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2024年6月24日月曜日

新しい学校のリーダーズ:2024年6月13日付 英国『NME』誌の記事 ロンドン公演ライブ・レビュー



ここのところ新しい学校のリーダーズのライブのファンカムを見ている。彼女達のライブは面白くてやめられなくなる。ノリのいい踊れる曲の数々。全員ソロが歌えて上手い。才能に溢れるすごいグループだと思う。彼女達は曲の振り付けを全て自分達で考えているのだそうだ。どの曲のダンスもリズムのとり方がかっこいい。次世代のリズム感。彼女達は毎回本当にいいライブをやっている。


このブログは13年前に「Perfumeを海外へ」というお題で始めた。「もし日本のアーティストが海外に進出するならどうするか」のテーマでここに文を書いたのだが、当時2011年頃の様子に比べて、今の日本のアーティスト達の海外への売り方は本当に変わったのだと日々実感している。

13年前は、日本の文化は(特に西洋では)あまり知られておらず、単にアジア人というだけでそっぽを向く西洋人も多いから難しい…だからアイドル的なキャラ売りをするのではなく、(海外仕様にして)MCも少な目に音楽とダンスなどの技術で客を圧倒するようなライブをやればなんとかなるかも…などと私はここに書いていた。MCはやらなくてもいいなどとも書いた。

実際には、その後Perfumeは彼女達らしく和気あいあいと海外のファンとMCでコミュニケーションしてライブを成功させ(あ~ちゃんの度胸)、またBABYMETALは反対にMCや本人のアイドル的キャラ売りを封印、プロとして歌とダンスと演奏で圧倒するようなライブで海外で大成功した。両方のグループがそれぞれ手探りをしながら世界に挑戦し成功した。

私が13年前に思っていたこと…
「日本のアーティストの本人アイドル売りやMCは海外には(特に西洋には)通じないのではないか」。


ところが今は違うのですね。特に今の新しい学校のリーダーズのライブの様子を見ていると本当に時代は変わったと思う。彼女達はどの国でライブをやっても、よく喋り、よく観客と目を合わせ、煽り、個々のキャラ売りをし…彼女達はまさに国境や国籍を越えて海外のファンと気負いも無く自然にやりとりをしている。世界中のどこでライブをしてもまるで日本でのライブのよう。本当に信じられない程のステージ度胸と馬鹿力。SUZUKAさんのカリスマがものすごく、彼女のMCは毎回どの国でも爆発的にウケる。海外の観客を操り大笑いさせている。彼女が奇声をあげてのけぞり叫ぶたびに会場が笑い、ファンカムを見る私もニヤニヤが止まらなくなる。

これが今の日本のアーティストの世界への売り方なのだろう。昔とは違う。今の世界中の音楽ファンは向こうからやってきてくれる。彼らは新しいものを求めている。日本には面白いグループやアーティストがいる。世界の音楽ファンは日本の面白いアーティストの歌をYouTubeで聴いて曲を知り、公式とファンカム両方の映像で彼らのライブの様子を見る。そして「私もこれが見たい」「この動画の本物を生で見たい」…観客はライブで何を見るのかをわかった上でチケットを購入する。そのような観客の集め方になっている。日本のアーティストはもう海外の観客の反応に合わせて、MCがあるとかないとかを迷う必要もなさそうだ。観客の方がアーティストのライブのスタイルを全てわかった上でやってきてくれる。

新しい学校のリーダーズも、先日ニューヨーク公演を成功させた藤井風さんも、今世界をツアー中のBABYMETALも、BAND-MAIDやAdoさん…等々、今は様々な日本のアーティストがそれぞれの方法で海外でのライブを成功させている。すごい時代になったものだと思う。


新しい学校のリーダーズの英国ロンドンのライブの後でNME(New Musical Express)誌のライブ・レビューが出ていた。最後の言葉「(AG!は)とてつもなくロックンロール!」そのとおり!彼女達はバリバリのロック野郎達だと私も思う。いつの間にかライブ映像を見ながら私も「We are marching!」と歌うようになった。そしてロンドンの最後で「London calling!…」とやり始めたときは思わず笑いながら拍手して共に叫んだ。うまい。彼女達は期待を裏切らない。かっこいいぞ。惚れたね。


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元記事はこちら
https://www.nme.com/reviews/live/atarashii-gakko-live-review-london-indigo-o2-setlist-3764777
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ATARASHII GAKKO! in London: 

an electric debut from Japan’s youth leaders
日本の若者のリーダーによる衝撃的なデビュー
June 10, Indigo at The O2:
Showcasing material from new album ‘AG! Calling’, the J-pop ambassadors bring sharp choreography, hip-hop swagger and punk spirit to their first London show
ニュー・アルバム『AG! Calling』からの新しい曲を披露しながら、J-popのアンバサダーは、シャープな振り付け、ヒップホップの威張りとパンクの精神をロンドンのショーで見せつけた

By JX Soo
13th June 2024

ATARASHII GAKKO! が彼女達の初の世界ツアーのヨーロッパ・ツアーを終了するまで残すところあと1公演になった。そしてO2 Indigoにはお祝いの空気が漂っている。2017年のデビュー以来、SUZUKA、KANON、RIN、MIZYUのカルテットは、日本からの最も魅力的な文化的輸出品の一つになった。学生服に身を包み(グループ名は「新しい学校のリーダーズ」の意味)、彼女達はJ-popではよく知られたアイドル文化に近いようだが、しかし彼女達の本格的で、表現豊かな才能と、爆発的で、度々攻撃的なパフォーマンスは、彼女達にオルタナティブで独創的なエッジを加えている。彼女達のエネルギーは日本のジャズ・パンクの伝説的存在 H ZETTRIO や、ビースティ・ボーイズの跳ね上がりに届くほどだ。アメリカのレーベル88risingと契約後、AG! の世界的な知名度は急上昇…彼女達はコーチェラからクロッケンフラップまで、世界中のフェスティバルのステージを支配してきた。

そのようなわけで彼女達がロンドンでの初のヘッドライン・ショー(6月10日)を、通過儀礼についての歌「Toryanse」でオープンしたのは相応しいと感じられる。彼女達は世界に挑む準備ができていると感じている。「AGにまかせて!」…彼女達の新しくリリースされたアルバム『AG! Calling』の良曲「Omakase」でSUZUKAは宣言し、状況はすぐに興奮状態になった。このスリリングな前半戦で、ATARASHII GAKKO! は息を呑むように様々なスタイルの領域を横断した…「Giri Giri」ではグルーヴィーなベースラインとトラップ・バウンスの間を飛び回り、またYohji Igarashiによる「Pineapple Kryptonite」のリミックスではハード-ノッキング・テクノに熱狂、そしてネット上のバイラル・ヒット「オトナブルー」ではセクシーな昭和レトロ・ポップに導いた。

彼女達の初期のジャズに影響を受けたレパートリーでは、SUZUKAのスモーキーなボーカルにスポットライトが当てられていたが、グループの新しいビート -ヘビーなサウンドではRINを中心に据え、矢継ぎ早に発射される声から鋭い鼻の唸りまで彼女の堂々とした歌を強調している。しかしAG!は何よりも強力なチームとして存在している。彼女達のびっくりするような振り付けは時に大変魅力的で、また風変りでもある…「Arigato」で4人は箒を使って最高に巧妙な仕掛けを作り出した…箒でポールダンスのルーティンからエアギターまでの全てを表現した。

他の場面…ダンス・ブレイクのハードに打ち付けるブーム・バップ・グルーヴで、4人は観客の上下に跳ねる手の海を操り、リンボーダンスからムーンウォーク、ロボット・ムーブにブレイクダンスまで楽々と移行した。ATARASHII GAKKO! は彼女達の反抗的で挑発的な性格でこそ愛され、それらの瞬間に彼女達はその特異性を輝かせる。SUZUKAは中指を突き立てて「Suki Lie」を歌い始め、Mizyu と Kanon はポニーテールを振る動きと熱狂的なヘッドバンギングで彼女達の甘いハーモニーを際立たせる。

ATARASHII GAKKO! は初期の実験的なジャズ-パンクの時代から進歩している。国際的なオーディエンスにアピールすることになった新しいサウンドを彼女達は完全に操っている。それらは彼女達の取り組んでいる進行中のクロスオーバーで、途中にはいくつかの英語の歌もあった。彼女達は「We are AG around the world(私達は世界のAG)」アニメ映画『The Tiger’s Apprentice』の主題歌「HELLO」で宣言する。

いかにもあたりまえのように…もちろん彼女達のカリスマのせいなのだけれど、「Forever Sisters」の温かいディスコが「CANDY」の甘いヒップ-ハウスに流れ込むと、彼女達の常軌を逸したエネルギーが部屋に伝染するように誰もが共に踊り始める。ATARASHII GAKKO! は凄まじい熱を詰め込む…「WOO! GO!」ではジャージークラブのバウンスと鼻に皺を寄せるほど素晴らしい重低音をもたらし、「Fly High」のストロボ・ライトを伴うルーティンは、セットの痺れるようなハイポイントだ。観客は「Tokyo Calling」のリフレインを叫び返し、「NAINAINAI」では世界一のスローガンがなくてもAG! の明らかな魅力を証明している。

アンコールを締めくくるのは…相応しく元気いっぱいのパフォーマンスの「ケセラセラ」で…スズカは誠実で自発的な洞察を打ち明けた「ヨーロッパには沢山のAGのファンがいる…どうして??」彼女は叫ぶ「私の心は爆発する!」。観客は彼女と一緒に笑う、しかしAG!はその昔、彼女達が実際に女子高生だった時には、小さな地下サーキットで公演をしていたグループだったのだ。彼女達の魅力は単に「クールジャパン」を抽出しただけではない…単に目新しさだけで世界の波に乗るのでもなく、彼女達の魅力はその独創性と才能、そして純粋な努力によるものだ。

観客は待ち構えている、そしてスズカは楽々とそれをこなす…彼女は「Tokyo Calling」のコーラスを修正し…制服を着たスーパーファンからサイリウムを持った高齢者まで…観衆と共にチャントを先導する「London Calling!」皆が繰り返す。それは目くばせしたくなるもので、それはまさにATARASHII GAKKO! の精神そのものを捉えていた。とてつもなくロックンロール!


ATARASHII GAKKO!’s setlist was:
‘Toryanse’
‘Omakase’
‘Giri Giri’
‘Pineapple Kryptonite’ (Yohji Igarashi Remix)
‘OTONABLUE’
‘Arigato’
‘Hello’
‘Forever Sisters’
‘CANDY’
‘Fantastico’
‘Woo Go’
‘Suki Lie’
‘Fly High’
‘Tokyo Calling’
‘NAINAINAI’

Encore:
‘Free Your Mind’
‘Que Sera Sera’