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2019年10月27日日曜日

BABYMETAL:チャートの結果とブランド化



アルバムの発売日は今年1011日。2週間が過ぎてそろそろチャートのピーク時のデータも出揃いました。早速Wikipediaのデータをコピーしてきた。


BABYMETAL – METAL GALAXY (2019)
Peak position
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Australian Albums (ARIA)                                       18 
Austrian Albums (Ö3 Austria)                                30 
Belgian Albums (Ultratop Flanders)                     44 
Belgian Albums (Ultratop Wallonia)                     67 
Dutch Albums (Album Top 100)                           95 
Finnish Albums (Suomen virallinen lista)           40 
French Albums (SNEP)                                          115 
German Albums (Offizielle Top 100)                   18 
Japanese Albums (Oricon)                                       3 
Scottish Albums (OCC)                                             5 
Spanish Albums (PROMUSICAE)                          69 
Swiss Albums (Schweizer Hitparade)                  46 
UK Albums (OCC)                                                    19 
UK Independent Albums (OCC)                              1 
UK Rock & Metal Albums (OCC)                             1 
US Billboard 200                                                     13 
US Top Hard Rock Albums (Billboard)                   1 
US Top Rock Albums (Billboard)                             1 
US World Albums (Billboard)                                  2 
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いい結果ですね。すごいな。分析してみましょう。
まず米国ビルボード・アルバムチャートで13
これはすごいぞ!こんなにいい成績になるとは思わなかった!びっくりした!実は全然期待していませんでした。良くても50位ぐらいかなと思っていた。

9月の米国ツアーでのCDのチケットバンドル方式もあったせいなのかとてもいい成績。ちなみにこのチケットバンドル方式というはアメリカの大物達もやっているそうで珍しいことではない。…ということは、もうアメリカのビルボード・アルバム・チャートの成績も、以前とは意味が違ってきているのかもしれない。

ちょっとその事を考えてみよう…。

現在のビルボード・チャートは、結果を出すための様々な操作方法があって様々なアーティスト/レコード会社もそれに沿った売り方をする。結果、チャートでいい成績を残せば
 
・チャートの記録に残る
・歴史に名前を刻む。

と同時にチャートでのいい結果が
・アーティストや作品の宣伝 になる

だから皆必死になって結果を出す。だから今のビルボードの成績は、必ずしも作品が一般世間に売れた結果とは言えないのかもしれない。…もちろん実際に売れる曲やアーティストもいるだろうけれど全部がそうではないらしい。

アーティストもレーベルも(様々な方法で)積極的にチャート競争に参加するのは、チャートでいい結果を出すことが、

いい宣伝になるから。

数字で結果を出せば、
人気は後からついてくる

だからもっと作品を売るために、これからもっとライブのチケットを売るために、もっと大きなスターになるために、アーティストをブランド化するために…アーティストもレーベルもチャート競争に取り組む。近年のアメリカのチャートとは(作品が実際に売れた結果だけではなく)むしろチャートで出た結果での宣伝効果を期待するために、チャートで勝つことそのものが目的になってきているようにも見える。もうチャートの意味が変わってきてますよね。


…それからBABYMETALのチャートの結果にはまた別の意味も見えてくる。

(想像ですが)どのアーティストにとってもチャートの操作には予算が必要なわけで…。だからもしかしたらBABYMETALにもBABYMETALを後ろから推す強い力が米国内の音楽業界に既にあるのではないか? もうBABYMETALはアメリカの会社がアメリカで売りたいグループになっているのではないか?(←あくまでも想像)。本当のところはどうなんでしょう?


BABYMETALは業界がプッシュするほどの大きなブランドになりつつあるのか?

このMETAL GALAXYのリリースが今年の4月に発表されてから今に至るまで、各国のメディアがBABYMETALのことを数多く取り上げてきたことも忘れてはいけない。BABYMETAL何かを新しく発表するたびに世界中の多くのメディアはBABYMETALを取り上げて記事にする。小さい事柄までいちいち記事にする。ということは…、

少なくとも
BABYMETALは(メタル界では)
海外で既にブランド化している


アーティストのブランド化…とは現代のスーパースターのあり方、じゃあなぜアーティストのブランド化は重要なのか?

その理由は、アーティストがブランド化してしまえば、その後は何をやっても受け入れられる地位が確保できるから。アーティストが一旦ブランド化して、誰にでも名前が知られるようになれば、ライブのチケットはますますよく売れ、アーティストがどんな見せ方をしようが、どんなスタイルの曲を歌おうが、どんな格好をしようが、どんなバンドを後ろにつけようが…、なにをやっても気にかけてくれるファンベースが出来る…何を出してもよく売れるようになる。つまりブランド化するとは、アーティストにとって安全な地位に登れるということ。

それが今の時代のスーパースターへの階段の登り方でもある。もうBABYMETALは既にその階段を登り始めているのかもしれない。そしてもしかしたらメタル業界内だけのブランドを超えてもっと大きな世界でのブランド化を狙っているのではないか?

ブランド化のためにチャート競争に参加していい結果を出す。ブランド化のためにスケジュールがきつくても沢山のライブをやる。。ブランド化のためにフェスにも出演。ブランド化のために実力よりもちょっと大き過ぎる会場で公演する。ブランド化のためにSNSを効果的に使う。ブランド化のためなら海外メディアのインタビューも受ける。ブランド化のために英語も喋る。今のBABYMETALは順調にブランド化のための地固めをしているようにも見えてくる。

今のBABYMETALは、これからますます大きくブランド化するために業界からもプッシュされる地位にまで既に登っているのではないか?もう既にかなり高いところまできているのではないか?


それにしても去年から状況は変わりましたね。去年ダークサイドのお披露目を見た時、正直私は「こりゃ…だいじょうぶかね?」と思った。

(余談ですが)じゃあ去年の米国でのツアーのダークサイドは何が問題だったのか?

あれは広告と商品が違っていたから問題だったのですよ。それまでメディアで宣伝していた「可愛い3人娘のBABYMETAL」が、ある日突然「メークも黒いレザー衣装のあまり可愛くない4人の女グループ」に変わっていた。

本来、よく知られたグループが見せ方やコンセプトを変えるのであれば、まずメディアで「みなさん、私達はこれからこういうイメージでいきますよ」と報告(そういう宣伝)をしてからツアーに出るのが普通。ところが「ダークサイド」ではそれをやらずに、いきなり違うグループに変わっていたから大問題。 例えばネット通販で、広告で見たかわいい子ウサギのぬいぐるみを注文したら、2メートルのゴリラが送られてきた…とか…そういう感じですよね(ゴリラ君ごめんね 君に罪はない)。

そしてその突然の変化を「レジェンド」だとか「BABYMETALのストーリー」だから…とうやむやに誤魔化したのにもムッとしたファンは結構いたのでは。私もムッとした。なんというか…下手なやり方をするよなぁ…と思った。もうちょっと女の子達を大切にしてほしい…だって表に出て舞台に立つのは女の子達なのだから。

…しかしそういうことも、海外のメタル系のメディアにはあまり影響がなかったらしい。

BABYMETALの新譜を待っていた。


というわけでMETAL GALAXYの結果は出ました。素晴らしい結果だと思います。噂ではビルボード・アルバムチャート10位内…などという期待もあったらしいですが、それは最初から無理でしょう(個人的な意見)。それほどのプロモーションはやっていないと思うし、そもそも日本人がアメリカのチャートを攻略するのはそんなに簡単ではないと思う。13位は素晴らしい結果だと思います。

そしてアメリカ以外の英国、オーストラリア、ドイツでの結果がいいことにも注目。それ以外のヨーロッパ各国でも100位以内にチャートインというのは、アジア人のグループとしてはとてもいい成績なのだろうと思います。BABYMETALが海外で売れることには、もうファンも慣れてしまった感じがあるのですが、改めてよく考えれば、日本語で歌うグループが西洋でこれだけ売れるのは特別なことですよね。


さて、じゃあこれからBABYMETALは世界的なスーパースターになれるのだろうか?

わからない

BABYMETALのブランド化とはいっても世界的な真のスーパースターへの道はまだまだ遠い。彼女達がテイラー・スウィフトやアリアナ・グランデ、ビリー・アイリッシュ…、アデルやエド・シーラン(彼はどうして売れているのだ?)と同じレベルになるのはまだまだ遠い道のり…いや正直そういうレベルは外国人+アジア人にはまだ難しいと私は思う(「日本人はスーパースターになれるのか」参照)。しかし彼女達が本気でそれをめざしているのなら、それは本当にすごいこと。もしかしたら彼女達が歴史を変えるのかもしれない。
 
ともかく日本人が海外でここまで来れたのは今までなかったこと。これは日本の音楽界にとっても歴史的な記録だと思います。本当にすごいことです。
 
またまたうだうだと余計な事を書いた。このブログは「BABYMETALはどこまでいけるのか」のお題でBABYMETALを見てきているのですけど、今の彼女達は最初に私が予想していたよりも、

ず~~~っと高いところ
にいるのだろうと思う。すごいねぇ。

おめでとうございます!
 
❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤