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2012年7月3日火曜日

東京カワイイTV「香港カワイイが世界を狙う!?」



香港のセレクトショップ「I.T」 を紹介。日本での放送は630日(土)


かなり面白い内容だった。日本のカワイイファッションがアジアで大人気であること。そんな中、香港の巨大企業が日本のカワイイを元に、世界クラスのビジネスに乗り出しつつあるらしいこと…。うわーこれは大変なことになった…。


日本のストリートファッションが世界中で(一部の人に)人気だというのは、以前からこの番組でも紹介されていたのだけれど、私の個人的な印象は、西洋ではまだまだで、よほど変わり者のトンガリっ子でもない限り、日本のアニメに興味をもったり、カワイイファッションを楽しむこともないだろうというもの。

それに比べてアジアは違うだろうとも思っていた。もう30年も前から先進国として存在し続ける豊かな国=日本に(いろんな意味で)アジアの人々が憧れるのも楽に予想できることだからだ。そういえば日本のアイドルが、1980年代ごろからそれなりにアジアで人気だということも聞こえてきていた。

それからここ20年ぐらいだろうか…日本の若い人達が作り上げたファッションの急激な成長。日本の女の子達が西洋人の真似をすることなく、いかに可愛く綺麗に見せるかを独自に考えつくしたファッション。そんな東京のストリートファッションがいつしかアジアに広まったのも当然のこと。西洋のファッション誌を見て白人のメイクを真似しても出来ないことは多い。だけど東京の女の子なら同じアジア人。アジア人の女の子達が、オシャレな日本の女の子達を参考にするのも十分に納得できることだ。

番組では、香港の様々な若い子達を取材。もう香港だろうが日本だろうが外見は全く同じ。みんなすごく綺麗。スタイルのいいカワイイ女の子達が香港の町中に溢れている。そんな女の子達が買い物をするのが、香港のセレクトショップ「I.T」。話はここから大きくなる。元々は日本のブランドと提携して日本の商品を売る商売をしていたらしいのだが、ここに来て独自のブランドの開発を開始。香港オリジナルのカワイイファッションを売り始めた。この企業、中国やその他のアジアにビジネスを展開しているだけでなく、アメリカ、フランス、ドイツ、ロシア、サウジアラビアなどアジア以外の国々にも出店しているらしいというのだ。

そこで番組は原宿ファッション界の重鎮・米原康正さんにインタビュー。彼の答えは、「もう日本は置いていかれてるかも。日本でカワイイって言っている場合じゃない。もともと日本のものだったカワイイが、香港などでもっと巨大ビジネスになって、日本もいずれ逆輸入をすることになりかねない。日本はこれから、もっと自分達がオリジナルだというのを出していかなきゃいけない…」などと言う話。ああぁそのとおり。私もそう思う。まさにその通り。


この「I.T」という企業の副社長の女性にインタビューをしていたけど、まだ若いのね。30代前半じゃないかと思う。そんな若い女性が、自信に溢れ、相手の目を見てしっかりと臆することなくビジネスプランを語る姿にちょっとドキドキした。彼女には迷いがない。こういう若い人達がアジアからどんどん出てきているんだと思う。これは怖いですよ。実害がすぐに出るわけではないと思うけれど、なによりも悔しいじゃない。要は日本人が、世界的なビジネスの展開に戸惑っている間に、香港を始めとする他の国の企業に、日本のアイデアのいいとこどりをされてしまうかもしれないということです。

香港は97年までイギリス領だったので、英語を話せる人が多い(人口の38%)だけでなく、英国やアメリカに既にビジネス上のつながりが出来ていること。英語が日常語であることから、西洋でMBAなどのビジネス教育を受けている人も多い。世界規模でビジネスを展開する基盤が既にあるんですね。香港だけじゃない。シンガポールの公用語も英語。そもそも日常は中国語を話すんです。こんな英語と中国語を自由に操るアジアの企業に、おもしろ日本のアイデアがいいとこどりをされるケースは他にも出てくると思う。


でも文句は言えないの。こんなのやったもん勝ちなのも事実。 彼らだって前を向いて真剣にがんばっているんです。負けたくないなら競争に参加するしかない。それとも日本ならオリジナルである事を強調して、小さなビジネスでもカルト的にコアなファンに売る商売で対処するのか…。考えどころですね…。日本もがんばってほしい。