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2021年7月22日木曜日

映画『スターゲイト/Stargate』(1994):神々の戦車…浪漫SF






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『Stargate(1994年)/米/カラー
/1h 56min/監督:Roland Emmerich』
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好きなテーマなのにこの映画は見逃していた。Netflixで見つけたので鑑賞。

面白かったです


元々SF的なテーマは嫌いじゃない。ハードSFというのかな…テクニカルな難しい話はあまり理解できない事が多いのだけれど、夢のある浪漫SFは好き。軽いSFファンなのだろうと思う。

アイデアが面白くて夢があって浪漫で、暴力描写が少なければいい。ストーリーはしっかりしていてほしい。話の流れに無理がないこと。科学に詳しくない者にも理解できるわかりやすい設定などなど…SF映画への私のリクエストはいくつかある。

というのも、近年の若い観客向けのSFはやたらと騒がしく忙しいものが多いように感じるから。数日前にテレビで近年の『スパイダーマン』をやっていたので最後の数分だけ見たのだけれど、CGが凄すぎてついていけなかった。

カメラがキャラクターを追って右に左に上に下に飛び回って目が回る。今のCGの人間(マーベルコミックのキャラ)の描写って本当にすごい…とんでもない動き。あれは人ではない。動きのスピードも速い。

…ああいうのはきっとCGをやっているスタッフが、ゲームで育った若い世代だからなのだろう。キャラがゲームのようにアクロバット的な動きをするのが、今のSF映画やアクション映画のスタンダードになりつつあるのだろうと思う。


そういえば私は以前にも『スター・ウォーズ 最後のジェダイ/Star Wars: Episode VIII - The Last Jedi』(2017)の感想で「いまどきのSF映画は遊園地のジェットコースターに乗るようなもの」だと書き、また『スター・トレック イントゥ・ダークネス/Star Trek Into Darkness』(2013)の感想では「展開が忙しすぎてついていけん」と書いた。近年見たSF映画は、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ/Godzilla: King of the Monsters』(2019)も『パシフィック・リム アップライジング/Pacific Rim: Uprising』(2018)も『ジュラシック・ワールド/Jurassic World』(2015)も、CGばかりが凄くてストーリーがよくないと文句を言っていた。

SF映画は「科学のおとぎ話」から「ジェットコースター体験」に変わった。もうストーリーがわかりやすく落ち着いた画面の…新しいSF映画はあまり見られないのかも知れない。そんなことも思った。


というわけでNetflixで見つけた1994年の映画。面白かったです。これ。これですよ。落ち着いた話の展開。単純でわかりやすいが夢のある設定。複雑なことは何も言っていないのに、架空の話…サイエンス・フィクション…「科学のおとぎ話」として楽しめる。



★ネタバレ注意

設定に夢がある。

1928年にエジプトの遺跡から巨大な石輪が発見されて、それで人間が宇宙に行くという話。古代エジプトの文明が宇宙と繋がっていた。


この設定って、昔…1965年頃に書かれたエーリッヒ・フォン・デニケン/Erich von Däniken氏の『未来の記憶/Chariots of the Gods?』のアイデアとほぼ同じ。私も19歳ぐらいだったか…学生の頃にワクワクしながら読んだ。面白い本。真面目に信じる本でもないのだろうけれど、しかし夢がある。これは浪漫なのですよ。楽しいじゃないですか。地球の古代文明と宇宙が繋がっているなんて。

今アマゾンを調べたら日本語版はもう絶版ですね。英語版はまだありますよ。私は1990年版の英語版を買って、今も手元にある。最初に読んだ日本語版の文庫本は今本棚にないのでどうやら売ったみたいだ。

本の内容は詳しくは覚えていないけれど、この映画も同じような話。浪漫。すごくワクワクする。


最初から画面に齧りついて見た。楽しい。監督は西洋では大変に賛否両論な『インデペンデンス・デイ/Independence Day』のローランド・エメリッヒ/Roland Emmerich監督。ちなみに1996年の『インデペンデンス・デイ』は、知り合いの米国人の間ではおバカ映画と大変評判が悪い。私は当時まだ英語がよくわからなかったので十分面白かったけど。

その『インデペンデンス・デイ』がエンタメとして私には十分面白かったように、この映画も十分面白かった。ストーリーはシンプルでわかりやすく設定に夢がある。そしてCGも使いすぎることなく効果的に使われているだけで邪魔にならない。別の惑星の様子も砂漠で(エジプトと同じ)その様子は大昔の『スターウォーズ』と一緒。

全体が軽い作り。でも面白い。楽しい。


私が何よりも嬉しかったのは、エジプトの神々の宇宙人の描写。戦士たちが徐々に姿を現すのだけれど、あのコスチュームには痺れた。ドキドキして、猛禽類の鎧が現れた時は「あ~」と声が出た。綺麗な筋肉の上半身に、あの手の爪と鳥の頭…ホルスを鎧と見立てたデザインがいい。かっこいい。いいデザイン。見とれる。

そして静かな宇宙人の親分・ラー(Jaye Davidson)とその取り巻き。エジプトの神の姿の(乗り移った)宇宙人が美しい。不思議でミステリアスな魅力の俳優さんに衣装も素晴らしい。

ストーリーは単純なのだけれど、私はこの「エジプト文明が宇宙人のものであった」という設定と、その様子を描いた衣装や建物、効果的に使われたCGによる鎧や建造物の様子にとにかくワクワクした。楽しい映画。もうそれだけでOK。大満足。

私にとってのSF映画は難しくなくてもいいのよね…と思った。ワクワクできればいい。

ジェイムス・スペイダー/James Spaderさんが不器用なエジプト考古学・言語学者ですが、彼もこの頃はまだ髪の毛があってスリムだったのね。昔はファンだったな。かっこよかったよね。あー彼の若い頃の映画がまた見たい! 20代に見た昔の映画が見たくなった。