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2023年12月22日金曜日

TBS 日曜劇場『下剋上球児』第10話/最終話



TBS 日曜劇場『下剋上球児』。日本での放送は2023年10月15日から。TV Japanにて。


今見終わった。よかった~。面白かった。なによりも若い俳優さん達の野球の場面がいい。珠玉。本当にいい俳優さん達だ。彼らのことはきっと忘れない。

まずこのドラマで初めて出会った若い俳優さん達の名前をメモしておこう。私が気合を入れて見たのが第9話と10話なので印象に残った2018年の3年生の選手達。

犬塚翔(中沢元紀) エース・ピッチャーの翔くん。
椿谷真倫(伊藤あさひ) 目の大きな細面のキャプテン
久我原篤史(橘 優輝)カールロン毛の俊足
根室知廣(兵頭功海) ハンサムな悩み多いピッチャー
楡伸次郎(生田俊平) がっしり本物の球児っぽい
日沖壮磨(小林虎之介) 坊主頭のキャッチャーかわいい

みんな素晴らしかったです。本物の選手のようだった。本当の野球の試合を見ているようにドキドキした。彼らの輝きが見れたことがこのドラマの一番よかったところ。皆さん表情が素晴らしい。いい役者さん達。瑞々しい。この若者達のこれからのご活躍を楽しみにしてます。

役者さん達の表情や動きが素晴らしいのは、撮影のスタッフの方々にスポーツを印象的に撮る技があったのだろうと思う。臨場感のある野球のシーンに興奮しました。人物達の繊細な表情の変化を捉えるカメラも編集も素晴らしかった。例えば翔君と根室君の繊細な表情の変化。彼らは試合中と普段の表情が全く違う。それを捉えるカメラもすごいし、その一瞬の表情の変化を効果的に使う編集も素晴らしい。



★ネタバレ注意






県大会の決勝での勝利の後、遠征の資金集めの様子を描き、場面が切り替わって2023年の様子。おっと変化球がきた。その後の選手達の様子は同窓会で描かれる。なるほどな~そういう描き方なのか~。いいと思う。皆それぞれの道を歩んでいるのね。感慨深い。

甲子園での試合の内容はドラマでは描いていない。出場した8月11日のその日、選手たちが球場に入場して観客の歓声を聞くシーンに感動する。皆よかったね。よかったよかった。そして次の場面では試合が終わって、スローモーションの映像の中の選手達。後ろに映ったスコアボードの数字は……。あ~…そうか~。そうだったのか~。それでも選手たちに悔いはなさそうだ。みんないい表情。すごくいい場面だと思った。そうだね。人生は色々ある。でも彼らが甲子園に行ったのは事実。な~んてまた感動してしまう。

というわけで最終話もよかった。第9話と第10話ですっかり選手達のファンになってしまった。


全体のことを少し。

このドラマは中心に据える話を間違えたのではないかと思う。私は第9話でやっとスイッチが入った者なのであまり大きなことは言えないが、だからこそその理由を書いておこうと思う。私が第9話でやっとスイッチが入った理由は、選手達の野球の試合の様子が素晴らしかったから。若い俳優さん達の頑張りが素敵だったから。皆の真剣な表情がかっこいいと思ったから。だから彼らのことをもっとしっかりと最初から見ていればよかったと今少し後悔している。

問題はこのドラマのフォーカルポイントが野球選手達ではなかったこと。高校野球の話でありながら、ドラマのフォーカルポイントは南雲先生(鈴木亮平)の偽教員免許の話。実はそのせいで私はドラマの途中で少し興味を失った。それから犬塚おじい(小日向文世)のスポンサーシップ云々の話もあった。高校野球の話なのに先生の話や父兄の話の割合が多くていったいこれはなんの話なのだろうと戸惑った。一時期気持ちが離れてしまい、もしかしたら途中で脱落するかもと思った。

見続けてよかった。

だからもったいないと思ったのよ。もし最初から高校生達一人一人をそれぞれを深く掘り下げて、彼らをメインにして皆それぞれのストーリーがありながらも最後は甲子園に立つ…みたいな話にすればもっと感動したと思う。越山高校の野球部の選手達のことをもっと知りたかった。

おそらく制作的には、そしてテレビ局としては、まず有名な俳優さん達を主に持ってきて「視聴者の興味を引く」という意図があったのだろうと思う。確かに私もそれで興味を持ったのは事実。しかし実際にドラマを見たら、有名な俳優さん達よりも若い俳優さん達の方が魅力的に見えてしまっていた。

もちろん鈴木さんを始めとする全ての俳優さん達も皆素晴らしかったです。問題は話の構成。このドラマが何を描きたいのかが途中でわかり辛くなっていたと思う。


それにしてもあの若い男の子達の輝きはなんだろう。みんないい。もし彼らを話の中心として描いていたら、あの俳優さん達はもっと大人気のスターになったんじゃないかと思わずにはいられない。

彼らに出会えてよかった。これからも期待してます。