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2024年6月20日木曜日

DHT Musical★『トッツィー/Tootsie (musical)』






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    Tootsie (musical)
    Music & Lyrics by David Yazbek
    Book by Robert Horn
    Basis:Tootsie
       by Larry Gelbart, Murray Schisgal, Don McGuire
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ホノルルのコミュニティー・シアター Diamond Head Theater(DHT)で先週の週末またまたミュージカル『Tootsie/トッツィー』を見てきた。忘れる前に記録しておこう。


このミュージカルは元々は映画作品…ダスティン・ホフマンとジェシカ・ラングの出演した1982年のコメディ映画『Tootsie/トッツィー』。売れない俳優が女装をすることで売れっ子になる話だった。


この映画がブロードウェイのミュージカルになったのは2018年。ミュージカル化されたのは映画の公開からずいぶん時間が経ってからですね。役者の設定は…元の映画ではダスティン・ホフマンが(売れない)ドラマの俳優だったのを、このミュージカルではブロードウェイのミュージカル役者に変更。主役の男性が女装をすることでミュージカル・スターになっていく話を描いている。


ブロードウェイでのミュージカルをそのまま持ってきて上演。監督はDHTのArtistic Director:John Rampageさん。曲も演出もほぼブロードウェイの作品と同じ。しかし演じるのはほとんどが素人さん。でも上手です。

面白かったです。全体にドタバタのコメディ仕立て。主役の役者さんは普段は不動産業のお仕事をなさっている方らしい。ルックスもいいし歌もうまい。ストーリーが進むにつれ役者さんがだんだんノッてきて、赤いスパンコールのドレスを纏って出てきた時はとてもゴージャスだった。華やか。

それにしてもこの作品は全体に歌が難しいと思った。メロディが複雑で歌うのは難しそうだ。言葉数も多く、英語のネイティブではない私は慣れるまで言葉を聞き取るのに苦労した。最初は役者さん達も歌うのに苦戦しているのではないかと思ったが、話が進むにつれて皆波に乗ってくるのがわかった。


トニー賞でのプロの歌(CBS)
やっぱりこの作品の歌は難しいと思う



主演のトッツィーの相手・ジュリー役の役者さんは、今ミューヨーク界隈でプロを目指しているのかな?彼女は声がいい。発音もはっきりしていてクリアで言葉がひとつひとつよく聞こえてくる。歌声も綺麗だし芝居も表情豊かで上手い。

このコミュニティー・シアターでは様々なバックグラウンドの人々が舞台に立っているのだけれど、時々アメリカの本土のセミプロの役者の方が出演することがある。そうするとそのようなプロを目指している方々のレベルがどれほど素人とは違うのかがわかってまた面白い。このジュリー役の女性はニューヨークではおそらくまだ下のレベルなのだろう。それでも地方のコミュニティー・シアターにやってくるとレベルが段違いに上なのがわかる。すごくいい声で芝居も上手い。生まれ持った声の質がいい。そして舞台に出てきて最初の一声から上手い。それが素人との違いなのだろう。


余談だけれど、そういえば随分前に一度だけこのシアターで、実際にブロードウェイでメインのキャストとして出演していた役者さんが主役をしたことがあった。演目はミュージカル『Something Rotten!』。彼は同作品のブロードウェイでの公演で主演の取り巻きメンバーの一人だったというからかなり上のレベルの人。まぁ~その人のかっこよかったこと!もうカリスマと輝きががとてつもない。ダンスも歌もレベルが高くてドキドキするほどかっこいい…あ~これがブロードウェイのレベルなのねと納得した。彼はハワイ出身で里帰りしていた時に出演してくださったのだそう。そういうサプライズもコミュニティー・シアターは面白かったりする。上手い役者さんの有難みがよくわかる。


今回の役者さん達は今までほぼ見たことのない新しい顔ばかり。ホノルル界隈には舞台に立ちたい人々が沢山いるのだろうと思う。主役のマイケル/トッツィーは男前で華やか、ジュリーは特に上手い、サンディはコミカル、ルームメイトのジェフも上手い、そしてトッツィーに片思いするマックスが最高におかしい。コメディの間がすごく上手い。ゲラゲラ笑った。

選ばれた役者さん達が日々練習を重ね、晴れの舞台でスターになって誇らしく演じている。観客も彼らに温かい声援を送り続ける。役者さん達が皆舞台の上に立っていることを心から楽しんでいるのが伝わってくる。小さなシアターにはいつもいい空気が流れている。

皆踊って歌ってすごく陽気で楽しいミュージカルだった。