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2022年10月20日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第38回「時を継ぐ者」10月2日放送



牧氏事件

記録では…
元久2年(1205年)閏7月19日 
北条時政(坂東彌十郎)と牧の方/りく(宮沢りえ)が実朝(柿澤勇人)を廃して、娘婿の平賀朝雅(山中崇)を新将軍として擁立しようとしているとの噂が流れた。政子(小池栄子)は長沼宗政・結城朝光・三浦義村(山本耕史)・三浦胤義・天野政景らを遣わして、時政邸にいた実朝を義時邸に迎え入れた。時政側についていた御家人の大半も実朝を擁する政子・義時に味方したため、陰謀は完全に失敗。幕府内で完全に孤立無援になった時政と牧の方は出家し、翌20日には鎌倉から追放され伊豆国の北条へ隠居。北条義時(小栗旬)は大江広元(栗原英雄)・安達景盛らと協議して京に使者を派遣し、在京御家人に朝雅討伐を命じる。26日には在京御家人の襲撃を受け、朝雅が討たれた。朝雅誅殺後、義時は御家人中の最有力者となり、儀式における序列は義時が第1位を占めるようになる。


ドラマでは…
時政が実朝を館に幽閉。そして実朝に「出家する」との起請文を書かせようとする。抵抗する実朝。その後義時の率いる後家人達が時政の館を囲み実朝は無事救出される。時政は出家。りくは京へ帰るよう促されるが拒否。時政と共に伊豆へ隠居させられる。実朝/義時が京の御家人に命じて平賀朝雅を討たせたことに後鳥羽上皇(尾上松也)が激怒。


この回は宮沢りえさんを堪能する回。大変素晴らしい。

りくは美しい。気が強くて自分本位で、巧みに男を魅了し焚きつけて思い通りに事を動かす悪女。しかしなんとも魅力的な悪女。最後まで輝いていた。今までりくがやってきたことは本当に酷いことなのに、なぜか見ていて楽しくなるキャラ。彼女に魅了される。まるで宮沢さんの舞台のようだった。

りく 涙

1 館を御家人達に囲まれて、時政がりくに京に逃れるように告げる。それに「いやです」と抵抗。下唇を噛んで大きな目には涙があふれる。その場面の彼女が…ま~息を呑むほど美しい。うわ~っと圧倒された。ああ…この女優さんはやっぱり世の中を動かす美女だ。現実でもそうでしたもんね。宮沢さんはティーンの頃から世の中をあっと言わせた美女。50に近い歳になった今でも女が溢れる。彼女は「The女優」だと思った。昔のハリウッドスターのような輝き。ただただ魅了される。彼女を見つめる時政の顔が緩む。も~時政さん、りくさんが愛しくてしょうがないのだろう。よくわかるわ。現実にもそうだろう。どんな俳優さんでもあの宮沢さんの涙には心がとろけると思います。

2 政子の元に逃げてきたりく。「夫は死ぬつもり。企んだのは全て私。悪いのは私です」…今さらそれを言うのなら、なぜあんなに酷いことを企んだのよと思うけれど、それでも宮沢さんは美しい。その言葉が政子を動かす。

3 捕らえられ伊豆へ送られる前のりくを政子と実衣が訪ねる。りくが鬱いでいるかと思えば、着飾って元気一杯。もうしょうがないなこの人は。りくさんに反省の色無し。それが面白い。いけしゃあしゃあと「北条に嫁いでいい事は一つもないわ」と嘯く。それがまたおかしい。楽しそうだ。美しさに説得力。もう自分勝手でも薄情でもいいです、りくさんなら許す。お綺麗過ぎる。美人はいいね。現実にいたら許せないだろうけれどフィクションならいい。

4 その直後に訪ねてきたのえが、北条とうまくやる秘訣を訪ねれば「無理に馴染もうとしないこと。北条を誇りに思うこと」…おおこれはこれは…やっぱり北条がいいのか。義時にも「あなたはとっくに坂東の女だ」と言われてました。

5 最後に義時へ。義時が執権にはならないと言えば「意気地がないのね、この親子は。…あなたはそこに立つべきお人」とまたまた義時を熱く見つめてけしかける。すごいよなぁ。りくさんは男なら誰にでも言い寄って励まして刺激していい気分にさせて操り始めるのね。そういえば以前頼朝と話した時(第25回)にも「京に上ってください」とか「りくは強いお方が好き」とか言い寄ってましたよね。出会う男全員を魅了して思い通りに動かす。すごいなぁほんと。それが見ていて楽しい。宮沢さんのいい女には説得力がある。宮沢りえさん最高。大きな拍手。


それにしてもこのドラマのりくは悪い女。特に畠山さんとか稲毛さんとか…どうするよ。全成に頼家の呪詛をさせたのも彼女ですよね。実朝まで出家させようとした。比企を討つよう時政をけしかけたのもそうかな?酷すぎ。本当に酷すぎる。

だからやったことの罪が大きいのに、彼女がからからと笑っているのには多少違和感がある。あなたのせいで何人死んでるのよ? 事の深刻さを思えば彼女の明るさはやっぱり変。普通の人ならあんなに平気じゃいられないだろう。


前回も書いたのだけれど、世の中には男を魅了し惑わせ思い通りに操ろうとする女は存在する。しかしそんな女性を肝心なところではうまくあしらって実務では影響を受けない男が結局賢い男なのだろう。このストーリーの流れを見ると時政は美人の奥さんの言う事をハイハイと聞くだけの、なんだか残念なジジイになっちゃったねと思った。ウグイスだと言い訳していたけれど。畠山さんは帰ってこない。


さて北条義時 覚醒です。黒をまとって身を引き締める。このキャラも複雑。過去に色々と厳しいこともやってきたけどやっぱり情のある人なのか。今回も義時は時政を相手に揺れていた。彼はいつも揺れている。時政のやったことはクーデターなのだから、たとえ父親であろうと罪人として厳しく扱うのかと思えば、義時はやっぱり別れの場面で大泣きしていた。そういうものだろうか。もっとサバサバしていそう。


今回13人から抜けた人…北条時政