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2018年12月18日火曜日

NHK大河ドラマ「西郷どん」最後にちょっとだけ感想



毎年そうなんですけど、大河ドラマは途中で感想似顔絵を投げ出しても、番組そのものはとりあえず最後まで見る。あまりに酷いものは投げ出したまま年を終えるのですが、今年はちょっと言いたいことがある。今年の『西郷どん』は、

俳優さん達はよかったですよ

これが言いたかった。皆様おつかれさまでした。俳優さん達が頑張ったから最後まで見ました。ほんとです。いやー…だから、

本当にもったいなかったねぇ。

脚本がよければねぇ。俳優さん達はよかったのにね。

 大河ドラマの何が一番楽しみなのかって…

男らしい男

が見られるかどうかなんですよ。昔の日本の男が見たい。気概が見たい。「男らしさ」とは外見や年齢ではないんですよね。「男らしさ」とは気概があるかどうか。信念、強い意志があればいい。俳優さん達からそれが感じられれば嬉しい。
 
そもそもこのドラマは脚本がダメダメなので、俳優さん達も演じにくかったのではないかと思いますが、それでも皆さん頑張ってましたよね。役のある俳優さん達も、群集の後ろにいるエキストラの方々も皆一生懸命なのはしっかり見えました。それがよかった。本当に皆さんおつかれさまでした。

 
★終盤に向けて気になった俳優さん達
 (あくまでも俳優さん達の魅力です)

鈴木亮平さん/西郷どん
おつかれさまでした。脚本が脚本なので、最初の頃はよく泣くしアホだしキャラもブレブレでしたが、最後は大きな男の風貌がとても似合ってました。身体も大きくなって最初の頃とは表情が変わってましたね。しかし西郷どんの最後は介錯してもらわないと困る。そこはけじめでしょう。

大野拓郎さん/桐野利秋 
最後の方はこのお方が一番輝いてました。文句なし。正統派。主役級の華のある男らしい俳優さん。これから楽しみです。この方には大きくなって欲しい。ぜひ歴史上の強い男を演じで欲しい。

堀井新太さん/村田新八 
この若い俳優さんは『マッサン』の坊主頭の可愛い男の子でしたよね。ずいぶん男らしくなりましたね。雰囲気が変わっていてびっくりしました。

泉澤祐希さん/川路利良
硬派。いい表情をなさってました。

今井悠貴さん/菊次郎
かっと見開いた目がよかった。真剣な演技が心に残りました。

井戸田潤さん/桂久武
最後に昔の装束で弓を射る姿がかっこよかったです。

迫田孝也/江藤新平
迫どんは時代劇が似合います。目が鋭い。目がキツイのがいい。時代劇では普段のひょうきんな感じが消えるのが興味深い。しかし鹿児島の方がなぜ江藤新平になったのかは疑問。

瑛太/大久保利通
演技は鬼気迫る。しかしこの脚本ではもったいないですよね。

黒木華さん/糸さん
最後の頃の抑えた演技は素晴らしかったです。夫の運命を知りながら泣き叫ぶこともなく静かに耐えている姿がよかった。

ツンともう一匹
小さい方の赤い犬のお尻がふわふわして可愛かった。

他にもいい俳優さんはたくさんいました。しかしここに名前が出なかったのは、人物が書かれていなかったからです。北村有起哉さんなんていい俳優さんなのに、ほとんど記憶に残らないのは脚本が描いていないからです。そういう俳優さん達が沢山いたのは本当にもったいなかった。
 
 
以前から問題は脚本脚本と言ってますが、一番の問題は脚本家の方に歴史を描く気がなかったことでしょうかね。歴史の流れが描けないから、歴史上の人物達がなぜ行動を起こすのか、彼らがなぜ強い意志を持って世の中を変えていったのか、その原因がわからない。歴史の流れのなかで、一個人がどのような状況でどういう風に意志を持ち、実際に行動を起こしていくのか…の理由が描かれなければ、歴史ドラマとしての面白味はゼロです。それがまず一番の問題。
 
人物達の心や行動の理由が描かれなければ、その人物達の人となりも描かれない。人物達はただその場所にいるだけ。何かが起こったらリアクションをするばかり。人となりが描かれなければ、視聴者は人物達に心を寄せることもできない。多くの登場人物達のキャラが立たず、つかみどころのないままドラマが終わってしまったのも本当にもったいないと思う。
 
幕末から明治維新、西南戦争までの激動の時代を描きながら、心に残るのは俳優さん達の頑張りと魅力ばかりで、歴史上の人物としての面白味がほとんど見えなかったのは歴史ドラマとして致命的。面白い素材と、優秀な俳優さん達が本当にもったいないです。そんなことを毎回見るたびに考えた。
 
 
それ以外に気になったのは、力の入りすぎた美術ですかね。セットにものすごいお金をかけているのはわかった。しかし(例えば)建物が二階建てである必要はないだろう。遊郭の二階の部屋の赤いスクリーンも奇をてらったものだし、どこかの江戸藩邸でも二階の小さな部屋で大物が会談している。あれも二階である必要は無いだろう。どこにお金をつかっているのかと思う。
 
それから九州の下級武士の家が酷すぎる。西郷家は長い間あばら家。障子の紙が汚れていてタタミイワシに見えるのはやりすぎ。西南戦争では宮崎県延岡の「西郷隆盛宿陣跡」も出てきたけれど、現在残っている家は普通の日本家屋なのに、あれも酷いあばら家に演出されてましたね。障子もシミだらけのタタミイワシ。なんでああいう風にボロボロにするのかがわからない。
 
二階建てのセットもボロ家も美術さんは気合が入り過ぎ。もっと普通でいい。そこは主張するところじゃないと思うぞ。障子にタタミイワシはやめるべし。
 
というわけでいろいろと文句はありましたが、それでも俳優さん達の頑張りが見えてよかったです。皆様お疲れ様でした。
 
 
日本の地方によっては様々な意見があるみたいなのですが、九州の人間にとって西郷さんの話は身近なんですよ。だからいいドラマが見たいと思うのはしょうがない。私はこの時代のことは詳しく知らないのですが、西南戦争にはうちの親戚も西郷さんを慕って参戦、戦死しているそうで、もっと歴史にがっちり食い込んだドラマが見たかったです。時代が変わり、立場を失い、追い詰められた元士族達がプライドと共に死んでいく戦は悲しい。彼らの気持ちがわからないわけではない。時代の流れに添えなかったラストサムライ達…合掌。

 

2018年12月17日月曜日

お猫様H:ツリー🎄の季節



キャーッ またツリーがきたわっ 🎄😍🎄😍🎄😍🎄😍🎄😍🎄
飾りつける前の木の下に隠れてみるテスト
これは何かしらジー
ちょっと離れて眺めましょう
ここにころりんと寝転んで
人間と遊びますコロコロ
皆様メリークリスマス 🎅🎅🎅🎅🎅
 
 🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄

 

2018年12月14日金曜日

Sara Bareilles – Stay (2012)



いい声、 名曲



Sara Bareilles – Stay (2012)

Album:  Once Upon Another Time - EP
Released: May 18, 2012
℗ 2012 Epic Records, a division of Sony Music Entertainment



いやー知りませんでしたねー。これはいい人を見つけたかも。このお方も(録りだめていた)TV番組『The Late Show with Stephen Colbert』に出てきたアーティスト。

この歌の上手いアーティストはSara Bareilles/サラ・バレリスさん。番組では彼女がスタジオで新曲「Armor」を歌ったのですが、気になったので調べたら過去のいい曲がぞろぞろ出てきた。

このお方は2007年にシングル「Love Song/こんなハズじゃなかったラヴ・ソング」が大ヒットしたらしい。聴いてみたらその曲は確かに聴いた事があったかも。キャッチー。

彼女は声がいい。様々なタイプの曲もあるみたい。これからちょっと聴いてみようか。大発見かもしれない。


これは情熱的な歌ですね。この恋はちょっと問題のある恋なんでしょうかね。誰にも言えず真っ直ぐに進めない恋なんでしょう。もう終わりかけているのかも。でも彼女はまだ彼のことが好き。だからせめて今夜だけ私と一緒にいて嘘でもいいから「大丈夫だ」と言ってね…と恋人にお願いしている。切ない。 私は若い頃にこういう素直な気持ちが言えない人間だったので、女性が正直に自分の気持ちを言う姿にはとても心動かされます。綺麗なメロディならもっといい。いい歌。泣ける。ちょっと訳。


Stay
Sara Bareilles
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土曜日、空っぽの部屋は、人々で溢れ
そんなことはどうでもいい
あなたと私、手を繋いで
誰も知らない、誰も理解できない
日の光はいらない
それは終わりを意味するから
そんな気分じゃない

今夜は一緒にいて
朝よこないで、光よこないで
きっと嘘ね…でも言って、私達は大丈夫だと言って
もし今夜一緒に過ごせるなら

私の手は震えている
これは複雑な愛
目を閉じていて、私は知ってるわBaby
この恋がどうなるのか私にはわかってる

今夜は一緒にいて
朝よこないで、光よこないで
きっとそれは嘘ね…でも私達は大丈夫だって言って
もし今夜一緒に過ごせたら

感じてBaby
泣きたくないの
明日になったらさよならするのもわかってる
だからお願い 
今夜だけ

今夜は一緒にいて
朝よこないで、光よこないで
きっとそれは嘘ね…でも私達は大丈夫だって言って
私達は上手くいくって言って
今夜だけ

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Source: LyricFind
Songwriters: Sara Bareilles
Stay lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC





2018年12月12日水曜日

Sampha – Treasure (2018)



優しい音楽



Sampha – Treasure (2018)

Album:  Beautiful Boy (Original Motion Picture Soundtrack)
Released: Oct 12, 2018
 ℗ 2018 Amazon Content Services,
LLC, under exclusive license to Warner Bros. Records.


 のんびりしてます。術後は良好。良好なのだけれど運悪く風邪をひいて3日間微熱を出してます。今日また病院に行ってきた。大丈夫だそうだ。
 
今まで忙しくて見れなかったテレビの録画を見てます。この曲は暫く前に放送された『The Late Late Show with James Corden』に出てきたアーティストのSamphaさんの曲Treasure。映画『Beautiful Boy』のサウンドトラックらしい。
 
綺麗で気持ちいいのに、ほんのすこし不安になる音
 
Samphaさんはロンドン出身の30歳。記録しましょう。


 

2018年12月7日金曜日

お猫様H:私がお姫様だから





よそ様の優しい猫さんは「悲しむ人間や病気の人間に寄り添ってくれるらしい」というのを聞いた事がある。

さて、ここのところ色々とあった海亀ですが、うちのお猫様はどういう反応をしたでしょう?

冷たい
おまけに警戒する おい…ぉぃ…

手術から帰って来た日とその翌日、猫さんは私を怪訝な目でじっと見つめてあまり近くに寄ってこなかったぞ…ぉぃ。いや寄ってきたのかもしれないけど覚えていない。実はどうにもならないくらい苦しかったので正直お猫様どころではなったのです。
 
手術の日から私は翌日までベッドルームに篭って、夕方からキッチンに下りてきたのだけれど、どうも猫さんが冷たい。一定の距離を置いてじーっとこちらを見つめている。鼻先をこちらに向けて遠くから「すんすんすん」と私の匂いを嗅いでいる。なんだ冷たいな。
 
どうやら病院の匂いが気になるらしい。…なるほど、彼女は昔(うちに来る前に)シェルターで避妊の手術を受けている。もしかしたら消毒液の匂いなどを覚えているのかもしれぬ。確かに手術はトラウマだったのだろう。
 
その夜、私が首から下だけシャワーを浴びた後には、彼女はいつもどおりに接してくれるようになった。…とは言ってもこちらはまだ普通の状態ではない。旦那Aも何かと気にかけていつもより私の方を気遣ってくれる。どうしても猫さんに構わずに人間二人で会話を始めてしまう。
 
すると猫さんはピンと尻尾を立て、私達を横目で見ながらツンとして前を通り過ぎる。時々私をキッと見て何度も前を通り過ぎる。まるでこう言っているかのように…

「海亀姉さん、お姫様はあなたじゃないわ。わたしがお姫様だから。忘れないで」

後から旦那Aに聞いたのだけれど、私が休んでいた2日間、彼女はいつも以上に彼に愛情を要求したのだそうだ。ベッドルーム以外の家中を走り回り、彼の足元に纏わりついてすぐにコロンと床にひっくり返って手足をバタバタさせ「ヤーン」と鳴く。まるで子供が赤ちゃん返りをするように甘える…どうやら人間二人があまり構ってくれないので不安になったらしい。
 
彼女は愛を受け取る猫さんなのだ。「いつも私を愛して、いつも私を構って、いつも私を見ていて、いつもあなたの一番でいさせて」と愛を要求する猫さんなのだ。彼女は本物のお姫様なのです。
 
私の状態が落ち着いてきて、いつものように彼女に話しかけ「いろいろとびっくりさせてごめんね」と謝り、ブラッシングをしたりチューしたりベタベタと触る時間が増えていったら、またいつもの彼女に戻った。コロコロキュルキュルと鳴いて嬉しそうに愛を受け止めている。そんな彼女を見て人間二人もほっとするのです。

2018年12月6日木曜日

耳下腺腫瘍の摘出手術の記録

 
※12月9日・内容の追加、修正をしました。 
 
 
今まで数日間ブログが書けなかったのはこのせいです。今週の123日月曜日に病院で良性の腫瘍の摘出手術をしてきました。今日は6日木曜日で手術後3日目。うちにいます。自分用に何が起こったのかを記録します。

生まれて始めての全身麻酔の手術なのでドキドキ。ちょっと怖い。日本で同じ手術をなさった方々のブログによると、日本では手術後に1週間程入院をするらしい。それなのに、ここの病院で手術前に言われたのは「日帰り」だそうで…ぇええええええ…不安。アメリカって乱暴よね…。


★発見から手術まで

耳の下に8 mmほどの小さなしこりを見つけたのは4年前。そのままにしていたら去年末頃から少し大きくなってきた(1 cmほど)。今年の7月に医者に相談、8月から耳鼻科の専門医によりCT検査で腫瘍を確認 → 穿刺吸引細胞診で悪性ではないことを確認 → 手術の日時を決定。今年は秋にコンサートが沢山入っていたので、手術は12月を希望する。

耳下腺腫瘍とは耳の下にある唾液腺にできる腫瘍。良性でもそのままにしていると悪性に変わる可能性があるので摘出手術が一般的らしい。女性に多いのだそうだ。

全身麻酔の手術は生まれて始めてだ。かなり不安。手術をすることになってまず思ったのは既に他界している両親のことだった。「お父さんお母さんごめんね」彼らがこのことを知ったらきっと悲しむだろうと思った。そんなことを考えるとは自分でも不思議だった。


担当の耳鼻科の先生は笑っちゃうくらいハンサムな青い目のイタリア人。中高年モデルみたい。ありゃ~私は超イケメンは苦手なのよねー。年齢は60歳ぐらいらしい。名医だそうだ。この地のメディアで選ばれる「Top Doctors」のリストの中に彼の名前を見つける…ちょっとほっとする。

手術の前日までに家中の大掃除を済ませる。このような手術は始めてなので、手術後にどのような状態になるのかわからない。もしかしたら暫くベッドに寝たままかもしれないので、元気なうちに家事を片付ける。

前日、手術の8時間前から食べ物、水分は一切禁止。早めに就寝。

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★月曜日・手術当日

手術の開始時間は朝の730分。朝4時に起床。シャワーを浴びてすぐ病院に旦那Aと車で向う。530分にチェックイン。

この大きな病院では毎日まるで工場のように数多くの手術が行われているらしい。私がチェックインした5時半の時点で、もう既にいくつかの手術の準備が始まっていた。早朝から午後まで毎日何十件の手術をやっているそうだ。

すぐに準備室へ。着ているもの全てを脱いで消毒布で身体を拭く。割烹着のように後ろの開いたガウンを着てベッドに横になる。そのベッドのまま手術室に運ばれるらしい。しつこいほど私がこの手術の患者であることを確認される…患者を間違っては大変なのである。

待ち時間はすぐに過ぎてもうすぐ手術。男性のナースさんが二人やってきた。手の甲に太い針が刺され管が固定される。これで麻酔薬等を入れるらしい(←これは間違っているかもしれない よくわからない)「さあ行きましょう」 部屋にいる旦那Aに「バイバイ」と言ってベッドに乗せられたまま準備室を出る。それからすぐに意識が消えた。実は準備室から出た記憶さえ無い。全く覚えていない。

★月曜日・手術後

うとうとしてうっすらと意識が戻る。もう全て終わっているらしい。旦那Aがいる。ナースさんがいる。喉が渇いている。声はかすれる。「ハロー」などと言っただろうか?「I’m OK.」などと言っただろうか。

少しずつ意識がはっきりしてくる。イタリア人の先生がカーテンを開けて様子を見にきた。薄目を開け両手をパーに開いて振って「Thank you…」と言うがかすれ声しか出てこない。「歯を見せて」と言われたのでニーと笑うと「おう大丈夫だね」と言われる。なにやら手術はとても上手くいったらしい。先生はハンサムなお顔をくしゃくしゃにして笑顔…嬉しそうだ…きっと上手くいったのだろう。

しばらくはボーっとしていて身体に力が入らない。また暫く眠る。

次に起きたら目が覚めた。担当のナースさんはケリーさん。27歳ぐらいだろうか。綺麗な女の子。彼女が優しい。本当に優しい。昨夜からお水を一滴も飲んでいないのにトイレに行きたくなる。点滴で入れられた水分だろうか。ベッドから出たらふらふらしてうまく立てない。ケリーさんが車椅子を押してトイレまでついてきてくれた。

ケリーさんは手術担当のナースさんなので、今後はもう会うこともないだろうけれど、彼女の優しさは決して忘れない。心から感謝してます。本当にありがとう。他のナースさんも皆優しかった。ナースの皆さんありがとう。

結局朝7時半からの手術に(予定より1時間オーバーの)2時間45分がかかって、その後休憩。病院を出たのは午後3時半過ぎ。旦那A1日中病院で待ってくれた。ありがとう。病院から車で家へ向う。30分ほどの高速ではほとんど喋ることもかなわず。どうにも気持ちが悪い。早く家に帰りたい。

★月曜日・帰宅

家についた途端に気持ちが悪くなる。トイレに行って嘔吐。これは事前に聞いていたのだけれどちょっとびっくりした。いつものことだが私は化学物質に弱い。そのままベッドへ直行。なんとか歩けるのだけれどふらふらする。何かを口に入れたいとは全く思わない。

夜になって起き上がる。少しは楽になったかと思ったが動けばまた気持ち悪くなる。全身がだるい。しばらく旦那Aと話をしてまたベッドに戻る。

鏡で見ると耳の下から後ろ側へテープが貼ってある。これが傷痕らしい。そのテープの端の皮膚に管が差し込まれその管には試験管が繋がっている。中には赤い液体。その試験管はテープで胸に止めている。ドレーンといって傷から出る血液や体液を外に出すものらしい。耳の下には大きな凹み。これが腫瘍を取ったあとなのだろう。

手術をした日は一日中乗り物酔いのような状態が続いた。全身がだるくとても気持ちが悪い。かなり辛い。それでも目を覚ますたびに少しずつ良くなっているとは感じる。その日は殆ど何も口に入れずに過ごした。

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★火曜日・翌日また病院へ

翌日の朝起きて、吐き気はなかったが、それでもまだ全身がだるい。手術後の最初のチェックは翌日の朝10時半。またイタリア人の先生に診てもらう。最初は薄い青色の目が冷たいと思った先生もなんとなく打ち解けてきたかも。ニコニコしてる。 …ちなみにこの先生、昨日の月曜日は私を含めて4人の患者さんの手術をしたらしい。ほぉー…

しかし問題はドレーン…手術翌日の1回目の検診で首からぶらさがるドレーンを引き抜くことになる。先生ちょっと早くないですか?…というのも日本の方々のブログによると、日本でドレーンを抜くのは23日後。大丈夫なんですかね。…もちろんそんな文句は言わない。この地に住むならこの地のルールに従うしかない。

ドレーンの管は大きな針で首に刺さっていたのだろうと思う。引き抜く時はとても痛い。先生が「今度の手術で一番痛いでしょ」と言う。「はい痛いです。でもそれより麻酔が抜けるまでの乗り物酔いのような気持ち悪さのほうがずっと辛かったです。まいりました」。先生ニコニコ「今まで手術しなかったからラッキーだよ。これも経験だねぇ」「はぁ」などと雑談。やっぱりまだ全身がだるい。すぐに帰宅。

★火曜日・その後

家に帰ってきてまた眠る。食欲はない。水もあまり飲めない。結局手術の翌日の(この日の)夕方まで水を少し飲んだだけで何も食べなかった。目が覚めた夕方になってやっとものが食べられるようになった。夕方にバナナを食べ、夜は普通にスープで食事をすることも出来た。やれやれ。手術から身体が普通の状態に戻るまでに30時間ほどかかったことになる。

この日の午後、先生から電話。摘出した組織を改めて検査した結果は良性だったそうだ。もう何も心配はいらない。

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★水曜日・2日後

手術後まだ2日目なのでだらだらのんびりする。頭の中はもう普通だと思う。身体もほぼ普通だけれど、傷が大きいので無理はいけない。幸いなことに耳の下から後ろにかけてのほぼ7センチに及ぶ切り傷は殆ど…いや全く痛まない。傷があることを忘れるほど痛みが無いのは不思議。ただ傷の周りは昨日よりも腫れている。病院に写真を送って問い合わせると大丈夫らしい。

顔面の神経にはほとんど異常が無い。表情も感覚もいつもどおり。腫瘍のあった近くの耳の前の頬の一部は皮膚の感覚が無いが、これは元に戻るらしい。残念ながら耳たぶの感覚は無い。これは事前に言われていたのだが耳たぶの感覚は戻らないらしい。

ご飯もお昼から普通に食べられた。ソファーでだらだら録画したテレビを見て、うとうとして眠る。人間の身体の回復には眠るのが一番だと思う。夜も普通に食事。洋風雑炊。

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★木曜日・3日後

そして今日。ほぼ普通。もう元気だと思う。無理はしていないが、今日は一度も眠ることなく家中を歩き回り、いつものようにブログも書いている。料理もする。キッチンで思わず鼻歌を歌いながらステップを踏んでひょこひょこ踊ったりもした。全く病人の感じはないのだけれど、先程ヘッドホンをしようとして「おっといけない」と思いとどまった。暫くヘッドホンは使えない。

耳の周りは腫れているが、こういうものなのだろう。昨日よりはマシだろうか。これは元に戻るまでに時間がかかるのかもしれない。ともかくこんな状態なので外出はできない。暫くは家でだらだらするしかない。

というわけで、こういう状態なので12月はのんびりと過ごそうと思います。ファンキーな曲を聴いて頭を振ると首が痛い。おっとっと…