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2020年10月20日火曜日

NHK BSプレミアム『すぐ死ぬんだから』全5話・第3話感想



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★第3話

ハナ(三田佳子)に残された夫、岩造(小野武彦)の遺言に書かれていたのは見知らぬ女性と岩造の間に出来た子供の存在。そしてこの二人への相続品はただ一つ。岩造が毎日眺めて励みにしていた掛け軸だった。見知らぬ息子は35歳、通夜に来ていたイケメンらしい。35年にも渡る夫のもうひとつの生活に胸を掻きむしられるハナ。掛け軸を先方へ送り付け、そして夫に関する何もかも捨ててしまおうとするハナだが、そこに…

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感想

この回のメインは家庭裁判所から帰って来てからの親子3人の会話。名前にこだわる長男・雪男。いきり立つ娘・。このしっかりものの娘苺/松下由樹さんがとてもおもしろい。 このシーンの会話は全体がやたらおかしいです。深刻な場面なはずなのに台詞がいちいちおかしい。


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家庭裁判所から、ハナは息子雪男と娘と共に自宅に帰って来るが落ち着かない。 遺言により、夫の相手の女性・森薫には掛け軸だけを送るように…とのこと。それで3人でいろいろと話し合う。

雪男:森薫は女だった。イケメンは女の息子かな? そいつが岩太郎? 俺の腹違いの弟? 
苺:似てもにつかない。
ハナ:それ…ママの遺伝子がいけなかったって言いたいの? 
ちがーうママは最高。この岩太郎って…本当にパパの子なのかな?パパが騙されてるってことも。 
ありえるよなー。オヤジ人はよかったし。
でしょー?
……燃え上がる苺(松下由樹)さんが面白い。
岩太郎35か…おやじが44の時の子。
森薫…ママの10歳若い…。ほんっと腹立つわ…36年前から私達を裏切ってたってことでしょ。
いや…一度だけ魔が差したのかも。出来心。 
なら…わざわざもう一つの家庭なんて言い方しないよ。家庭って言うんだからさー 
折り紙だの…そうやってアリバイつくってたのか…。 
つかさー俺なんてどうすりゃいい。俺長男だよ。雪男って書くんだよ。なのにオヤジ愛人の息子に岩の字つけてる。岩造の息子で岩太郎…。
……岩の名前にこだわる長男雪男が拗ねてます。それでハナさんが言う。
ねえ雪男、これだけは信じてね。パパは雪男が自慢だったよ…雪男が間違いなく忍家の跡取りだよ。
……さすがママ。しかしそれもコミカル。

腰の低い苺の夫・和夫(田中哲司)が帰ってくる。アイスを間違って買ってきて苺さんに叱られる。家の中の家族の様子が妙にリアルなドラマ。和夫さんは苺に頼まれて、弁護士に相談して…相手の女性を訴えることも出来ると言う。それで森薫の正体判明。森薫は医者。和夫さん「ちなみにお母さんより10歳年下です」…それ言わなくていいぞ。ハナさん憮然。 立派な人ねー。本当にこの人? 

国分寺の整形外科と、森薫のクリニックは同じビルに入っていた。岩造の8月の整形外科の診察券は…岩造が国分寺で森薫に会っていて転んだときのもの。

ハナさん ギブアップ。訴えなくていい。このこと全部忘れたい。死んだ人、憎みたくないし生きてる人と争いたくない。いい夫でいいパパだった岩造はもういなくなった。

急に食欲のわいたハナさん。ピザを頬張る。こんなに悲しい話なのになぜコミカルなのだ?でも確かに忘れたいですよね。もういろいろとめんどくさいわな。


折り紙の個展ももちろんキャンセル。絵を頼んだ息子の嫁・由美が泣く。ハナ「追悼個展なんか誰がやるか。抹殺だよ抹殺」落ち込む嫁。このお嫁さんは大変だわね。

落ち込む由美を見て娘・いづみ「あのさーわかるけどさー。おじいちゃんを全否定するのはやだよ。おばあちゃんがおじいちゃんを許せないのはしょうがないよ。だけど私にとっておじいちゃんはやっぱり優しかったしママだっておじいちゃんのこと結構好きだったでしょ」それも本当ですよね。


商店街の友人達の「やさしい」言葉もつらい。彼女達は何も知らない。気丈に振舞うハナさん。家に帰って来てから岩造の折り紙を抹殺。全部ゴミ袋…バスタブに入れて水をかけて踏みつける。けっこうシビア。ああ…でもそれわかるわ。流れたインクが顔についた状態で宅配便を受け取る。変なおばちゃんになってるぞ。

宅配で受け取ったのは雑誌。なんとハナさん、お洒落だから街スナップでファッション誌に載ってたのね。そして岩造に文句「あんた…びくびくして暮らしてたのかね。寿命も縮むわけだよ。これから(折り紙も)順番に捨てていくからねハナさんすごく元気がいいんですよ。すごく怒ってるけどお元気なの。それもコミカル。それに三田佳子さんが怒ってるのにやっぱり魅力的なのですよ。声かな~やっぱり女性らしくてお綺麗


友人・明美(日色ともゑ)から電話。雅江(高田敏江)が認知症を発症したらしい。明美とロクちゃん(小松政夫)と3人で雅江を訪ねる。彼等は15歳の頃からの友人だそうだ。同級生で皆78歳。雅江さんの息子さんの最後の暗い表情が細かい演出。
明美はフラダンスを始めたそうだ「もう思い残す事が無いようにしようと思って」。ロクちゃん「人生を80年とすると…睡眠が27年、食事が10年、トイレが5年、差し引いて38年。結構短い」明美「だからあたしやりたことは全部やるの。お金も全部使う。人生最後まで満喫した方が得でしょ」ハナ「すごいじゃない明美。私達恵まれてるほうかもね」 明美「ハナ、同期会のときいじわる言ってごめんね」



マンションに送ってくれたロクちゃんは家にあがらない。告白?
ハナ:ありがと
ロク:立ち直ったらいつでも連絡してよ。俺は一人だから。最近考えてる。墓じまいしようかと思って 
ハナ:あたしもしたい、墓じまい
ロク:旦那さん待ってるだろ
ハナ:あのお墓入りたくない。無縁墓でいい。今まで十分尽くしたんだし。同じ墓だと死んだ後も尽くすみたいでしょ
ロク:もし…ハナが無縁墓に入るなら俺、一緒でもいいよ。じゃ帰るわ
ハナ:送ってくれてありがとう


雪男の忍酒店。訪ねてきたハナに孫の忍雅彦俺もう、爺ちゃんの孫だとは思ってないから。ばあちゃん一人の孫だから」 ハナ「後でおこづかいあげるね」ハナさんうれしいよね。


女性達…ハナ、苺、由美、いづみが皆で餃子づくり。すごく楽しそう。家族みんなでの食事風景。

苺:けどよかった…密かに心配してたからさ。ママがセルフネグレクトになったらどうしようかって。…人は生きていく意欲がなくなるとそこに向かっちゃうんだって…
ハナ:そんなの…なんないよ。ママはもうパパのことなんかどうだっていいんだもん 
苺:なんだか皮肉だけどさ…ママを地獄のふちから救ったのは愛人と息子かもね 
雪男:それは考え方だろ。地獄の煮え湯を飲ませたのは向こうなんだ 
ハナ:とにかくあんな人達のせいで落ち込んでる時間がもったいないしね、どうせすぐ死ぬんだから。くいなんか絶対残したくない
餃子がおいしそう。わきあいあい。ピンポン!イケメンが来た!

店先にイケメン森岩太郎(溝端淳平)。掛け軸を返しに訪ねてきた。しんみり。岩太郎はお線香をあげて…。岩太郎「母と私のことでは皆様に大変ご心労をおかけいたしました。申し訳なく思っております」
じゃあ掛け軸を返すってどういうこと?
雪男忍岩造の長男、雪男です。私達家族は森様親子と親しくさせていく気はございませんし…」おっと雪男、立派ですよ。

森さんはあまり掛け軸に思い入れがなかったらしい。それで返しに来たらしい。

あの…ちょっといいですか?あなた本当にうちの父の子供ですか?」笑 苺さんはっきりしてますね。結局森岩太郎さんは大変立派な若者だったのね。ほぼ非の打ち所がない。立派な青年。現在は有名な建築家の働いているそうだ。結局ハナさんは掛け軸を預かることにした。