今見終わった。まだなんの解説も見ずに印象だけ書いておこう。
まぁ~たいしたものだわと感心しましたわ。トランプ氏は78歳。それなのに一度も澱むことなく2時間も喋って喋って喋り続けた。あれは…プロンプターを読んでいるのでしたっけ?まさか全部暗記しているわけではないですよね。あのスピーチ・ライターは有能だわ。
トランプさん元気だな。まずそこが超人的だと驚いた。喋りも上手いよね。選挙前のキャンペーンと違って、喋りもユーモラスでゆっくり。場面場面では思いやりさえ感じた。上手いんだろうなと思った。人を惹きつけるのが上手い。本当に上手い。なんか思わず信じそうになった。
そういえば私、こういう米大統領の施政方針演説を聞いたのは生まれて初めてで、今までの他の大統領がどのように喋ったのか全く知らないのだけれど、それにしてもこのトランプさんの演説は上手い。
事前に考え抜かれた演出演出演出のオンパレードであったとはいえとにかく上手い。正直心が動いた…この私でさえ。私トランプ氏のことは政治家として全く信頼していないし、特に外交と経済は全くダメだと思うけれど、しかしこの演説では少し心が動いた。スピーチ・ライターは超有能。取り上げたお題もわかりやすく誰が聞いても同意しやすい内容だと思った。しかしあの喋った内容は全部本当なのだろうか。
私でさえ賛同できることを沢山言ってた。違法移民を厳しく取り締まる。犯罪人に甘くしない。法で裁く。警察を建て直す。女性のスポーツにトランスの男は入れない(YES)。性別や性の嗜好、人種などで就職の機会の逆差別をしない(皆平等に)。とりあえず人の性は生まれた時のものとする(これは私は付け加えたいことがあるが)。子供への性転換手術の規制。健康に関する調査、食の安全を調査し実行する。
…あと他にあったかな?
色々と賛同できることもあった。いいことだと思えることが結構聞こえてきていた。それらは以前から聞こえてきていたことでもあるけれど。
私は基本的にLGBTQの人々の自由の権利は守って欲しいと思う。しかしトランスジェンダーに関しては、民主党の行き過ぎた方法のせいで女性にとってフェアではない状況に憤りを感じていたので、女性のエリアを守ってくれたのはいいことだと思う。ただし基本的には「人が人に思いやりを持って世の中が平和である」のなら私は誰が誰と寝ていようと、どのような服装をしていようと構わないので、もし(LGBTQに限らず)様々な分野での弱者が辛い思いをしているのであれば私は応援する側にいたいと思う。それは以前からずっと変わらない。困っている人が幸せになるためなら応援する。しかし女性のエリアには男は入ってくるな、女性を蔑ろにするな…女性も弱い立場なのだから。それも譲るわけにはいかない。だから女性の視点から見て、トランプさんや保守派の人々が言っていることには賛同している。
ただし、トランプさん…共和党全体ですね…の言っていたことにどうしても賛同できないことがある。環境問題。
この演説でも石油資源を「掘って掘って掘りまくれ」それから「アラスカにパイプラインを通す」と言っていたけれど、あ~これはとんでもないな。心が暗くなった。これは前期の時も心配していたこと。もうだめかなと思う。おそらくここ数年で何種類かの野生の生き物は絶滅するのだろうと思う。絶望している。
それから環境破壊に地球温暖化はどうなるのだろう。この演説でもトランプさんは「環境問題はデタラメだ」とか言ってたかな。もう昔の人だからしょうがないのだろうね。怖いし残念です。
しかし私が基本的にはリベラルの民主党寄りだとは言っても、リベラルが暴走したらそれを支援するわけにはいかないのですよ。コロナの頃のmRNAワクチンもほぼ強制になりそうで、あれは心底恐ろしいと思った。私は自分の身体のことは自分で決めたいと思うから。またBLMのお題で警察を社会の敵とみなしたり、万引きは罪としないとか、国境は緩く解放して…なども決して賛同していたわけではない。民主党は確かに暴走したと思う。あたりまえの常識が壊れかけていた。本当にどういうつもりだったのだろうと思う。
それからこの演説で、アメリカも世界各国に意味不明の援助をしているのにも驚いた。アフリカの国の人の性転換の手術をサポートするとか…驚いた。トランプ氏がひとつひとつその意味不明な「支援」に数百万ドルが使われていると話していた。それも止まるそうだ。そういえば驚くほど多くの…130歳以上の(存在しない)高齢者が社会保障を受け取っているとも言っていた(←嘘でした ㊟ ↓ )。本当だろうか。それ全部税金ですからね。きちんと締めて欲しい。
※追記 ㊟
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メディアの Fact Check を見てみたけれどトランプさんかなり嘘をついているようですね。やっぱりな。だから彼は信じられない。もっと正確なデータを言えばいいのに。
Fact-checking Trump's speech to Congress
㊟ 演説でトランプ氏は、アメリカの100歳以上の(存在していない)高齢者(合計・約2000万人以上)が社会保障を受け取っている…と言っていたけれど NBCのサイトによると 大嘘!確かにデータには多くの人々の名前が間違って載っているが社会保障の支払いはなされていない。データを修正するのにお金がかかるのでそのままなのだそう。またまたトランプさんの馬鹿馬鹿しいほどの大嘘。だから彼の言う言葉は信じられない。それにインディアナ州のホンダの新工場も嘘!…なんだ真面目に聞いてたのに。
結局彼は自画自賛ばかりしてそれを飾る嘘の数々…トランプ氏は病的に嘘をつき続ける人。話はうまいし人を惹きつけるが中身は何もないのだろう。こういう人が大統領とは世も末。
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…なんだか私がずいぶん保守寄りになったように聞こえるかもしれないけれど、私の中身が変わったわけではない。
繰り返すがトランプ氏は外交と経済は最悪だと思う。恐ろしいことにならなければいいと願う。それが一番心配だ。
ただとても気になったことがある。
ただとても気になったことがある。
この大統領の演説は議会の議員の前で行われたのだけれど、議会の半分の共和党員はまるでロック・コンサートでもあるかのように熱狂しているのに、民主党の側は苦虫を嚙み潰したような顔でずーっと仏頂面。それも異常だと思った。
本来なら国会議員達も党を超えて個人個人の意見を持つのが本来の姿であるはずなのに、明らかに共和党側がいいことを言っているのにもかかわらず、民主党員の全員がまるで「全て反対するのが当たり前」であるかのように共和党側に一歩も歩み寄らないのも問題だと思った。
これはもちろん共和党の側も同じ。民主党がどれだけいいことを言っても共和党員は民主党に対し、決して賛同することは無い…まるで「戦い」であるかのように。それでは何も決まらない。議会なのに「話し合いの場」ではなくなっているのは異常だと思う。
どちらの党もいいことを言っている。しかし同時にどちらの党も間違ったことも言っている。話し合いの場を「戦い」にするのではなく、両党の正しいことをお互いが聞くようにならなければこの国は前に進まない。
会議は「戦い」であってはならない。
私が個人的に心配なのは(以前にも書いたと思うが)、トランプ氏個人がどうこうというよりも(彼は78歳で永遠にパワーがあるとは思えない)彼を取り囲むウルトラ・コンサバな右翼の恐ろしく排他的な人々に力が与えられるのが怖い。本当に怖い。私はアジア人のマイノリティで外国人ですから。私のような人間が生きやすい国であってほしいと心から願う。