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2016年6月17日金曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第23回「攻略」 6月12日放送



今回の見所は北条家の誇りにしがみつく氏政親分。悲しいんだわこれが。

とうとう秀吉が20万の軍勢で攻めてきた。小田原城は敵に囲まれた。秀吉は一気に攻めるのではなく高みから北条の様子を見物している。まるで楽しんでいるかのように。

北条家は追い詰められています。崖っぷちです。

氏政親分も最初は強気だったのに、そろそろ本気で怖くなってきた様子。秀吉に頭を下げて命乞いをすれば(もしかしたら)許してもらえるかもしれないけれど、あの秀吉には意地でも頭を下げたくない。氏政親分の「恭順しないわがまま」は、名家の誇りからくるもの。名門北条の血の誇りが「成り上がり者の猿」に頭を下げさせないわけです。

猿に頭を下げるぐらいなら死んだ方がまし。

誇りとは悲しいものです。現代の感覚では誇りのために…なんてほとんど意味は無い。多くの場合はっきり言って無駄。しかし階級社会だったこの時代に氏政親分がプライドでがんじがらめになっているのは理解できる。とても悲しい話です。

若い世代の氏直くんや、実務をこなす外交官の江雪斎さんは「北条がたとえ小大名の地位に落ちても北条家を守るべき。そのためには猿に頭を下げてもいい」と思っている。これももちろん理解できる。

しかし氏政親分の誇りと意地は、単に馬鹿馬鹿しいの一言では片付けられないんですね。

誇りを守るために家と共に散るのか、
誇りを捨ててでも家を存続させるのか…

苦しい選択です。氏政親分の気持ちがわかるからなんとも悲しい。現代なら見方を変えれば、家を存続させるからこそ北条家の誇りを守れるという考え方もあるんですけどね。氏政さんの抵抗は彼個人の意地なのね。

高島さんの氏政がいい。このお方は憎めない。強気だけれど彼は怖がってます。北条の滅亡が迫っているのに蹴鞠をやって現実逃避。実はお風呂にも入れないほどビクビク震えている。可哀想に。


…この「真田丸」は、以前から「家」の誇りとか「人」の誇り…なんてお題がよく出てきますね。名門=上杉氏の景勝さんが、秀吉に頭を下げることに苦しんだ場面(15回)もそう。真田が秀吉に下る回(18回)で、お婆ちゃん・とりさんが、悩む昌幸に「嘘でもいいから頭を下げる。強いものに従って真田は生き延びてきた」と言ったのも、生き残るためにプライドを捨てる選択を自らに納得させるために出てきた言葉。前回の沼田城での矢沢の叔父さんの抵抗も、城を勝ち取ってきた城主の誇り。今回氏政親分は名門北条家のプライドでガチガチに固まっている。

秀吉がそれまでの階級社会の常識をブルドーザーでひっくり返して平らにならし、全てを仕切りなおしてしまった。それで出てくる歪み。北条氏はその歪みの犠牲者です。人は理屈だけでは納得できないこともある。氏政親分の意地が悲しい。

MVPは前回に続いて板部岡江雪斎さん。彼は北条家を守ろうと必死です。苦しむ氏直君の表情と共に心を動かされました。

そしてとことん強い秀吉。全てをなぎ倒してしまった天才。小さな巨人。驚くほど自分勝手。清々しいほど我侭。しかし誰も逆らえない。この秀吉は怖い。だからこそ大変魅力的。

ところで信繁君の活躍が不自然になってきましたよね~。氏政に会えるわけなどなかろう…。


★あらすじ
北条攻め開始。秀吉20万の軍は二手に分かれてじわじわと関東を責める。苦しむ北条家。板部岡江雪斎が降伏を促すが氏政は頑固に拒否。北条は滅亡寸前。信繁が北条氏を説得に向かう。

●内容

○攻める側・秀吉軍
・最初から秀吉が怖い。余裕です。この圧倒的な強さがまた魅力的。
・石田君が作戦を練る。責任重大。
・軍を二手に分けて、真田は北の上杉と組む。それを聞いて家康が不満顔。
・真田のパパは家康の下で働かなくていいのが嬉しくてしょうがない。第18回で家康に笑われた仕返しに、家康をわざわざ呼びとめて真田パパが笑う「いやー残念残念あはははははは仕方ないなぁははははは」
・実は石田君は北条攻めをしたくない。しかし「戦をするなら負けるのは無駄。無駄は嫌い」←おおおおおお後の関ヶ原は事前に勝算があったんでしょうかね…あれは無駄に運命に抵抗した感じもするが…。
・水軍が地図で出てきたぞ。長曾我部さんと九鬼さん。以前旦那Aに「九鬼さんという武家がいてね」と教えたら「Cookie? (^o^)」と聞かれたことがある。
・小田原攻めは、後の大陸侵攻の予行練習らしい。信繁くんはよく色んな重要事項を聞かされますね。
・秀次君はええ人。芸術家肌。戦場で「桜が綺麗だったろうなぁ」などと言ってます。このお方は愛されキャラですね。最後はどうするのよ。
・信繁と家康の連れション。あっ覗き込んだぞ。信繁神妙な顔になる。
・秀吉の陣羽織に羽が生えている。
・秀吉は余裕です。「茶々を呼ぼうかな」石田君が不機嫌になる。
・そしてお約束の、家康と秀吉の「関東の連れション」こちらは歴史に記録されているそうな。あっ今度は家康が覗き込んだ。驚いてますよね…こういうことって男衆には実際にあるのだろうか。
・家康は関東を貰うことになった。
・出雲ダンサーズが呼ばれている。
・小田原城を見て茶々さんの顔が曇る「せっかく来たからには城が焼け落ちるところまで見ておきたいわね。」うわあああトラウマを抱えとる。茶々さんもいい感じになってきた。利休の出張展示即売会でお買い物。
・利休はうさんくさいのぉ。
・その頃真田と上杉は関東北部の城を攻略・苦戦中。
・秀吉陣に伊達政宗参上
・石田君は顔色が悪い。どうやら計画通りに戦が進まず困っているらしい。
・大谷さんのアイデアで石田君が忍城攻めをすることになる。大谷さんはいつも知的ですね。声もいい。

・北条からの降伏の条件を知って秀吉が激怒。
 
「総攻めだっ!」

しかしなんで信繁はいちいち重要場面にいるのよ。
・石田君が上杉陣にやってきて早速文句を言ってます。
・くどくど文句を言う石田君に上杉景勝さんが

「もうわかったっ!」

と大声。おおおおお…このお声を待っていたわエンケンさん。
・さて石田君が忍城を「水攻めで4日で落とす」などと言って場をしらけさせてます。皆「ムリムリムリムリこの若造何を言ってるのよ」と鼻で笑う。
・なぜか知らねど信繁が氏政親分を説得することになった。何で?無理だと思いますよ。本人も「なぜ私なのですか?」そうだそうだ。
・江雪斎からの申し出らしい。←えええどうして皆本気で信繁が氏政を説得できると思ってるの?なんでなんで?黒田はどこいった。黒田を出せ!
・いつのまに江雪斎さんと信繁は仲良くなったのよ?

○守る側・北条
・氏政親分の篭城プラン。
・氏直君と江雪斎が「困ったなぁ~」という顔をする。江雪斎さんは状況がよくわかってますからね。
・北条の軍議。氏直君は落ち着いてきましたよね。昔はギャーギャー叫ぶだけだったのに。
・氏政親分は蹴鞠で現実逃避。お化粧、香、お風呂にも入れない…江雪斎には氏政が怖がっているのが全部見えている。はっきりとものを言う部下ですね。
・氏政「降伏はせん。伊達が来れば…」悲しいな。
・伊達が秀吉に下っても氏政「秀吉に降伏するなら死んだ方がまし」
・氏直君と江雪斎の必死の説得。
・江雪斎

「ご隠居様はかの早雲公以来代々の名家・北条を滅ぼされるおつもりかっ」涙…。

・氏政「じゃあリスペクトしてくれるなら降伏してもいいかな。条件は上杉と同等に…」
・あきれる江雪斎。
・氏直君も愕然としている。目には涙か。これはつらい。
・江雪斎、氏直に「北条家の当主は氏直様です」秀吉に直談判するか…。

○信繁、小田原城に潜入
・というわけで氏政説得のため信繁が小田原城に潜入。←いやーこれは困った。あまりに話を曲げ過ぎ。これはないだろう。主人公をもちあげ過ぎ。人物全員が信繁なら出来ると思ってるんだもの。変ですよね。
・なんと氏直君も信繁に頭を下げてお願い?ええええ?真田の息子に頭を下げるぐらいなら、氏直君はオヤジを斬って秀吉に降伏してるかも。
・それに氏政へ会いに行く途中、いきなり城内で襲われるのなら、なぜ江雪斎さんが最後まで案内して守ってくれないのよ? おかしいぞ。江雪斎がいたら襲われることもなかろうに。こんなに周りを敵に囲まれて助かるわけがない。佐助がいても無理無理無理。
・あっ、まっちゃんの旦那っ!