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2021年1月29日金曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第42回「離れ行く心」1月24日放送



信長とは


あらすじ
1578年 摂津 信長軍の有岡城城主 荒木村重謀反、篭城。村重は将軍義昭をサポートする毛利につくと言う。光秀(長谷川博己)は「全ての戦は公方様に繋がる」と悟り…早速 備後 鞆の浦の義昭(滝藤賢一)に会いに行く。光秀、義昭に京に戻るかと訪ねるが「信長がいる京へは戻らぬ」と返事。光秀、再度荒木の説得を試みるが聞き入れられず。年末、有岡城攻撃…戦は1年続いた。


それぞれの武将達の心が反信長に傾きつつある状況を描写。反信長の空気が織田軍内部にも流れつつある…荒木村重の謀反もその一つ。


荒木村重の話は2014年の『軍事官兵衛』でも描かれてました。篭城中、村重は城を抜け出し、家族全員が処刑されてしまう…という悲惨な話。この件で光秀が関わるのは、村重の嫡男・村次に光秀の長女・(天野菜月)が嫁いでいたため。秀吉とともに光秀も村重の説得にあたったらしい。

は有岡城落城の前に荒木村次と離別し明智家に無事帰ってきたそうで、なんとその後、左馬助の正室になったのだそうな。あぁだから今回のドラマでも左馬助が岸さんを気遣っている描写があったのですね。そうなのか。左馬助は明智秀満だそうだ。



人々が信長から離れつつある状況

荒木村重
「信長は摂津国を任せると言いながら国衆から高い税を取る。国衆の心がわしから離れてもそのまま。将軍を京から追い出した時の酷い仕打ちも忘れない。毛利につく」
佐久間信盛も信長に叱責される
足利義昭
全ての戦は公方様に繋がる」と光秀は義昭に会いに行き「京に戻ってくれ」と言う。しかし義昭は信長のいる京には戻らない。毛利も上洛する気はない…将軍の名前を利用しているだけだと言う。
今日は刺身だ そういえば光秀の金柑頭はどうなったのだ?

秀吉と光秀
光秀は秀吉を警戒している。秀吉の合理的ながら乱暴なやり方を光秀は嫌っている。信長はそんな秀吉を買っている。
徳川家康
信長は家康(風間俊介)の嫡男・信康とその母築山殿を殺せと言ってきた。家康「信長への反発が広がっている。これでは天下はまとまらぬ。信長があまりに理不尽なら己を貫くほかない。三河の誇りがかかっている」
▶▶▶ 信康の件について光秀が問えば信長「家康は小心者で争いを好まぬ。しかし拒んでもいい。家康がわしをどう見ておるかそれでわかる。わしは家康をためしている。家康の家臣達もわしを妙な目で見た。三河の者は油断がならぬ
朝廷も、正親町天皇に譲位するよう圧力をかける信長に困っている


光秀が信長に「信康の件は徳川から恨みを買う人はついてこない」と言えば、

信長「ついてこなければ成敗するだけ。ところでわしの頭越しに帝に会っただろう。何を話した。帝はわしのことを悪く言っただろ。だから言えぬか。申せ、申せ!」(光秀を殴りつける

駒へ届いた義昭の手紙「十兵衛となら麒麟を呼んでこれるかも

光秀、アイデアが浮かぶ。
信長から離れたのは光秀の心。


信長の言動がいかに傲慢になってきたのかがよくわかる。独裁者です。彼の今の性格は以前の弱さがひっくり返ったようにも見える。

以前からこのドラマの信長の性格を面白いと思って見ていた。「褒められた」と喜ぶ子供のような信長が、どのように暴君に変わっていくのかと思っていた。今回その答えが出ましたね。



★信長とは?

どうやらこの信長は、愛情を欲する子供がそのまま大人になって権力を持ち、その心の不安が転じて、自分に愛情や忠誠心を示さない他者には狂ったように制裁を加える…そのような人物のようだ。

信長は以前から母にも父にも愛されなかったと文句を言い、いつも「褒められたい、あの人は喜んでくれた、褒めてくれた」などと他人の評価を非常に気にする人だった。そして今は傲慢な独裁者。しかし今でもその傲慢さの中に他人の評価を気にする性格が見え隠れしている。

徳川信康の件に関して、信長は「家康をためしている」と言う。そういえば松永の平蜘蛛の件でも、光秀の忠誠心をためしていた。 …これはもう救いようがない。

この信長は基本的に人が信じられないのだろう。人を疑うから人をためす。忠誠心をテストする。信長は愛を欲している。巨大な権力を手に入れてもなお心は休まらず、信長は子供のように愛を求め、その愛の証として人に絶対的服従を強要する

そのあまりの傲慢さに人の心は次第に離れていく。そして信長はますます周りの人々を疑うようになる。思い通りにならない人々に対し怒りを爆発させる。


信長の成長はこんな感じだろうか
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パパは怒ってばかり
ママは弟ばかりかわいがる
僕のことを誰も愛してくれない
パパもママも嫌いだ
グレてやる
大人になった
これができた
あの人が褒めてくれた
喜んでくれた
頑張ろう
みんなも褒めてくれた
もっと頑張ろう
これもできた
みんな僕のことを褒めてくれる
みんな僕のこと好き?
みんながついてきてくれる
これをやってもいいかな
いいよね
みんな僕のこと好き?
もっとやってみよう
もっと頑張ろう
あれ、おかしいな、みんな笑ってない
どうして
あいつはきっとわしを疑ってる
あいつが間違ってる
なぜだ?
ちょっと困らせてやろうか
少し困らせてもあいつはわしのことが好きかな
わしのことが好きかな?
あいつも笑ってない
どうしていつもこうなる?
わしのことを尊敬しろ
わしの事を好きだと言え
ちょっとテストしてみようか
あいつをためしてみよう
あいつは従うかな
もっと困らせよう
わしのことをもっと尊敬しろ
わしの言う事を聞け
服従しろ
あ、今なんて言った?
なんだと?
裏切った?
あいつは裏切った。
許せない
わしを騙したな
許せない
絶対に許さない
ころせ
あいつの家族も全員ころせ
女子供も絶対に逃がすな
絶対に絶対に許さない
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こんな感じかな。問題は信長が権力を持ってしまったこと。心が不安定な人が権力を持つ…常に人の愛情を確認しなければ心休まらず、だから人の愛情や忠誠心を探り、試して確認し、力で絶対的服従を強要し、裏切られたと知ると狂ったように激昂、裏切った相手には残虐な制裁を加える。

例えばこの荒木村重の件では数百人の人々が処刑された。逃げた村重の家臣を匿った僧まで数百人殺している。裏切った者への仕返しなのか。 比叡山の皆殺しも結局は自分に服従しなかった者達への仕返しなのか?

…そんな風に信長を、心に何かが欠けている男として描いているのなら唸りますね。以前からこのドラマの信長が心に弱さを抱えた人物ではないか…と思いながらドラマを見てきたのだけれど、もしそういう意図で描かれているとしたらすごい。それを演じる染谷さんもすごい。現代的解釈の信長なのですね。


しかし今回で光秀の心も離れたかな。
それでも信長は光秀が好きなのが悲しい。


それにしてもやっと感想文が追いついたっ!長い道のり。へとへと。文を書くのにものすごくエネルギーをつかう。似顔絵もまたまたエネルギーを使う。面白いからやってるんですけど疲れる。やっと追いついた。よかったよかった。