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2024年2月25日日曜日

映画『バービー/Barbie』(2023):肩の力を抜こうぜ







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『Barbie (2023)/米・英/カラー
/1h 54m/監督:Greta Gerwig/脚本:Greta Gerwig, Noah Baumbach』
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話題作ということでしばらく前にテレビで放送されたものをまたまた旦那Aが録画していた。昨日鑑賞。

いや~難しい映画だったわ。難解。マジ。何が言いたいのか全然わからなかった。面白くなかった。監督のテイストと合わないのだろうと思う。監督はグレタ・ガーウィグさん。彼女の映画(世間で大絶賛された)『レディ・バード』も全然ダメだった。合わないのだろう。

メッセージ性がありそうだけれどかなりケオスで混乱する。結果映画を見終わっても「何が言いたかったのだろう?」と首を傾げた。私は大抵の映画は「…まぁこのようなものだろう」と自分なりに納得するのだけれど、この映画にはただただ混乱するばかり。

たぶん私の年齢が年寄り過ぎるのだろうと思う。それから私はジェンダー不平等問題にあまり感心がないのだろうとも思った。まず子供がいないし、育てていないし、今の若い女の子達の苦悩もメディアなどから受ける印象から勝手に想像するのみ。どのような世代であれ(男女の違いなく)それぞれの世代の悩みや苦悩というものがあるのは理解しているつもりだけれど、一体この映画の監督やクリエイター達は、何を(ジェンダーでしょう)そのように大層な問題として大騒ぎしているのだろうと思った。

というわけで時代に取り残された年寄りがトンチンカンな感想を書く。辛口なのでごめんね。ちなみにこれは1回見ただけの印象。無理にメッセージを探そうとして混乱した。2回目に見ればもう少し楽しめるかも。


個人的な話だが私はあまり…そのジェンダー不平等問題で苦労をしてこなかった。美大を出てデザイン事務所に勤務して20代を過ごした。美大の学生だった頃もデザイナーとなってからも男女で扱いが違うなどということはなかったし、世の中はバブル期で仕事が溢れて超がつくほど忙しかったので、女だろうと男だろうと終電を逃して朝の2時3時4時5時まで仕事をしてタクシーや始発で家に帰る生活をしていた。結果が出れば給料は男の同僚と変わらないし、特に男女の扱いの差で苦しんだ記憶はない(ブラックな勤務時間はかなり辛かったけれど)。

その後は仕事を辞めて(辞めざる負えなかった)海外でなんちゃって学生。そして母にならずに専業。…結局私は(男女差が今も存在する)古い体質の大企業で男性社員と競って給料や昇進に悩んだ経験がないからその辛さがわからないのかもしれぬ。2023年に公開された女性向けの映画で、これほどまでに「女が女がおんなおんなおんなおんなオンナにもっとフェアな世の中になれ!!!!」と言っているメッセージに私は少なからず驚いた。

今でも女性は社会の中で虐げられているのか?


★ネタバレ注意


この監督からの一番のメッセージは…女性がいかに「不幸」なのかということなのだろうか?私は劇中のお母さん・グロリアのあの「オンナの叫び」のすごさにとても驚いた。気になったのでネット所を探したら出てきた。訳をする

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「オンナであることは無理なのよ!あなた(バービー)はそんなに綺麗で賢いのにそれでも十分だと思ってないなんて…辛くなるわ。私達女はいつも並外れてなきゃいけないのに、とにかくいつも間違ってるのよね。痩せてなきゃいけないのに、痩せ過ぎちゃいけない。そして「痩せたい」と言うことも許されない。「健康でありたい」と言わなければならないけど、同時に痩せてなきゃいけないの。お金を持ってなきゃいけないけれど、お金を欲しがってはいけない…だって下品だから。(チームの)ボスにならなければいけないけれど、意地悪しちゃいけない。人をリードしなければいけないけど、他人のアイデアを潰しちゃいけない。母親になることを喜ぶべきなのに、子供のことを喋り続けてはいけない。キャリアウーマンになるべきなのに、常に人への心配りを忘れてはいけない。男のダメな行動に答えなきゃいけない(それ狂ってる)のに、それを言えば文句が多いと非難される。男のために美しい女性であるべきだけれど、男を魅了するほど綺麗なのはダメで、またシスターフッドが大切だから他の女性が辛い思いをしないように綺麗にし過ぎるのもだめ。でもいつも特別で感謝の気持ちを持つべきなの。でもそのシステム自体が不正に操作されていることを忘れずに。だからそれをわかった上で感謝すること。年を取ってはいけない、失礼でもいけない、人に自慢してもいけない、自分勝手もいけない、決して転ぶな、間違えるな、怖がるな、常識から外れるな。もうすっごく大変!!!矛盾が多過ぎて誰もあなたにメダルをくれたり感謝してくれることもない。その上にあなたは間違っているだけじゃなく、それは全部あなたのせいだと言われる。(その方が皆に好かれるからって)私自身も他の女性達も皆混乱して苦しんでるのを見るのにうんざりしてる。そしてその全てが女性を表す(あなた)人形も同じだなんて…もう私にはわからないわ。
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うわ~大変やな。確かに。正しい。…しかし世の中の全てをこれほどまでネガティブに見る必要もないと思うぞ。自分で選んで大変な生き方をしているようにも聞こえてしまう。必要以上に自分を追い詰めていないか? もっとイージーでいいんじゃないの?もっといいかげんに生きたほうがいい。こんな生き方は辛いと思う。

これはグレタ・ガーウィグさんだか男性脚本家だか…女性は女に生まれただけでとんでもなく大変で辛くてフェアじゃなくてものすごくものすごく苦しい苦しい苦しいのよぉ~~~!!!!と言いたいのだろうか。

唸りますね。もうちょっと皆ダラダラしたほうがいい。人生をあまり難しく考えない方がいいと思う。日常の小さなイラつくことをいちいち全部重箱の隅をつついて最後の1ミリまで見逃さず、これもだめ、あれもダメ、苦しい、辛い、ああ私は不幸不幸不幸だ…と言ったからって、あまり状況が変わるとは思えない。

それからもうひとつ気になった台詞。車の中でのバービーと親子の会話。バービーが「私、女性が好きなの。女性を助けたいのよ」と言えば、娘のサシャ(10歳くらい?)が母とバービーに言う

「Everyone hates women. Men hate women and women hate women. It's the one thing we can agree on. 皆女が嫌いでしょ。男は女が嫌いだし、女も女が嫌い。これだけは皆同じ意見だよね」

ぉおおおおぅ…女は女が嫌い?ぇぇえ…ぅ~時々思いますけどね…でもずいぶん世の中を斜めから見ていないか?女性同士だからこそわかり合えることも沢山ありますよねぇ。

…なんかね、こういうのも含めて、この映画全体に流れる「女として生まれた苦悩」があまりにも大き過ぎて気になって、なんだか私には…この映画、総天然色ピンク大爆発のカラフルな映画なのにどうもメッセージが暗い。そうか。女は辛いか。確かに皆に愛される完璧な女になろうとすると人生は苦しいものなのか。そうか。


…あ、わかった。私は間違いなくあの変てこバービー(ケイト・マッキノン)なんだ。たぶんいつもはみ出してきたんだわ。たぶん中学ぐらいからそうだった。だから「完璧な女」になるつもりなんて早い時期に諦めたのだろうと思う。だから完璧になろうとする女性達の辛さがわかりづらいのかも。いや…途中まではそれなりに頑張っていたと思うが。

はみ出して何が悪い。アダムスファミリー好きだし。


なんかさ、先日のアリアナちゃんの歌の歌詞じゃないけど、皆他人の意見なんか気にしなきゃいいと思う。上の母・グロリアさんの言葉も、全部他人からの自分への批評や批判に苦しんでいるわけですもんね。「完璧になろうと努力しているのに全部非難される」と言っている。


それから、ケン(ライアン・ゴズリング)の家父長的な価値観がどうのこうの言う場面も、今の時代にそれほど大きな問題には私には見えない(そう見ようと思わなければ)。まぁ米国とは、スーパ・ーボウルなどで国中が巨大なマッチョ男に騒ぐ国なので私にはわからないのだろうとも思うが…アメリカの女性はスーパー・マッチョの巨人好きなのですよね。もしこの映画が言うように「米国に家父長的な価値観が今も強く残っていて、そのために多くの女性が苦しんでいる」のが現実なら、それはマッチョで自分勝手で傲慢な男を「男らしい」と好む女性の側の問題でもある。

しかしだからと言って、そのような男達と戦って、追い出すのがいいのかどうかは疑問だ。皆アマゾネスにはなりたくないと思うぞ。私はなりたくない。

男女も同性同士も皆仲良くしたいですね。


…というわけでなんだか難しい映画でした。女性は今の方が生きづらいのかもしれぬ。どうなのだろう。


マーゴット・ロビーさんは本当に人形のように美しい。しかしバービーとしては結構年が上。今33歳なのでギリギリOK。演技も上手い女優さん。ユーモアのセンスもありそうでいい。
ライアン・ゴスリングさん。彼はミスキャスト。ジジイ過ぎで不自然。今43歳だもの。もうおじさんだから生々しいむんむんの男臭さがとても邪魔。子供が喜ぶ人形に見えない。バービーもケンも20代の俳優を使った方がいいのにと思った。もちろん彼のせいじゃない。大物俳優を使わなければならなかったキャスティングのせい。

白人が演じるバービーとケンを見ていて、今のアジアのポップスターの方がずっとリアルに人形っぽいなとも思った。もう白人には憧れない~(個人的意見)


1970年代初頭、子供の頃に明るいブロンドの髪のいずみちゃんを持っていた。りかちゃんのように横向きの目ではなく、当時の少女漫画のようなキラキラした目をしていた。それから70年代半ばにドーン/Dawnちゃんという小ぶりの人形をもらった。アメリカのデザインだったらしく固いまつ毛の束がバシバシに付いていた。青い目にブルーのアイシャドウ、お顔がいかにも洋風でメリハリのある身体をしていた。赤みがかった金髪はロングで艶々。眉で切りそろえた前髪が可愛かった。ピンクのホルターネックのワンピースを着ていた。今ネットで「Dawn doll」と画像検索したら写真が出てきた。いずみちゃんとドーンちゃんの二つの人形にラメ入りのリボンやハンカチでゴージャスなドレスを作って友人と遊んでいた。懐かしいね。 あ~後からいづみちゃんの髪を切った気がする笑。