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2024年10月22日火曜日

仏シュッド・ウェスト地方/Sud Ouest南西地方の赤ワインClos La Coutale, Cahors Malbec 2020 とビーフ・シチュー



お手頃価格のワインを飲んで、フランスのワインを学ぶ試みシリーズ。


今回はシュッド・ウェスト地方/Sud Ouest南西地方の赤ワイン
「Clos La Coutale, Cahors Malbec」2020


さてなぜこのワインを選んだのか?
前回ロワール渓谷の Sauvignon Blanc を飲んだ時に調べたフランスワインの産地のリスト。
 
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● アルザス地方/Alsace
 Riesling, Pinot Gris, Gewürztraminer
● コルス島(コルシカ島)/Corce
 Red &Rose Blends
● シャンパーニュ地方/Champagne
 Sparkling Wine
シュッド・ウェスト地方/Sud Ouest 南西地方  ←今回はこれ
 Malbec, 重厚ワイン・甘口白ワイン

● ジュラ地方/Jura
 Chardonnay, Savagnin, Vin jaune,
🍇 ブルゴーニュ地方/Bourgogne
 Pinot Noir, Chardonnay
● ボジョレー/Beaujolais
 Gamay
● プロヴァンス地方/Provence
 Rose Blends, ロゼワインの産地
🍇 ボルドー地方/Bordeaux
 Cabernet Sauvignon & Merlot Blends
● ラングドック・ルーション地方/
 Languedoc & Loussillon 地中海沿岸
 Grenache & Carignan Blends, カジュアルなお手頃ワイン
🍇 ローヌ地方/Rhône
 Grenache & Syrah Blends
🍇 ロワール地方/Loire
 Sauvignon Blanc, Muscadet, Chenin Blan
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このリストの中から、まだ試していなかったシュッド・ウェスト地方/Sud Ouest南西地方の赤ワインを試してみようと思ったから。この南西地方は特にマルベック/Malbecというブドウが有名だそうだ。

お店に行って調べたら丁度お手頃価格のワインが見つかった。フランスのカオール地区のA.O.C.。またまた安いワイン。ハワイのスーパーで21ドル。米国本土なら15ドルぐらいかな。かなり安い。


「マルベック/Côt」は元々この地方のブドウ。しかし現在はアルゼンチンのマルベック・ワインの方が有名らしい。今世界で流通しているマルベック・ワインのほとんどはアルゼンチン産。もちろん土地と気候が違えば出来るワインの味も違う。アルゼンチンのマルベックがフルーティなら、フランス・カオールのマルベックは…革のような風味、酸味、黒プラム、そしておいしい苦味の風味が特徴。

このワインはマルベック80%にメルロー20%のブレンド。


さっそく試してみた。

んん… 前に飲んだカベルネ・ソルビニョンより柔らかい?飲みやすい。ん~このワインも浅くストレートな印象? ボトルを開けて直ぐに飲むと直線的な感じがした。これカベルネの時にも思ったのだけれど、ブドウの種類が少ないとバランスに欠け深みが足りないのだろうか。旦那Aが「なんか一面的」みたいなことを言う。そう、味が直球の感じ。でも柔らかいし飲みやすい。

以前飲んだカベルネは、すごく粗い感じがしたのですよ…フルーティで酸味はあるのだけれど、舌触りの印象がザラっとした感じがした(もちろん安いワインだったからというのもあると思うが)。しかしこのマルベック+メルローはスムース。ずっと飲みやすい。柔らかい。

そしてボトルの半分ほどをシチューに入れた。

その夜は、シチューは煮込むだけにして(旦那Aが前から作りたいと言っていた)レモン・パスタを食べることにした。レモンパスタは、以前イタリア人の YouTuber のレシピで、オリーブオイルとマイヤーズ・レモンで作ったのだけれど少し苦かったので、今度は(他のレシピにあるように)バターをいれて作ってみようということになった。それで私がシチューを煮る間、旦那Aがバター&レモン・パスタを作った。


そして(赤ワインはレモンパスタと合わせるものじゃないのだろうが)とりあえずボトルを開けたので「飲んじゃえ飲んじゃえ」と飲むことにした。…おそらくバターの油との相性が良かったのか、それともボトルを開けてから30分以上経った(空気が入った)からなのか、
なんだか、さっきよりおいしい。あれ?

レモンパスタに赤ワインはルール違反なのだろう。しかしさっき開けたばかりよりず~っと美味しいよ。なぜ?不思議。やっぱ空気が入るといいのかね。


そして翌日
シチューを仕上げて、残りのワインを飲んだ。



あ、いいわ。合わせたのがビーフだからなのか…いいと思う。安いワインだから最初から期待していたわけじゃないのだけれど、この値段でこれなら悪くない。

面白いのは、グラスを傾けて口の先にワインを入れた瞬間はすごく美味しく感じる。不思議。そしてその後、口の奥まで流し込むと、ん? なんか足りないかな?…とちょっと思う。

前日に旦那Aが「奥行きが足りない」と言っていたけれど、なんでしょう…。ワインが口先/舌先に触ると、すごくいい味と香り。そしてその後の広がりを期待すると、あれ、なんか足りない?と思う。面白いね。

そんな風に、口に入れる瞬間がすごく美味しい。もっと、もう少し、と飲んでいたらすぐにボトルが開いてしまった。名残惜しい。もう少し飲んでいたい。…というわけで後日、もう1本購入。(このワインは熟成するのもいいらしいので暫く置いておこう)

これはこの値段なら十分美味しいと思います。ワインの評価サイト、口コミサイトでも決して悪くないスコア。2020年はいい年だそうだ。(専門家の評価ではないのだろうが)ワインのファンの口コミサイトVIVINO.COMでは5点満点で3.9点。カジュアルな日常のワインですね。この値段でこれなら悪くない。



さてそれではワインの情報

Clos La Coutale, Cahors, Malbec 2020


生産者
Clos La Coutale/クロ・ラ・クータル社
ローマの時代からワインの産地で有名な土地・カオール。ベルネード/Bernède 家のワイナリーは、フランス革命前に設立されたこの地域で最も古い家族経営のドメーヌのひとつで、この地域で6世代に渡り優れたワインを生産してきた。現在の当主フィリップ・ベルネード/Philippe Bernède 氏は、心と創意工夫を持って家族の伝統を引き継いでいる。ベルネード家は カオールのブドウ畑の再建、生産の開発、ボトルでの販売、そして 1971 年のカオール・アペラシオンの AOC への移行における功労者。

ところで現オーナーのフィリップ・ベルネード氏はコルク・スクリューの(製品名)Coutale/クタール(ダブル・アクショ・ンソムリエ・ナイフ)をデザインしたお方だそうだ。それ結構よく見かける。へ~

このワインは日本でも手に入るらしくて情報も出てきた。このワインは、生きた畑にこだわる個人経営のオーガニック農家の手作りワイン。造り手の情熱が詰まった「地酒」のような感じなのだそう。貴重なのですね。様々な賞も受賞しているそうだ。出会えて嬉しいな。


● 産地
フランス/Sud Ouest(シュッド・ウェスト・南西地方)Haut-Pays(ハイ・カントリー)Cahors
カオールとは、フランスのボルドー地方を流れるガロンヌ川に流れ込む支流の一つ、ロット川の流域の東西 60km に広がるワインの産地。

クロ・ラ・クータル社のブドウ畑は、ロット川の蛇行の中心部、ロット川からそびえる緩やかな斜面にあり、砂利と珪質土壌、粘土質土壌、石灰岩土壌からなる沖積土壌で、ロット バレーの沖積段丘沿いに位置している。南西に面し極度の寒さから守られたこの土地は、ブドウの栽培に適している。

このワインの産地、Sud Ouest /南西地方のカオールは、1世紀からローマ人によりワインの産地として開発された。中世から「黒ワイン」の産地として知られるようになる。この地のワインは、中世から王族の各国との婚姻や、またこの地がスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路であったことから巡礼者にも評判になり、中世から欧州各国へも輸出されるようになった。教皇や王族がこの地方のワインに親しみ、また大衆ワインとしても人気となる。1877年、葡萄の木の害虫の大きな被害により一時は存続を危ぶまれたが、1947年に(ボルドーの木からの接ぎ木)で復活。その後も1956年には霜で99%の木が壊滅となったがまた復活。その後、1971 年にカオール地区は 440 ヘクタールの AOC を取得。

ローマ時代からとは…すごいね。歴史が面白い。


● マルベック/Malbec
葡萄の品種マルベックは小粒で果皮が厚く、タンニンが豊富な色合いの、濃く少しスパイシーな香りのするワインが特徴。味わいはフルボディのものが多いが、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとよりフルーティ。

フランス西南地方のカオール地区ではマルベックを今でも主力品種としている。カオールのワインは色調が濃く、赤を通り越して黒っぽいワインに仕上がることから「黒ワイン」と呼ばれる。


● このワインは…
マルベック80%にメルロー20%のブレンド。エレガントな素朴さと日常的な飲みやすさを両立させた力強いワイン。ジューシーな熟した果実と土のような香りを持ち、ベルベットのような後味を持ち、時間の経過とともに柔らかくなる。カベルネ・ソーヴィニヨンとは異なり、このワインには長い余韻や攻撃的なタンニンはない。
アメリカでは珍しいフランス南西部から輸入されている数少ない赤ワインの 1 つ。マルベックとして知られる品種であるコート種で作られた赤ワイン。このブドウの典型的なフルーツの特徴を持ちながら、古典的な土のような印象、ココア、ブラックチェリー、ブルーベリー、ブラックベリー、コーラ、ハーブ、熟したタンニン等々。 肉厚さとコーヒーと熟した黒果実のような素朴な香りで荒々しい魅力。野生の香りも漂う力強いワイン。今飲むのもいいが、今後数年間で美しく熟成する可能性がある。

そうそう。すこし土っぽい感じ…わかる気がする。でも後味が重くない。熟成にいいそうだ。


● 組み合わせ
古いクータルのベカス(ヤマシギ)やカスレに勝るものはないが、シンプルなステーキにも合う。赤身肉、黒身の七面鳥やローストポークなどの軽い部位ともよく合う。コショウ、セージ、クリーミーなマッシュルームソース、とろけるチーズとの相性も抜群。ローストした肉、鴨肉、ジビエ、バーベキューとも相性がいい。



 西南地方のカオールのワインは…
● フランス国内で「コストパフォーマンスの高いワイン」として親しまれている。

● カオールを名乗るためには、マルベック(コー)を70%以上使用しなくてはならない。

● 若過ぎるとワイルドで荒々しく硬い印象だが、熟成によりタンニンが柔らかくなり滑らかでエレガントな印象のワインに変化していく。

● カオールは比較的高級なワインの特徴を持ちながら、価格帯は大変リーズナブルで気軽に購入出来る点も魅力。

● 濃厚でパワフルなカオールは、同じ西南地方の郷土料理である鴨肉のコンフィやカスレ/Cassoulet (肉、ソーセージ、白インゲン豆の煮込み)との組み合わせがおすすめ。シンプルなステーキやジャガイモとの相性も抜群。

今度これを開ける時はカスレを作ろう!


※追記  
このワインは英国のワイン・ブロガー(エッセイイスト)CJ &PKさんの「The SEDIMENT Blog」でも取り上げられていて、彼らが言うには「フランスの農民がギンガムチェックのテーブルクロスの上に置き、デュラレックスのコップに注いで飲み、またコルクで栓をして農場に持って行ってチーズとパンのランチで飲む…」みたいなワインと言っている笑。いい。それそれ。素朴なワインですね。いい感じ。うちのコップもデュラレックス笑。




ワインは調べると面白い。ネットのおかげ。今はどちらかと言えば味がどうだと言うよりも、ワインの歴史を知る方が楽しい。今は基礎知識を増やしている状態なので暫くは安い掘り出し物を探します。ワイン評価サイトを見に行くとお手頃価格でも平均以上の点がついたワインも結構あって、それを近所のスーパーで探すのが楽しい。それから飲んでワインの説明を読んで、これは皮かココアかブルーベリーかラズベリーか…と頭をひねるのも楽しい。本を読むようにワインを飲む。旅をするようにワインを飲む。これからも時々試していきます。次はLanguedoc & Loussillon のワインを試す予定(もう買っている)。


ワインメモ
🍷Clos La Coutale, Cahors Malbec 2020
Vivino.com Score:  3.9
Winery:  Clos La Coutale
Grapes:  Malbec
Region:  France / South West France / Haut-Pays / Cahors
Wine style:  Southwest France Malbec
Alcohol content:  13.5%
Wine description
There is a note of cherry, sweet plum and raspberry flavours. Well-spiced, with hints of mint and dark chocolate on the finish. The wine displays full balance between the tannins and the fruit.