CONTENTS

2020年10月22日木曜日

2020年米大統領選ウォッチ-その3:トランプvsバイデンTV討論バトル第2回



本日10月22日 さきほど大統領選の討論会…大統領/候補の討論会が行われました。ざっとライブで見た印象だけなのですが記録しておきます。


トランプ大統領3.8

バイデン候補6.2



…こんなもんかな~。とりあえず今回はまぁcivilizedでしたね~。まぁまともで…両者とも(特にトランプ氏が)とりあえずはルールを守ってなんとか討論会らしい討論会になってたと思います。前回の討論会は野犬の喧嘩みたいになってたので、それに比べれば大変よろしい。


内容を書く前に今回の司会…Kristen Welkerさんに大きな拍手。彼女はよかったですね~。お若いのに(おっと44歳だそうだ)、うるさいジジイたち2人をしっかりと仕切ってました。たいしたものだ。前回の副大統領の討論会の司会者が酷かったもんね。今回の彼女はよくやった! 大きな拍手。


さて今回の討論会、トランプさん…よく我慢出来ました。特に最初の1時間。まぁ最初はびっくりするほどちゃんとして見えましたねぇ。口をぐっと一文字に結んでバイデン氏の話に割り込むのをじっと我慢してます。ほぉ…おじさん…がんばってるぞ。

というわけで…、まずこの討論会のお二人が喋った内容に関しては、私の知識が十分ではないこと(だいたいわかるけれど)、それからお二人が話した内容や示された数字が正しいのかどうかも私には正確に判断できないので、とりあえずはお二人の印象から 採点



最初の一時間

トランプ大統領 4.8 点
バイデン候補 5.2 点


ほぼ五分五分ではないかと思った。驚いた。トランプ氏が落ち着いてる。胸を張って大統領らしくきちんとそれらしい事を言ってますし(正しいかどうかは別)、威厳もあって印象はなかなかいい。 

一方バイデン氏もお元気。彼も若い頃は(8年前の討論会では)かなり喧嘩っ早くて気の強い印象のお方でしたし、そこにシニアの落ち着きも加わって印象はなかなかいい。お二人ともいいと思った。ともかくトランプさんが必死で自分をおさえているのが印象的。


★後半…30分ぐらい?

トランプ大統領 2.0 点
バイデン候補 5.0 点

評価不可グレーゾーン 3.0 点


まぁ…こんなもんかなぁ。時間が進むにつれてだんだんお二人とも欠点が見えてきました。最初は自分を抑えて威厳に満ちていたトランプ氏が、後半はキレるキレる。もうコントロール不可。このおじさん、走り出したら止まらないんだろうな。司会の質問にも全く答えずに、相手を攻撃攻撃攻撃…ああいつものトランプ節でうだうだうだうだ言い始めた。言っていることも中身はない。 

一方バイデン氏はよれよれ。お疲れです。やっぱりスタミナがないのね。しかし彼は最後まで大統領候補としての威厳を保って、全ての国民(青も赤も)に語りかけるリーダーの姿勢を崩さなかったです。質問にも答えて、話の内容も道にそれることなく、わかりやく毅然と党の指針を話してました。ただ…よれよれなのがなぁ。国民にその姿がどう受け取られたのか…は心配なところ。



★トランプ大統領 いろいろ

問題は…、トランプ氏が後半でキレて相手を攻撃するばかりになったのは言うまでもなく、話す言葉も荒くなっていたのもとても気になった。後半は「ジョー47年間なにやってたんだよ、なんでオバマ政権の時に何も出来なかったんだよ。ダメダメじゃん」ばかり言ってた。

おまけに、国のリーダーとして疑問に思うような言葉を時々使っていたのも気になる。「中国、ロシア、インドは不潔だ」とか「不法移民のヒアリングで出向いてくる奴なんてIQが低いやつらだ」とかメキシコからの不法移民に対して(以前と同じように)言うべきでない言葉(殺人犯や強姦犯)を使ったり、…あとなにかあったかなぁ…書き起こしを見てみないと覚えてないけど…あまりいい印象を受けなかったです。

トランプ氏の一番の問題は、この討論で、彼の政権がこれから何をしようとしているのか…を一切話さなかったこと(話せなかったこと)。いったい彼は何がしたいのだろう?本当に。これが、彼が大統領になってから今までずーっと続いている一番の疑問。彼はいったいなにがやりたいのだろう????


★バイデン候補 いろいろ

私はバイデン氏がどうか…というよりも、共和党The Republican Partyと民主党The Democratic Partyを比べて、共和党(いままでのやり方を良いも悪いも継続し、税をカット、温暖化対策よりも経済を優先させ、保守層や年寄りばかりを喜ばせる)よりも、民主党(現存する問題を議題にあげて、未来に向けて多少痛みを伴っても改善していこう)の考え方のほうが賛同できるので、この討論会でもバイデン氏の話した内容にはほぼ違和感がなかったです。

一度だけ言葉で気になったのは、中国と北朝鮮とロシアなどのリーダーを指して…thugs という言葉を使ったことか。凶悪犯とかチンピラ…という意味なのだけれど、公の場でよその国のリーダーに使う言葉ではないと気になった。 それから2035年から最終的には2050年までに(環境に悪い)排出をゼロにする目的(Zero Emission)のため石油産業を終わらせる…などとも言いましたね。それでおそらくテキサスの人々を敵に回したのではないか…との心配もありますね。もう少しマイルドな言い方もあるだろうに。 

しかし彼はカマラさんと同じで、彼の政権の様々な具体的な目標/計画を話していて、それがよかった。彼が何をやりたいのかがわかりやすい。それに彼は副大統領時代の経験があるため様々な分野の問題をよく理解していて、どう改善するのかも具体的な案がありそうでした。トランプさんが目標や計画を何も言わなかったのに比べると、ずっといい印象。 

国民に直接話しかけ、アメリカを赤と青で分けるのではなく、アメリカの国民全員の大統領になりたい…と言ったのもいい。今は国が分断されてますからね。

それにしても、気になるのはバイデン氏がご高齢であること。彼が当選したら、ほぼカマラさんが大統領になることが決定でしょう。それが…実際に白人が一番エライと思っている人々がまだまだ数多くいるこの国で、どういう影響を与えるのかは見所。 


とりあえずざっとおおまかな印象だけ記録します。討論を見てすぐに思ったことだけ。これからメディアの分析などを見てみようと思う。