CONTENTS

2011年12月31日土曜日

Perfume を海外へ-18. あとがき

今現在(201112月末)、Perfumeは間違いなく日本でのトップスターの地位にいます。多くのファンから愛され、自分たちの好きな曲を歌い、新曲は出すたびにヒット。ファンはこぞってCDの初回版を買いあさり、コンサートをやればチケットは飛ぶように売れる。彼女達の曲はコマーシャルに使われ、天下のNHKにはレギュラー番組を持ち、いろいろな方から好かれ、愛され、全ての行動が何十万と数知れないファンに追いかけられ、泣けば一緒に泣いてくれるファンが日本中にいる。何をやっても愛されるアイドル。11年間あきらめずに努力をつみかさねた結果なんですね。

もし彼女達が、そんなやっとたどり着いた幸せな生活を楽しんでいるのなら…そんな幸せなアイドルのポジションを楽しんでいるのなら、それをさえぎって、「海外にいってやってみろ、こうすりゃいい、それはやめたほうがいい、やれ海外仕様だ、初心に帰れ、ヒューマノイドだ リスペクトだ」なんて言うのも、実際には全くもってよけいなお世話。迷惑な話です。

私も彼女達のファンです。Youtube で追いかけて、TVを見てにやにやしている一人のファンです。ここまで書いてきて、いろんなことを言ってはみても結局は彼女達次第だとつくづく思います。

もとより、女性アイドルというものは、彼女達の年齢が魅力のひとつであるだけに、本来長続きするものではありません。ファンも彼女達もみんなそれをわかっているはずです。今後アイドルを卒業して違うレベルのパフォーマーに5年後、10年後になるかどうかを予想するのは、彼女達本人にも難しいことでしょう。まだ23歳の女の子です。恋もしたいし、結婚、子供…、テレビに出てファンサービスをするよりもっと大切な何かが、いつか彼女達の前に現れるのも明白なことです。

彼女達がそんな(もしかしたら短い)今の幸福な状態を、現状でもっともっと味わっていたいのならそれもいい。それとも、もっともっといろんなことに挑戦してPerfumeとしての成功を最大限に広げたいと思うのならまたそれもいい。

大切なのは、何をするのであっても、彼女達それぞれがPerfumeとしての一分一秒を日々幸せに過ごせることです。からだを大切に、無理はいけません。…が、最近のGlitterPVでの彼女達の輝くような笑顔を見る限り、何も心配する必要はなさそうですね。ほんとうに、きれいになった…。

ここに書いたのは、そんなPerfumeが海外に(西洋に)行くなんて突飛なことをしたらどうなるか…をテーマとした私の個人的な妄想です。Perfumeがあまりにも魅力的で、あまりにも素晴らしいのでライブの映像を見るたびにこのようなことを考え続けて、あまりにも考えが頭の中でぐるぐる回っていたので、一度すっきりさせるために形にしてみようと思ったのでした。断定的な言い回しも、多少の個人的な経験を基にした考察以外は、結局は妄想なので確実性はありません。ただぐるぐると妄想して、彼女達が世界の舞台でEdge やエレクトロワールドを踊っていることを考えるのはほんとうに楽しいものです。

どうかどうか、Perfumeの方々、無理をしないようおからだを大切に。

彼女達のような逸材、そうそう現れるものではありません。何十年に一度、出るか出ないか、奇跡のようなグループだと本気で思っています。可能性はもっともっとあります。これからも彼女達の活躍が楽しみです。彼女達の幸せがいつまでも続きますように。

2011年12月29日木曜日

Perfume を海外へ-17 海外遠征でのリスク

最後に、海外展開へのリスクの話しを少し。海外に出ることには危険が伴うことも事実です。前述海外戦略のレベル2から3までの範囲なら、今の活動の延長線上なので、それほどの危険もないでしょうが、456の段階は、本人達が海の向こうの遠くにまで出かけていくわけで、時間もエネルギーも膨大に必要になってきます。成功するかどうかは、その土地での楽曲の売れ方次第でしょう。また遠征中に後に残された日本市場でのリスクも考えなくてはなりません。今後のことを考えても、あくまでも活動の拠点は日本に置くべきでしょう(あたりまえのことですが)。

そんな海外進出が命取りになった極端な例をひとつ。昔ピンクレディーというアイドルがいて、その時代の小学生の女の子で彼女達の曲の振りを踊れない子はいないと言ってもいい程の超スーパーアイドルだったのですが、76年デビューで78年までの2年間に前例が無いほどのヒットにつぐヒットを飛ばし続けたにもかかわらず、79年に入って急に失速していきます。理由は様々だと思いますが、その時期、彼女達の海外進出があったことも事実です。

ピンクレディーは、当時の日本人としては体も大きくルックスも非常に魅力的でダンスも面白く、アメリカ側からのオファーでアメリカに行ったらしいのですが、日本でのアイドルとしてのイメージを完全に捨てての海外進出だったんですね。アメリカで発売した曲もアルバムも全部アメリカ人の作曲とプロデュース。ビルボードで37位のシングルを出した後(それはそれですごいですが)帰国した時には彼女達の日本での居場所は無くなっていました。ほんのちょっとアメリカに行っている間=彼女達を取り巻いていた大人たちが海外海外と喜んでいる間に、日本の子供達は彼女達を忘れてしまいます。アイドルとしての彼女達の人気もすさまじいものでしたが、それだけに凋落も早かった。

たった3年足らずの日本での活躍の後の急な海外展開は、今思えばあまりにも性急すぎたものだったのでしょう。パフォーマーとして才能も可能性も十分にあった彼女達ならもっと息の長いスターでいられただろうと思います。そんな海外進出の直前に出したシングルが「ジパング」です。

結局、海外遠征は持ち出しがあまりにも多くてお金にならないと言われることが多いですし、本格的な進出はリスクも大きいです。音楽の配信で受け皿を作った上での単発ライブが現実的な考え方でしょう。実際に本格的な海外進出となると、Perfume本人達にはあまり楽しくないかもしれません。係わり合いになってくる全ての人々の労力を吸い込んで日本のファンも巻き込んでの大バクチとなるでしょう。

2011年12月28日水曜日

Perfume を海外へ-16 まとめ レベル別 海外に向けて

日本のアイドルPerfumeのあり方を1段階とし、西洋の一般の客向けの海外仕様Perfumeを対極として、レベル別に海外進出のあり方をリストアップしていきます。

--------------------------------------------------------------------------


1.日本でのPerfume、アイドル、ポップスター、TVスター、コンサートでの面白トーク、キャラ売り(日本の多くのファン向け、ネット上の海外での日本好きのコアなPerfumeファン向け)
-----→ 現状維持


--------------------------------------国境・言葉の壁--------------------------------------


2.1のパッケージをそのまま少しだけアレンジしたAnime-Japan Expo.仕様(海外のコアなファン向けのコンサート(ファンクラブコンサート)、Expo.内のコンサート等)
-----→ 現状に近いExpo.仕様、言葉の壁に対処した構成を



3.1のパッケージからキャラ売り、アイドル売りを少し弱めにした、アジア市場向け仕様(アジアのPerfumeファン、それから日本のファッションなどいろんな日本文化を追いかけているアジアの日本文化ファン向け、「おしゃれな日本から来た憧れのポップスター」売り)アジアの音楽フェスもここ
-----→ 楽曲の配信でファン層を増やすこと


---------------------------------------------西洋の壁--------------------------------------


4.ヨーロッパのファン向け、ダンス、良曲、少しハードめの西洋仕様の演出(Perfumeコンサート欧州版、MC少なめのソロコンサート。テクノだのユーロだのハウスだのそちら系の長年の積み重ねがある市場なので可能性は高い)
-----→ 欧州への楽曲の個別での配信による人気曲でのセットリストで


------------------------------------------アメリカの壁--------------------------------------


5.アメリカ仕様R&B+フェロモン系の本場で、本当の意味でテクノなどにあまり需要の無い国でのファン向けの小規模ソロコンサート(ここに切り込んでいくのが一番難しい、ここの市場は無いかもしれません。)
-----→ まずはUS市場へ楽曲を配信、ライブが出来るかどうかは、その結果次第

(追記;2013年のアメリカの現状は、エレクトロダンス系の音楽がチャートのほぼ中心になるほどの人気なため、この内容は全く見当外れなものになってますね。アメリカでは(アメリカ風味付けの)ダンスミュージックが流行ってます。現時点でPerfumeが一番売れているのはアメリカです。)(2013年4月)


--------------------------------------西洋一般人の壁--------------------------------------


6.強力海外仕様、バリバリのレーザーショー+メディアアート、Made in Japanの女性型ヒューマノイド+ロボットダンス+ポップスター+近未来舞台アートショー(一般客、物見遊山客、テクノフェス アートフェス、他)
-----→ 海外アート仕様中田リミックス、



--------------------------------------------------------------------------


以上、1を現状~6を強力海外仕様まで、段階別に戦略を考えられると思います。5のアメリカが実は鬼門で、ファン向けのソロコンサートというより、ファンクラブ向けくらいの感覚に絞った方がいいかもしれません。まずはJapan Expo.などでコアなファン向けに絞って少しずつ様子を見るしかありません。5のアメリカでの可能性より、ヨーロッパでの6の近未来舞台アートショーの方が成功の可能性が大きいと思います。

2011年12月27日火曜日

Perfume を海外へ-15 遠征に向けての海外戦略-----3. 前衛的な舞台芸術+ポップコンサート~テクノフェス

3. 前衛的な舞台芸術+ポップコンサート~テクノフェス

欧州の大都市、特にイギリスなどでは、進歩的、前衛的な創造性、アートといったものが、非常に尊重されていて、そういったものは若い人のみならず日常的に受け入れられているので、Perfumeのライブがアート的なもの、面白いものとしてうまく認識される可能性は十分にあると思います。横浜のEdge、それからドームでのメディア・アーティストとのかかわりも、まさにそういう方向でチームPerfumeが進化している証拠で、そういった部分を海外仕様として作りこんでいけばいい。いつか、彼女達のショーがHot  Ticketとして、現地のメディアに取り上げられるような扱いになればしめたものです。

ドイツのテクノフェスにいたっては、なおさらです。ステージセットの自由が利かないこと。ステージ上の時間が限られていること。Perfumeファンの割合がおそらく少ないこと。そもそもPerfumeを知らない休暇中の学生が「ヤーパンから来たフロイライン…」程度の、いやそれどころか、誰がステージにいようが構わず、音さえ鳴ってればラリって踊っているようなところに出て行くわけです。難しいと思います。向こうのDJの曲も、ほとんどタメとメロディーの無いガンガンの単調ビート(専門用語を知らなくて申し訳ない)で客を踊らせてますから、Perfumeの曲もそのままでは難しいかもしれません。そんな場だからこそ、セットリストを厳選して(中田Mix)、音圧とダンス、映像等の演出でともかく圧倒してしまうしかないでしょう。終わったときに「なんだったんだあれは…」ぐらいのインパクトを残すぐらい。(実際にテクノフェスでは中田さんのDJに、こしこさん、きゃりぱみゅ、Perfumeを投げ込んた中田ヤスタカショーにしたほうがうけるかもしれません…もうむちゃくちゃ…)

うまくいけば、「Perfumeのライブはすごいらしい」と口コミで広がっていくでしょうし、曲も売れます。次の公演にもつながっていくでしょう。それとも1度だけのショーで「Perfumeのライブはすごかった」と伝説になるのもいいかもしれません。それだけでも大成功です。

2011年12月26日月曜日

Perfume を海外へ-14 遠征に向けての海外戦略-----2. アイドル路線の封印+コンサートの構成を海外仕様に

2. アイドル路線の封印+コンサートの構成を海外仕様に

それよりも、ライブの見せ方以上に気になるのは、彼女達の欧米においてのパフォーマーとしてのあり方です。彼女達自身のPerfumeのとらえかたです。というのも(繰り返しますが)日本人が思うほど、それから彼女達本人が思うほど、今の日本での彼女達のアイドルとしてのありかたが、欧米にそのまま受け入れられるとは考えにくいからです。(もちろん前述1の日本通タイプは除きます)。

そもそも西洋には、23歳の大人の女性が、子供のように純粋で愛らしく、女の子らしく、いつも無邪気に笑っている…ように振舞っていることを良しとする文化はありません。日本のアイドル遊びのよさは 実在の女の子(像)を通して、ファンが、自分の頭の中の理想像を彼女達の向こう側に見ることを楽しむことであって、基本的にそんな遊びの伝統がない欧米人には理解されにくいものです。「幼いな」と思われたらまずいです。

踊りを見て面白いといってくれる人、ステージセットやレーザーショーに感嘆する人は多くても、3人とすぐに友達になりたいと思う人は少ないかもしれません。それは極東のアジア人であること、言葉の問題、それからPerfumeの特殊なパッケージ性ゆえのものです。ハイテクの国日本からきた女性型ヒューマノイド3人が、ステージ上で今晩のご飯の話をしても興ざめになりかねない。(日本ではそれが面白かったのに)

ようするに、曲と曲の間のトークは、通訳までつれてきてやる必要はないし、それから日本では大切な意味のあったPerfume本人たちのアイドルとしての自負、今までの過去やファンへの想い(ドームでのオープニング、掟のっち、カートボール投げ)などなど「重い」演出はいっさいいらないということです。Perfumeは日本では無条件に愛されていて、長い道のりも過去の苦労も全て彼女達の魅力なのですが、そういうバックグラウンドの無い欧米で、そんな感傷的なものはいっさい理解されないでしょう。

例え話ですが、昔、1987年にマイケル・ジャクソンがソロで初来日した折、彼が曲の合間に「感激して座り込んで泣く」演出をしたのですが、アメリカでは大うけだったあのアイドル演出に、あの後楽園球場で本当に感激した日本人の客は何人いたんだろうと…。マイケルがアメリカでは長年のアイドルだったのに比べて、日本での客はスリラーで一時的に飛びついたファンが多かったはずで、そんなアメリカでのアイドル遊びが、あの頃の日本人に同じ意味で通じていたとは思えない。Perfumeが海外に行くのなら、その逆の立場になるわけです。それに比べて、マドンナは殆ど話さず、「ほら、みんな、踊れ!」ぐらいの号令だけで、後はノンストップで歌って踊ってましたから、彼女の方がどんな客(日本人)を相手にしているのか解っていたんだろうと思います。息をつかせる暇も無いショーとしての演出は、言葉の壁や外国人であることのハンデを越えて客を圧倒することが可能です。

Perfumeが言葉の通じない海外に行くのであれば、踊りのパフォーマンスの徹底的なプロ、それを演出するアートなセットとライティング、音響で、舞台芸術のプロとして本人たちもスタッフも徹底的にやる。そしてプロのパフォーマーとして堂々と踊り倒して客を圧倒すればいい。レーザーや映像、重低音、それに完璧なダンスで、他にまねの出来ないショーをやる。それでびっくりさせます。いったんリスペクトを勝ち得たら(それで成功したら)、少しずつ本来の自分たち寄りにアレンジしていくことも可能でしょう。まずはリスペクトです。

Perfume を海外へ-13 遠征に向けての海外戦略-----1. ターゲットを設定

曲を配信し、ある程度売れるあたりがついてから海外戦略の開始です。(言葉が大げさですが)。

Perfumeの欧米でのあり方を海外仕様にします。その理由は前述のとうり、海外にもうけるだろうPerfumeの魅力(1.ダンス、2.キャラクター(綺麗な女性型ヒューマノイド)、3.ライブ、4.中田さんの良曲)、つまり彼女達の明確なパッケージ性、特殊性を強調して、既存のコアなファン以外の人たちも巻き込んで、おっと言わせるためです。つまり市場を広げるためです。

現在、愛されているアイドルとして日本でのPerfumeは、なんでもOK状態です。焦点がぼけたとか迷走中などと思われかねないことも、彼女達なら全部いいというファンがほとんどです。ファン層が拡大した分、様々なファンが求める彼女達の姿は多様化しています。テクノを歌って踊るプロ、かわいくて綺麗なアイドル、スタイルのいいファッションリーダー、話のおもしろいお姉さん、理想の娘、理想の恋人、キラキラ輝くようなポップスター…、そういう変幻自在であることが今の彼女達の魅力であることも事実です。日本ではそれがポップスターのあり方として成功しています。海外でもネット上の既存のファンに対しては、そんな多様性がプラスに働きます。海外に出て行くからといって、日本国内でのPerfumeのあり方を変える必要は無いです。

…が、前述のような厳しい欧米の現実、それから彼女達が海外で一般的にはそれほど知られていないことを考えても、遠征ライブにいくのであればある程度見せ方を絞って戦略をたてたほうがいいでしょう。


1. ターゲットを設定
まず、戦略をたてやすくするためターゲットをあらかじめ想定したほうがいい。ターゲットは、3つです。この3つのタイプは、もうすでにる程度のファンがいると思われますし、このターゲットに向けた戦略であれば、急に決まったJapan Expo.等への出演や、欧州でのテクノフェスへの参加などにも、目的別に調整して対応しやすいはずです。

1.すでに日本のものなら何でも飲み込む日本通、Japan Expo.の客タイプ。
2.クラブ系の音楽通。
3.アート系、新しいもの、面白いもの好きタイプ。

この3つのタイプには、前述した日本人としての特異性、Perfumeならではの特殊性が、ポジティブにうけいれられるはずです。Japan Expo.タイプはPerfumeそのものが、クラブ系には中田さんの音楽が、アート系には彼女達のダンスと演出、最先端のステージセットが興味の対象となるでしょう。もちろん実際の観客の興味がそれほどバラバラなわけはなく、クラブ系が人形っぽいPerfumeのダンスを気に入ったり、日本通タイプがステージセットに感嘆したりと、客の反応がクロスオーバーしてくるのは、日本での過去の状況と同じでしょう。この3つのタイプを確実なターゲットとしてまず押さえて、そこから広げていけばいい。それぞれのタイプにも、友達がいるわけで、こういう人たちが外の人たちを引き込んできてくれればいい。

1の日本通タイプはPefumeならなんでもいいはず。基本的に(アノ)Perfume本人達を実際に見れることで舞い上がってくれるので何をやっても大丈夫です。2のクラブ系は踊りにくる人達。基本、曲がよくて踊れればいい。ライブ仕様の多少ハードめのリミックスだともっといい。代々木ミックスみたいなものだったら何を入れてもいい。ただ、このタイプは「願い」や、最近の「微かなカオリ」等には冷たいかも。3のアート系はパッケージとショーの演出の面白さを目的にやってくるでしょうから、Edge、エレクトロワールド、ポリリズムなどのようなレーザーショー、ライティング、映像、ステージの構成、踊る3人娘がポイントです。

基本的に、欧米への海外仕様では、ほぼPerfumeの初期の近未来テクノポップユニットのイメージをそのまま年齢に合わせて洗練させ、進化させればいい。
いままでどうりのステージの素晴らしさをキープしたまま、もう少し演出を近未来風のアート+ダンスショーっぽく作りこんでいけばいいでしょう。50人のかしゆかでも、代々木ミックスでも、レーザーショーでも、いままでチームPerfumeがやってきたことを基本的に変える必要はないです。ドームでの多くの演出はこの方向で成功していたと思います。

2011年12月24日土曜日

Perfume を海外へ-12 海外遠征の前に-----3. 配信のタイミング

3.配信のタイミング
曲を配信するタイミングも、海外遠征を決めた後から曲が買えるようにするのではなく、まず曲を売ること。じゃんじゃん配信すること。それで、どれくらい売れてるのか、何が人気なのか、あたりをつけてからやっとライブの話が出来るようになるのが本筋でしょう。iTunes1曲も買ってくれない客が、何十ドルものチケットを買うはずが無いです。

先日Perfumeが韓国で1015日(2011年)のAsian Song Fes. に出演するのに、その韓国への配信を始めたのが、928日なんですね。公演のたった2週間ちょっと前です(最初からファンを増やすつもりの配信ではないでしょうけど)。当日の動画を見るとけっこうファンがいたみたいなのですが、あのファンが928日以降に公式配信の4曲を初めて聴いてそれで会場にやってきたとは思えません。あそこにいた現地のファンのほぼ全員がYoutubeなどの動画で食いついたファンです。でなきゃあんなにノリノリで全曲日本語で大合唱はありえない。彼らのMP3 Playerにはもうチョコレートディスコやポリリズムが23年前から入ってたんだと思います。いまさら買う必要もないファンでしょう。ねえとレーザービームで買ってくれたかもしれないけど…。

まずは、曲を配信で売る! ネットの公式動画でプロモーション。まず話はそれからです。

2011年12月22日木曜日

Perfume を海外へ-11 海外遠征の前に-----2. 曲をネット配信

2. 曲をネット配信
一番大切なのがiTunesストアやアマゾンなど配信で、海外でもPerfumeの曲を買えるようにすること。そもそもPerfumeの曲がiTunesで配信されていないとは何事か…。
問題はiTunesだけではないです。あれだけ、大々的に宣伝されて、ハリウッドまで呼ばれて行った「カーズ2」のサウンドトラックで、現地アマゾンUSMP3ダウンロードページ を見てみると、アルバム全26曲のうち、ポリリズム1曲だけ個別のダウンロードができず「Album Only」の記載が。単体で買えないんですね。ポリリズムを除く他の25曲は全て11ドルで個別に購入可能なのに。イギリス、ドイツ、フランスのアマゾンでも同じ状況。当然のことながらiTunesストアでもおなじ状況。いまどき、映画のサウンドトラックをCD単位で買う人もいないでしょうに。

海外進出の第一歩といって喜んだ人も多いようですが、この程度でぬか喜びはするべからず。海外市場に対して、ポリリズムのインパクト、及び宣伝効果は、ほとんどゼロです。そもそも映画の中でも、あんなに音量を下げられて曲の質感も変わってしまい、キャラクターの会話の後ろでうやむやにしか聞こえないものに、いったい世界中で何人の人が興味を持ってくれたのか。もしかしたらポリリズムの採用も、アメリカ側からの一方的な日本向けプロモーションだったんじゃないかと思うくらい。いや、あのチャンスを上手く活かせなかった日本側の問題も大きいでしょう。

それに比べてきゃりーぱみゅぱみゅは、同じ中田さんの曲「PONPONPON」が世界23カ国に配信。Youtubeのワーナー公式のPV は、今年8月のリリースから4ヶ月、201112月現在で1200万ヒットです! アマゾンでもアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスでMP3ダウンロードが可能。それで北欧でチャートの上位に上って、ライブのオファーまで来ているという…。これが、ネットの力ですね。なぜPerfumeはこれをやらない?もう草の根的に外国でも人気が出てきているのに。このチャンスをつかまないでどうする?

現在のアメリカでPerfumeの公式音源を購入しようと思えば、まずアマゾンUSでの日本からの輸入盤なのですが、コンプリートベストとGAMEは売り切れ。それで、マーケットプレイスの中古が、コンプリートベストで、安くて50ドル(4000円)。高いので155ドル(12000円)。GAMEも同じく50ドル(4000円)~155ドル(12000円)です。トライアングルは新品で44ドル(3400円)。その3枚それぞれの評価がことごとく星5個なんですね。ついでにイギリスでは、コンプリートベストの中古が31ポンド(3800円)~69ポンド(8400円)、Game29ポンド(3500円)~52ポンド(6400円)。トライアングル新品で33ポンド(4000円)(おおよその日本円での値段は201112月のレートで)
それでは日本のアマゾンJapanから、例えばアメリカ人がCD を直接買うとどうなるか。まずアマゾンJapanで日本語の表示しか出てこない。まずここで外国人はびびるでしょう。100歩譲って、そのアメリカ人が日本人の友達に手続きをやってもらったとする。で、めでたく日本から新品の直接購入をすると送料込みで、コンプリートベスト58.98ドル(4600円)、GAME58.15ドル(4500円)、トライアングル58.34ドル(4500円)です。高いですね。(これも201112月のレートで)

要するに、海外のファンが公式のPerfume音源を手に入れるのは、非常に難しいわけです。値段が高すぎる。だからこそ違法ダウンロードをせざるを得ないわけです。そもそも、海外の若い音楽ファンが、11ドルそこそこの値段でばらばらにダウンロードした音楽を聞いている現状で、CD単位でしか売らないのも時代遅れというもの。それでもPerfumeの曲を聴きたがってくれる海外の人たちをありがたいと思いたい。こういうYoutubeで食いついてくれた海外のファンが、まずPerfumeの音源を合法的に買えるようにするべきです。 海外の違法ダウンロードを心配したり、取り締まる前に、まず曲を売りつけたほうがずっと商売上手でしょう。

海外海外と言った所で、まず曲が現地で買えるようにしなければ、遠征も海外戦略も全くお話しにならないです。ライブをするにも曲があってナンボです。インタビューでPerfumeのメンバーが海外を匂わせ、それを見た日本のファンが掲示板などで色めき立つ状況が何度かありましたが(最近の雑誌でも)、曲だってアルバムだって全く売ってないのに何を言ってるんだというのが本当のところです。(もちろんビジネス上のことは彼女達の責任ではないですが…)。

まず、曲を配信してください。それに、海外へ行くのなら、そのプロモーションもYoutubeのファン動画に頼りっぱなしでいいのでしょうか。