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2020年5月29日金曜日

ネットと憂さ晴らしと正義の戦士たち



ここのところ、先週の週末の日本からの悲しいニュースを聞いて色々と考えていた。木村花さん。彼女の事をずっと考えていた。胸が締め付けられるようだ。

テラスハウスのシリーズは私もNetflixで気軽に楽しんでいた。元気で正直で純粋で無邪気で明るく真っ直ぐな女の子。番組内の彼女の元気な姿…彼女が笑って泣いて怒って喜ぶのを見て、一緒に泣き、一緒に笑った。 

悲しい。心がこわばったようにそのことばかり考えてしまうのは、彼女の心を想像してしまうから。彼女がひとりで何を考え何を受け止めていたのかを考えてしまうから。

言いたいことがある。いややめようか。書いては消し書いては消し。しかし音楽やドラマの事はまだ書く気になれない。また考え始めてしまう。だから自分のために書きとめておこうと思った。


憂さ晴らしと正義の戦士達

現在ネット上では、人の人に対する様々な意見を数多く見かける。意見の対象はテラスハウスのメンバーもそうだし、アイドル、俳優さん、タレントさんなどの有名人、それから何らかの理由でメディアに取り上げられた一般の人に至るまで。ネット上には、様々な人々に対する様々な人々の意見が大量に飛び交っている。

それにしても今の世の中、批判、非難が多すぎる。

もしそれらの非難や批判…様々な意見が、Constructive criticism建設的な批判・批評 であるのならいい。 しかし現実のそれらの多くは(ネット上の)匿名の人々による心無い憂さ晴らし。そして匿名の正義の戦士達による誰かへの敵意と攻撃…悪意

そんな憂さ晴らしや悪意が集中して個人に向かうとき、それは恐ろしい凶器になる。


匿名でただ文句を言う人々。 何の根拠もなく、まとまった意見を言うわけでもない。気分、思いつきだけの憂さ晴らし。八つ当たり。ただ毒を吐くためだけに対象となる誰かを見つける。相手は誰でもいい。どんな理由でもいい。
そして匿名の独善的な戦士達。 俺が正義だ、俺の方が正しい。あいつは間違っている、あいつはダメだ。あいつのせいだ。お前は変だ。そんな言い方はするな、そんな風に振舞うな、醜い、死ね、消えろ…。 

匿名の立場から終わることなく暴言を吐いて吐いて吐きつくす人々。 SNSや匿名の掲示板、動画サイトやニュースのコメント欄、果ては個人ブログのコメント欄にまで人々の吐いた毒は溢れ続ける。ネットはなぜこんな場になってしまったのか。


ネット上でただ憂さ晴らしがしたい人々。ネット上で「独自の正義」を匿名で振りかざし誰かに敵意をむき出しにする顔の見えぬ人々。 彼等は、彼等自身が自ら世の中を生きづらくしていることに気づいていない。


みんながもっとおだやかで寛容になれればいい。

花さんのご冥福をお祈りします。


 

2020年5月21日木曜日

NHK プロフェッショナル 仕事の流儀「特別企画!プロのおうちごはん」



たった今第3弾を見終わった。

これ第1弾目から見て面白くて、感想を書こうかどうしようか迷っていたのですけど、やっぱり書こう。このシリーズは面白い。ためになる。インスパイアリング。微笑ましい。楽しい。そしてプロの方々のプロならではの技がかっこいい。素晴らしい番組。素晴らしい企画。

さっき見終わった第3弾も楽しい楽しい。皆さんそれぞれご家族の方が撮影をなさってるみたいなんですけど、それがすごく面白い。手作りな雰囲気の映像…楽しいご夫婦の会話、お子様が出演したり、猫や犬が出てきたり。予測不可能なのが本当に楽しい。ご夫婦の会話に何度もニヤニヤし、猫がカワイイとか、お子様のリアクションが面白くて大爆笑とか…。

この番組は緊急企画で始まったみたいなんですけど、なんだろう…テレビの規格の枠からはみ出た面白さがありますよね。アマチュア的な…YouTuber的な…「完璧に編集されていない…よそ行きの顔をしていない面白さ」というのか。統一感がなくて全部バラバラなのがいい。みんなアットホームで温かい。

そしてそんな風にYouTuber的な面白さなのに、内容はもちろんプロの方々の高度な技。

かっこいいんですよ。プロの方々の技の数々。鮮魚店主の松本さんの包丁さばき。魚がすっとキレる包丁の気持ちよさ。ジェラート職人の柴野さんの道具使いの巧みさ。焼き鳥屋池川さんの綺麗にカットされた材料が並ぶまな板の上と丁寧な手の動き。タサン志麻さんの泡だて器の滑らかな動き。そうなの…プロの方々は作業が綺麗で無駄がない。それが本当にかっこいい。ショコラティエの三枝さんのキャラメルソースを作るオレンジジュースのタイミングと、パンをバッグでマリネする技(なるほど)。茶師の前田さんの少しずつのお茶の注ぎ方…最後まで注ぎきること。ひとつひとつ本当にためになる番組です。

前回第2弾のアボカドサンドイッチは番組を見てすぐに作りました。おいしかったです。旦那Aも大変喜んだ。そして天ぷら職人早乙女さんと洋菓子職人の横溝さんのお話も心に沁みました。カレーの甘酒のアイデア、ジャガイモグラタンもぜひ作りたい。第1弾のレシピも全部つくりたい。シリーズの全ての録画を残しておいてひとつひとつ作っていきたいです。

緊急企画で始まったシリーズとはいえ、本当に素晴らしい企画だと思います。第4弾も楽しみです。


※追528日:第4弾のレシピリストを追加しました


レシピのリストを作っておこう
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1
家政婦 タサン志麻さん
 オーブンいらずのローストビーフ
 野菜スープ
 チョコレートムース
洋食店主 島田良彦さん
 家で作れる本格ひとくちカツ
青果店主 杉本晃章さん
 超お手軽 新キャベツの浅漬け
中華料理人 古田等さん
 家族をつなぐ パラパラチャーハン
お好み焼き職人 市居馨さん
 キャベツたっぷり 広島お好み焼き
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2
カレー職人 植竹大介さん
 気持ちアップ スパイスカレー
 キャベツのマリネ
パン職人 竹内久典さん
 看板メニューのホットサンド
 3種チーズのホットサンド
 アボカドとクリームチーズのオープンサンド
天ぷら職人 早乙女哲哉さん
 自宅で簡単 まかない天丼
 丼づゆ
 ホタテ天丼
 丼づゆを使った玉子丼
洋菓子職人 横溝春雄さん
 春よ来い フルーツゼリー
フレンチシェフ 岸田周三さん
 おうちでフレンチ じゃがいもグラタン
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3
家政婦 タサン志麻さん
 お手軽レモンケーキ
 らくらくフランス風グラタン(アッシ・パルマンティエ)
焼き鳥店主 池川義輝さん
 焼き鳥屋さんの鶏スープ
 焼き鳥屋さんの親子丼
ショコラティエ 三枝俊介さん
 チョコがしみる フレンチトースト
 キャラメルソース
鮮魚店主 松本秀樹さん
 子供も喜ぶ アジのハンバーグ
茶師 前田文男さん
 自宅でいれるおいしいお茶
ジェラート職人 柴野大造さん
 愛のアイスケーキ(セミフレッドマスカルポーネ)
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4
料理家 栗原はるみさん
 万能ソースを使った ゴボウハンバーグ
日本料理人 山本征治さん
 自家製だし醤油で ラクラク野菜鍋
料理人 米田肇さん
 しっとり!とりサラダ
 フレンチシェフ 小林圭さん
 赤ワインのリゾット 
 マッシュルームのピストゥ
パティシエ 杉野英実さん
 イチゴとオレンジの自家製ジャム
 自家製ジャムのお手軽パフェ
 黒コショウ風味の自家製パイナップルジャム
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2020年5月20日水曜日

Mark Knight (feat. Laura Davie & Melody Men) - If It's Love (2020)



単調さがいい




Mark Knight (feat. Laura Davie & Melody Men) - If It's Love (Extended Mix)(2020)

Mark Knight (feat. Laura Davie & Melody Men) - If It's Love - Single
Released:  March 27, 2020
℗ 2020 Toolroom Productions
 
 
ハウスハウスハウスハウス

何も言う事はあるまい。いい気持ち。90年代のイメージもあるけれど、実際どの時代のどのカテゴリーに含まれるのだろう。BGMに丁度いい。キーボードの音が意図的なのか遅れているように聴こえますね。


Mark Knightさん
有名。1973年生まれの47歳、英国のDJTDKとも Madfiddlerとも言う。1989年から活躍なさっているそう。大御所ですね。肩書きはmusicianvideo game music composer sound designer。ゲームの音楽を多くなさったそうだ。

Laura Davieさん
英国のシンガーソングライター。gospel choirのシンガー。

Melody Men
英国のAmy,さんDyannaさんLouさんの女性3人の作曲チーム。メンバーは。様々なプロジェクトに作曲チームとして関わっているそうな。

Mark Knight, Lucas Setto - Get With You Tonight (Sgt Slick Extended Discotizer Mix)(2022)
Mark Knight & Beverley Knight (ft. London Community Gospel Choir) - Everything's Gonna Be Alright (2021)


2020年5月19日火曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第18回「越前へ」5月17日放送



越前で新しい生活スタート

 
★あらすじ
1556年 長良川の戦いに敗れ、光秀(長谷川博己)と家族は越前の朝倉氏を頼る。越前での暮らしが始まる。尾張では信長が弟信勝を討つ。ちゃんの昔の恩人は光秀の父だった。



先週の「長良川の対決」の回ではずいぶん文句を書いた。あらためて考えたのだけれど、時代劇(特に歴史もの)の戦の描写は、演出するのが難しいのかもしれませんね。というのも大河ドラマの戦の描写で文句を言ったのは、このドラマが最初ではないのですよ。

ドラマだから当然芝居がある。しかし戦の場面では、演劇(芝居)の部分だけが盛り上がってしまうと場面にエネルギーがなくなる。戦のリアリティが感じられない脚本に演出…戦場なのに緊迫感のない会話劇。人が死ぬ悲しい場面だから感動しろ感動しろと過剰な台詞に演出…そうやっていると場面の緊迫感がなくなってしまう。戦の描写はバランスが難しいのかも。

戦の場面はギリギリの緊迫感が見たい。そしてスピード。はらはらどきどきさせて欲しい。人物達が危険に晒されているからこそこちらもドキドキする。人物達の緊張と恐怖とアクションが見たい。感動の台詞劇はその後。先週の回に違和感を感じたのはそういうことだろうと思う。

しかし俳優さんの方々は素晴らしかった。大きな拍手。もっくん、西村さん、お疲れ様でした。かっこよかった。素敵でした。



というわけで、今回は戦も終わり。ドラマは会話劇。
今回のストーリーは二つ。

美濃を出た明智家は越前に落ち着く
尾張の信長は弟信勝を討つ。

 
美濃を出た明智家は越前に落ち着く

長良川の戦いの後、明智家の皆さんは戦場から脱出。伊呂波太夫(尾野真千子)と(門脇麦)に助けられ、越前の朝倉氏を頼ります(尾張の帰蝶さんの指示)。そして朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)には、京の細川藤孝からも「光秀を助けてやってくれ」とお手紙が届いていた。というわけで明智家は越前に住むことになる。ところで伊呂波太夫は近衛家で育ったらしい。
 
この朝倉さんは癖がありますね。本心を見せない。光秀に「お金あげようか」と言うのだけれど、生真面目光秀が断る。かわいげがないと思われたみたい。相性が悪いのかも。
 
明智家はお金もなく、これから辛い生活が始まるわけですが、ここで光秀がまた一人哲学を始める。

「私は戦が好きではありません。勝っても負けても、戦は戦でしかない。戦に赴くことは武士のさだめと思うてきた。…されど負けて全てを失うてみると、己の無力さだけが残る」うむ
 
それに答えて母牧様(石川さゆり)が光秀の父の言葉を伝える

人には浮き沈みがある。武士には勝ち負けがある。沈んだ時にどう生きるか。負けた時にどう耐えるか。その時、その者の値打ちが決まると
 
それを聞いて光秀は父の言葉を思い出し、大切なものは「誇り高く」生きることであると結論。成長しているのね。私はこの真面目光秀が結構好きだ。不器用な人ですよね。


尾張の信長が弟信勝を討つ。

次は尾張の信長(染谷将太)の人物描写です。今回は弟の信勝(木村了)を討つ。

兄さん

それにしても…染谷さんの信長には正直まだ慣れない。この信長は心が不安定なのですよ。もちろん意図したキャラ設定だと思うのですが。どうなの?この不安定な信長。
 
今回は(殺すつもりの)弟の信勝に対し、自分の劣等感を語り、母に愛されなかった不満を語り、悲しみを語り、そして泣く。また泣く。大粒の涙。うーん…
 
というのも信長は、このドラマの最後で主人公の光秀に討たれる人。視聴者が主人公を応援したくなる本能寺…の設定であるのなら、このドラマの信長は光秀にとって(視聴者にとっても)かなり嫌な奴になるのではないか…と思っていた。
 
しかしこのドラマでのこれまでの信長は…母にも父にも愛されずに泣く子供のような人物。愛情に飢えた人物として描かれている。すぐに泣く。この信長の設定って…視聴者が哀れむようなキャラを意図しているのだろうか。ノブちゃんは可哀想な人なの?
 
じゃあ可哀想な人を最後に討つ光秀…はどういう人? これからどういう設定になっていくのか読めない。注目です。
 
 
信長は一般的に大人気な歴史上の人物なんですけど、私はたぶん生真面目でカタブツ不器用な光秀のほうが好きだと思う。地味でも真面目な人のほうがいい。もちろん歴史のスーパースターとしての信長は面白いのだけれど、現実には予測不可能パワハラモラハラDV気味のヒステリーですぐキレる信長は、一緒にいてあまり楽しい人物ではなさそう。このドラマの信長は、今のところ子供みたいな人なので、どうなるのだろうと思う。
 
 
最後に明智家の煕子(木村文乃)さんの話。越前では光秀が「誇り」だとかにこだわるものだから明智家にはお金がない。それで質屋に行くわけですが、煕子さんは質屋に自分の帯を差し出して光秀の父の形見の数珠を守る。そしてニコニコ笑顔。いいお嫁さんですねぇ。