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2019年10月29日火曜日

NHK SONGS 第512回 玉置浩二 ~目の前の「あなた」に歌う~



録画予約しているTV JAPANでの放送の「SONGS」。いつも他のことをやりながら流し見をするのだけれど、玉置浩二さんの歌のうまさに改めてびっくりして、録画を止めてちゃんと見直した。

このお方が「歌がうまい」というのはどこかで聞いていた。(詳しくは覚えていないのだけれど)どなたか日本の音楽関係のプロの方がおっしゃっていたのを聞いたのではなかったかと思う。

私の玉置さんの歌声の記憶は大昔の安全地帯「ワインレッドの心」だけ。1984年だそうだ。たぶんその1曲しか知らない。私はそのあたりから(意地のように)洋楽ばかりを聴くようになって日本の音楽を全く聴かなくなってしまったので、安全地帯の曲も「ワインレッドの心」以外は全く知らない。だから「玉置浩二は歌がうまい」という話にも「え?そうなの?」と思った。

彼の「うまい」評判を聞いていたので「あ…テレビでやるなら聴いてみよう」と軽く聴いてみた。

いや~いいお声

なーんと素晴らしい。
いい声。
これは色気だな。
なんだろう…
気持ちのいい声

歌のうまいお方は世の中に沢山いる…だから「うまいこと」は珍しいことではない。しかし…うーん…なんだろう…。

味?
やっぱり色気かな
本当にいい声だ
心地よい声
気持ちいい声

 
このお方の声は「うまい」だけではない気がする。なんだろう…? 不思議なんですよ。1984年に「ワインレッドの心」を聴いていた頃は、そんなにいいとは思わなかったと思う。今、どうして彼の声はこんなに気持ちがいいのだろう?
 
60歳の方の声は、普通はそんなにいいものではないですよね。肉体的な声のピークは過ぎているはず。それなのに玉置さんは若い頃より今の声のほうがいいかも。やっぱり色気?
 
番組でお歌いになったのは

 ・Junk Land ←これがかっこいい
 ・オレンジ
 ・She Don’t Care
 ・青い"なす"畑

この4曲を聴いていて「あ~これはライブの人だわ。たぶんこれらの曲はスタジオver.よりライブのほうがいいはず」と直ぐに思った。本当にうまい人はライブがいい。
 
素晴らしいパフォーマンスとは…いや、(全ての芸術において)人の作り出す最高のものとはその人の作り出したものにその人のエネルギーがいかに沢山出ているか…ではないかと思うのだけれど、「ライブがいい人」というは、ライブでのパフォーマンスにエネルギーが出る人…だと思う。
 
玉置さんはそういうお方だと思った。そのエネルギーが味であり色気であるのだろう。
 
聴けてよかったです。
玉置さんの声を知ることができてよかった
記録しておきましょう。

 
 

2019年10月28日月曜日

Kelli-Leigh & Dissent - Without You (Dissent Remix)(2019)



心地よい良曲



 Kelli-Leigh & Dissent - Without You (Dissent Remix)(2019)

Without You (Remixes) - EP
Released: Jul 5, 2019
℗ 2019 Music Core


この曲が英国のダンスチャートに入っていたのは、たぶん今年の8月頃。今年に入ってから英国のダンスチャートを見ていて、ちょっといいかな…と思った物をメモしているのだけれど、タイミングを逃してブログに書かないままになっている曲がいくつか。この曲もその一つ。久しぶりに聴いてみたらやっぱり気持ちのいい良曲だった。忘れないように取り上げておこう。

Kelli-Leighさんは
南ロンドンのシンガー・ソングライター。34歳。彼女は2014年に英国のプロデューサーDuke DumontJax Jonesと組んで出したダンスチャート英米1位のシングルI Got Uのボーカルをつとめたそう。

Dissentさん
うわー見事に情報が見つからない。全くわからない。というのもDissentの名前を使うDJが英国とアメリカだけで数名いる。誰でしょう?


昨日BABYMETALのチャート入りについて書いたエントリーでは、「アメリカのビルボード・チャートは、スターのブランド化と珍妙なデータ操作ばかりで、本当にいいものはチャート上にはないかもしれないよ」ということも書こうとしたのだけれど、まぁいつものようにふらふらとあまり関係ない結論で結んだのですが…。

そんな商業主義に侵されたアメリカのチャートに比べれば、英国のダンスチャートには、曲そのものの魅力で地味にチャートに上がってくる曲もあるのが面白い。ここのところ英国のダンスチャートばかり覗いている理由もそのあたりにある。

欧州のダンスチャートでは、沢山の若いDJと無名のシンガー達の作る音楽が毎週毎週しのぎを削っている。まだ駆け出し+無名の20代前半のDJとシンガー達が、ゲッタやケミカルブラザーズ等の大物と、曲の魅力だけで互角に戦っているのにちょっと感動したりもするのです。

おそらくこのジャンルには、心をがっつり摑まれる傑作は少ないのだろうと思う。しかしBGM用の曲であればほとんど問題ない。音楽の聴き方もかわりましたね。


2019年10月27日日曜日

BABYMETAL:チャートの結果とブランド化



アルバムの発売日は今年1011日。2週間が過ぎてそろそろチャートのピーク時のデータも出揃いました。早速Wikipediaのデータをコピーしてきた。


BABYMETAL – METAL GALAXY (2019)
Peak position
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Australian Albums (ARIA)                                       18 
Austrian Albums (Ö3 Austria)                                30 
Belgian Albums (Ultratop Flanders)                     44 
Belgian Albums (Ultratop Wallonia)                     67 
Dutch Albums (Album Top 100)                           95 
Finnish Albums (Suomen virallinen lista)           40 
French Albums (SNEP)                                          115 
German Albums (Offizielle Top 100)                   18 
Japanese Albums (Oricon)                                       3 
Scottish Albums (OCC)                                             5 
Spanish Albums (PROMUSICAE)                          69 
Swiss Albums (Schweizer Hitparade)                  46 
UK Albums (OCC)                                                    19 
UK Independent Albums (OCC)                              1 
UK Rock & Metal Albums (OCC)                             1 
US Billboard 200                                                     13 
US Top Hard Rock Albums (Billboard)                   1 
US Top Rock Albums (Billboard)                             1 
US World Albums (Billboard)                                  2 
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いい結果ですね。すごいな。分析してみましょう。
まず米国ビルボード・アルバムチャートで13
これはすごいぞ!こんなにいい成績になるとは思わなかった!びっくりした!実は全然期待していませんでした。良くても50位ぐらいかなと思っていた。

9月の米国ツアーでのCDのチケットバンドル方式もあったせいなのかとてもいい成績。ちなみにこのチケットバンドル方式というはアメリカの大物達もやっているそうで珍しいことではない。…ということは、もうアメリカのビルボード・アルバム・チャートの成績も、以前とは意味が違ってきているのかもしれない。

ちょっとその事を考えてみよう…。

現在のビルボード・チャートは、結果を出すための様々な操作方法があって様々なアーティスト/レコード会社もそれに沿った売り方をする。結果、チャートでいい成績を残せば
 
・チャートの記録に残る
・歴史に名前を刻む。

と同時にチャートでのいい結果が
・アーティストや作品の宣伝 になる

だから皆必死になって結果を出す。だから今のビルボードの成績は、必ずしも作品が一般世間に売れた結果とは言えないのかもしれない。…もちろん実際に売れる曲やアーティストもいるだろうけれど全部がそうではないらしい。

アーティストもレーベルも(様々な方法で)積極的にチャート競争に参加するのは、チャートでいい結果を出すことが、

いい宣伝になるから。

数字で結果を出せば、
人気は後からついてくる

だからもっと作品を売るために、これからもっとライブのチケットを売るために、もっと大きなスターになるために、アーティストをブランド化するために…アーティストもレーベルもチャート競争に取り組む。近年のアメリカのチャートとは(作品が実際に売れた結果だけではなく)むしろチャートで出た結果での宣伝効果を期待するために、チャートで勝つことそのものが目的になってきているようにも見える。もうチャートの意味が変わってきてますよね。


…それからBABYMETALのチャートの結果にはまた別の意味も見えてくる。

(想像ですが)どのアーティストにとってもチャートの操作には予算が必要なわけで…。だからもしかしたらBABYMETALにもBABYMETALを後ろから推す強い力が米国内の音楽業界に既にあるのではないか? もうBABYMETALはアメリカの会社がアメリカで売りたいグループになっているのではないか?(←あくまでも想像)。本当のところはどうなんでしょう?


BABYMETALは業界がプッシュするほどの大きなブランドになりつつあるのか?

このMETAL GALAXYのリリースが今年の4月に発表されてから今に至るまで、各国のメディアがBABYMETALのことを数多く取り上げてきたことも忘れてはいけない。BABYMETAL何かを新しく発表するたびに世界中の多くのメディアはBABYMETALを取り上げて記事にする。小さい事柄までいちいち記事にする。ということは…、

少なくとも
BABYMETALは(メタル界では)
海外で既にブランド化している


アーティストのブランド化…とは現代のスーパースターのあり方、じゃあなぜアーティストのブランド化は重要なのか?

その理由は、アーティストがブランド化してしまえば、その後は何をやっても受け入れられる地位が確保できるから。アーティストが一旦ブランド化して、誰にでも名前が知られるようになれば、ライブのチケットはますますよく売れ、アーティストがどんな見せ方をしようが、どんなスタイルの曲を歌おうが、どんな格好をしようが、どんなバンドを後ろにつけようが…、なにをやっても気にかけてくれるファンベースが出来る…何を出してもよく売れるようになる。つまりブランド化するとは、アーティストにとって安全な地位に登れるということ。

それが今の時代のスーパースターへの階段の登り方でもある。もうBABYMETALは既にその階段を登り始めているのかもしれない。そしてもしかしたらメタル業界内だけのブランドを超えてもっと大きな世界でのブランド化を狙っているのではないか?

ブランド化のためにチャート競争に参加していい結果を出す。ブランド化のためにスケジュールがきつくても沢山のライブをやる。。ブランド化のためにフェスにも出演。ブランド化のために実力よりもちょっと大き過ぎる会場で公演する。ブランド化のためにSNSを効果的に使う。ブランド化のためなら海外メディアのインタビューも受ける。ブランド化のために英語も喋る。今のBABYMETALは順調にブランド化のための地固めをしているようにも見えてくる。

今のBABYMETALは、これからますます大きくブランド化するために業界からもプッシュされる地位にまで既に登っているのではないか?もう既にかなり高いところまできているのではないか?


それにしても去年から状況は変わりましたね。去年ダークサイドのお披露目を見た時、正直私は「こりゃ…だいじょうぶかね?」と思った。

(余談ですが)じゃあ去年の米国でのツアーのダークサイドは何が問題だったのか?

あれは広告と商品が違っていたから問題だったのですよ。それまでメディアで宣伝していた「可愛い3人娘のBABYMETAL」が、ある日突然「メークも黒いレザー衣装のあまり可愛くない4人の女グループ」に変わっていた。

本来、よく知られたグループが見せ方やコンセプトを変えるのであれば、まずメディアで「みなさん、私達はこれからこういうイメージでいきますよ」と報告(そういう宣伝)をしてからツアーに出るのが普通。ところが「ダークサイド」ではそれをやらずに、いきなり違うグループに変わっていたから大問題。 例えばネット通販で、広告で見たかわいい子ウサギのぬいぐるみを注文したら、2メートルのゴリラが送られてきた…とか…そういう感じですよね(ゴリラ君ごめんね 君に罪はない)。

そしてその突然の変化を「レジェンド」だとか「BABYMETALのストーリー」だから…とうやむやに誤魔化したのにもムッとしたファンは結構いたのでは。私もムッとした。なんというか…下手なやり方をするよなぁ…と思った。もうちょっと女の子達を大切にしてほしい…だって表に出て舞台に立つのは女の子達なのだから。

…しかしそういうことも、海外のメタル系のメディアにはあまり影響がなかったらしい。

BABYMETALの新譜を待っていた。


というわけでMETAL GALAXYの結果は出ました。素晴らしい結果だと思います。噂ではビルボード・アルバムチャート10位内…などという期待もあったらしいですが、それは最初から無理でしょう(個人的な意見)。それほどのプロモーションはやっていないと思うし、そもそも日本人がアメリカのチャートを攻略するのはそんなに簡単ではないと思う。13位は素晴らしい結果だと思います。

そしてアメリカ以外の英国、オーストラリア、ドイツでの結果がいいことにも注目。それ以外のヨーロッパ各国でも100位以内にチャートインというのは、アジア人のグループとしてはとてもいい成績なのだろうと思います。BABYMETALが海外で売れることには、もうファンも慣れてしまった感じがあるのですが、改めてよく考えれば、日本語で歌うグループが西洋でこれだけ売れるのは特別なことですよね。


さて、じゃあこれからBABYMETALは世界的なスーパースターになれるのだろうか?

わからない

BABYMETALのブランド化とはいっても世界的な真のスーパースターへの道はまだまだ遠い。彼女達がテイラー・スウィフトやアリアナ・グランデ、ビリー・アイリッシュ…、アデルやエド・シーラン(彼はどうして売れているのだ?)と同じレベルになるのはまだまだ遠い道のり…いや正直そういうレベルは外国人+アジア人にはまだ難しいと私は思う(「日本人はスーパースターになれるのか」参照)。しかし彼女達が本気でそれをめざしているのなら、それは本当にすごいこと。もしかしたら彼女達が歴史を変えるのかもしれない。
 
ともかく日本人が海外でここまで来れたのは今までなかったこと。これは日本の音楽界にとっても歴史的な記録だと思います。本当にすごいことです。
 
またまたうだうだと余計な事を書いた。このブログは「BABYMETALはどこまでいけるのか」のお題でBABYMETALを見てきているのですけど、今の彼女達は最初に私が予想していたよりも、

ず~~~っと高いところ
にいるのだろうと思う。すごいねぇ。

おめでとうございます!
 
❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤


2019年10月24日木曜日

Tiësto, Mabel - God Is A Dancer (2019)



サラブレッド


Tiësto, Mabel - God Is A Dancer (2019)

God Is a Dancer - Single
Released: Sep 20, 2019
℗ 2019 Musical Freedom Label Ltd.,
under exclusive license to PM:AM Recordings,
a division of Universal Music BV


キャッチーですね。ありきたりのEDMサウンドですがキャッチー。これはすぐ頭にくっついて離れなくなる。癖になる。哀愁漂うメロディーにダンスのビートは気持ちいい。

ずいぶんセクシーでエキゾティックなルックスのシンガーMabelMabel Alabama-Pearl McVeyさんは23歳。私このお方はスペイン系なのか、もしかしたら中近東系の方かなと思った。こぶしの回るボーカルもちょっとエキゾティックで「オワ」「オワヤー」「オンナナーナナーナ」とか「アーイ」などと言ってるし…何処のお方だろう?

英国音楽業界 バリバリのサラブレッドでした。
 
なんとお母さんは、あの「Buffalo Stance」のNeneh Cherry/ネナ・チェリーさん。そしてお父さんはMassive AttackのプロデューサーCameron McVeyさん。McVeyさんのことはよく知らないのだけれど、Neneh Cherryさんなら…あーこのちょっとめくれた上唇がよく似ている。へーそうなのか。
 
いやー時間は過ぎるものですね。ネナさんにこんな大きな娘さんがいるのね。


共作+アレンジはTiëstoTijs Michiel Verwestさん。有名、大物のオランダのDJです。…あれ?…米国よりも欧州のダンスチャートで売れたお方みたいですね。米国では時々チャートインしているだけ。ああ…そうか、欧州各国で売れているんだな。2001年ぐらいから2006年ぐらいまでよく売れてる。その後も時々思い出したように世界中でヒット曲が出る。だからよくお名前を聞いていたのね。

というわけでMabelさんがネナ・チェリーさんの娘さんだというのに驚いた。