聞いていないんだろう。



要するに、トランプ氏のサポーター達はトランプ氏が絶対神、救世主だと思っているらしいし、また私のこのコメントを見てもお分かりのように私は私でトランプ氏はクレイジーだとしか思えないし(おそらくカマラさん支持の有権者も同じように思っているだろう)、

両サイドの溝は埋まるはずもなく。

それはもうしょうがないと思います。私はトランプ氏がこの国をグレイトにするだなんて一ミリも思わない。トランプ氏はこの国を滅茶滅茶にぶっ壊すと思っている。その意見は少し前も今も変わることはない。



しかし今回のインタビューではカマラさんが、私がそのようにトランプ氏のことを思う理由を、かなりの勢いで強気で語ってくれた。もうそれでいいよ。それでいい。せめて誰か、あのトランプという老人がいかにアメリカを危機に陥れるのか…を、きつい言葉で語ってくれただけで私はすっきりしたわ。

だって今まで民主党は国民に十分な説明をしてこなかった。いいことも悪いことも。それではだめ、


インタビューのカマラさんを批評する人々は「彼女は質問に答えていない」と繰り返していた。確かにそれはわかる。しかし私はそのようなことはどうでもいい。なぜならFOXのインタビュアーが現バイデン政権の過ちを非難しカマラさんに恥をかかせるからといって世の中が変わるものではないと思うから。過去は過去。終わったことをぐだぐだ言ってもしょうがない。

それからぶっちゃけ私これを書いている時点で、このFOXのインタビューが選挙の状況を変えるともあまり思っていないです。トランプ氏の率いるトランプ教の牙城は決して崩れることがない。それだけアメリカには「理解不可能な人々」が多いのだと思いますね(個人的意見)。全く恐ろしい。



もうしょうがないんだ。私が政治に最初に興味を持ったのは英国です。英国の新聞や論評を「同時多発テロ」の頃に散々読みまくって、英国寄りの判断の基準が私の頭に刷り込まれてしまったので、もうそれを変えることはできない。私は米国にいても、英国寄りのモノの見方しか出来ない。その基準で見ると、アメリカは色々と「…ちょっとおかしいよね」としか言えない。それは昔からそう。英国人がアメリカ人をみるやり方そのまんまで、私の中のその基準がこの先変わるとも思えない。

英国人ならドナルド・トランプ氏のような人をリーダーに選ぶようなことはないと思う。彼らには基本的な常識があるから。今アメリカの国民の半分が彼をリーダーとして崇めていることが、この国は何かがものすごく間違っていることの証拠だと思う。

…ちなみにハワイは特殊。青い州といわれるだけあって常識的な判断をする人の方が多い。パーティーで政治の話をしても気まずくならないのはいい。  



しかし今回の選挙、トランプ氏が勝つかもね。本当にどうしようもない。

私は民主党が全て正しいと言っているわけじゃない。
民主党は間違いも沢山やってきている。しかし彼らは間違いを認めて、同じ間違いは繰り返さないと誓う知恵だけはある。


トランプ氏は?

彼はまず自分の間違いに気づかないだろう。

間違いに気づいても認めようとしないだろう。



そんなわけで今回の選挙はケオス。(様々な理由で)カマラさんは負けるかもしれない。だったら最後に噛みついてもいいじゃないか。ドラゴン・カマラ(彼女は辰年の女)、どうか元気に火を吹いてくれよ。たのむわ。


さて内容は…というよりも、このインタビューを彼女が受ける目的を想像すると…、
FOXの視聴者の中に(保守的、伝統的な共和党サポーターの中に)トランプ氏のやり方を気に入らない層がいるはず。常識的な市民で、長い間家訓として共和党支持を保ってきたけれど、トランプ氏はどうもおかしい。過激すぎる。しかし民主党には投票したくない。そのような「迷う共和党支持者」をいかに惹きつけるのかがこのインタビューの目的。


というわけでそれらの人々を振り向かせるカマラさんの方法は、

いかにトランプ氏の悪行を表に出すか  笑

それ、必要なこと。というのも民主党の方々というのは、そこそこ知恵もあって教育もされている常識的な人々なものだから…

上品すぎる

彼らは自分達のバイデン政権がやってきた(良い)政策の説明も十分にしないし、また今回の選挙の対戦相手トランプ氏の悪口もあまり言わない(トランプ氏の毒に対抗できるほど言っていない)。しかし比べてみるとよくわかると思うが、

トランプ氏は相手の悪口しか言っていない。

トランプ氏の言葉は嘘ばかり。過激な言葉で相手をこき下ろすばかり。…両軍、全く違うアプローチ。民主党側の普通の伝統的な選挙戦へのアプローチに対し、共和党側トランプ教側はただただでたらめを並べて相手をこき下ろすことだけ。


しかし驚くなかれ、
アメリカの国民は自分達のリーダーが

悪口を言う方が好き

アメリカの国民は自分達のリーダーから

悪口を聞く方が好き

まるで常識というものがない。



だからまず、このインタビューで大勢の「迷う共和党支持者」に向かって、

トランプ氏が
なぜ大統領にふさわしくないのか


を喋って喋って喋りつくしたことに、私はガッツポーズした。
ドラゴン・カマラ、よくやったわ!


これでやっと互角でしょう。言いましょうよ、もっとトランプ氏の悪口を。トランプ氏がいかに狂っているのか。もっと言ってくださいよ。彼の悪行を暴きましょう。普通に常識的なものの見方をしていれば、トランプ氏がいかに恐ろしいことを言っているのかわかると思う。本当に軽薄で、国の政治の事なんてどうでもよくて、自分が「愛されて、求められて、人気者であれば」それが嬉しくてたまらない愛に飢えた子供のような男。



そのような人物に大統領を任せられるのか?

前回のトランプ氏の政権で多くの優秀な共和党のスタッフが離脱した

これから誰が彼の元で彼の政権のチームになりたいと思うのか?

考えてみて欲しい



カマラさん、確かにインタビューアーの質問には答えていない場面も多い。しかしポイントはそこじゃない。そもそも、彼女にバイデン政権の全責任を追わせるのも無理がある。民主党の政権には失策もある。私もおかしいと思った政策もあった。しかし過去を掘り起こしてガタガタ言い続けるよりも、彼女が言うように前を向いて未来のことを考えたほうがいい。そのための大統領選挙なのだから。


それから、もうひとつ大切なこと。
トランプ氏は決して左/中庸メディアのインタビューを受けないことを忘れてはいけない。トランプさん、『60 Minutes』は? 怖いの?怖いよね。だって政策のアイデアなんて無いんでしょう? 怖くてメディアに出てこれないなんて、なんて臆病者なんだろう。結局トランプ教の集会で信者を前に強がっていても、たかがメディアのジャーナリストでさえ怖くて対峙できないのね。情けない。臆病者。人々はそのことを忘れてはいけない。



今回のカマラさん、頑張っていた。その重要ポイントを抜き出して書いておこう。途中から彼女の言葉をそのまま写している
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● (現政権の間違いを認めはしないが)カマラさん、移民政策の問題を認め、それについて語り、トランプ氏が握りつぶした「国境コントロール法案」について語った。国境の取り締まりに関して彼女は経験者であると語った。

● トランプ氏による国民の恐怖を煽るレトリックを使ったTVコマーシャルを指摘し、トランプ氏には政策のプランが無いことを指摘した。

● カマラさんの政策の一つは、手ごろな価格の住宅を供給し、中小企業の強化、若い親達へのサポート、そして彼女の経済を活性化するための計画は「経済の専門家のお墨付き」であることを伸べた。

● 反対にトランプ氏の計画は専門家にも「国の財政赤字を増やす」とみなされている。トランプ氏の計画は億万長者と国内最大手の企業に減税をし、国の財政赤字を増やす。

● カマラさんはバイデン政権のやり方を継続しない。共和党側の人材も含めて両党からアイデアを募り、様々な専門スタッフと新しいシステムを作る。

● トランプ氏のやり方は、国を分断し、アメリカの国民が(文字通り)お互いを指さして非難し合うように仕向けている。リーダーの強さとは誰かを叩き潰すものではなく、人々を持ち上げるものであるべきだ。

● トランプ氏の元で、過去にトランプ氏と政権を担った共和党の人々…元首席補佐官、元国防長官、国家安全保障問題担当補佐官、そしてトランプ大統領の副大統領…彼らが、トランプ氏は大統領にふさわしくない、不安定で、危険であると語っている。

● トランプ氏はアメリカの国民を貶め、軽視し、貶めている。彼は「国の内部の敵」について語っている。トランプ氏は「国の内部の敵」とみなす「国民」に軍隊を向ける話を何度も繰り返している。

トランプ氏は平和的な抗議活動に参加している人々を捉まえると話し、自分に同意しない人々を閉じ込めると話した。

● これは民主主義について話している。民主主義国家のアメリカの大統領は、政権を批判をしたからといって国民を監禁するなどとは言わずに、批判も喜んで対処できるべきなのだ。だからこそ今、アメリカは危機に瀕している。

● (バイデン氏の精神能力が低下していると聞かれれば)…バイデン氏の名前は投票用紙には載っていない(もう大統領ではない、影響力はない)。しかしトランプ氏は今も投票用紙に載っている(これからも影響力があるから問題である)。

● トランプ氏をよく知る人々…国家安全保障コミュニティのリーダー、大統領執務室、状況分析室で彼のために働いていた人々でさえ、トランプ氏が大統領には不適格で危険であると皆が声を上げた。彼はアメリカの大統領として、ふさわしくないと、彼は危険だと。彼の副大統領(マイク・ペンス氏)もそう言っている。だからトランプ氏の副大統領の職は空席だった。そのため彼は新しい副大統領候補を選択しなければならなかった。

● トランプ氏はイランを牽制するための合意から手を引いた。トランプ政権時代に、軍事基地があったが攻撃され米兵が脳に外傷を負った。トランプ氏はそれを頭痛だとみなし、アメリカの軍事奉仕者を最悪で負け犬だと呼んだ。私は事実を話している。

● 私はこのインタビューは、この選挙について視聴者に提示されるべき選択肢を与えるのが目的だと思う。対比するコントラストは重要なのです。

● 私の政策知るためにカマラハリス.COMを尋ねて欲しい。そこに全て書かれている。


なかなかいいね。今回のカマラさんは負けていない。

しかしこれから選挙に勝てるかどうかはわからない。だからダメもとでいい。彼女が戦っているのを見れただけで私は良かったと思った。
 
もっともっとトランプ氏の悪行を暴いて欲しいわ。

平和な未来のために。