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2020年4月2日木曜日

NHK土曜時代ドラマ『蛍草 菜々の剣』全7話



今録画を見終わった。
泣きましたねぇこれは。じわっときた。嬉しくて。よかったよかった。いい話。

…橋の上。後ろから子供達の「菜々」と呼ぶ声。風早家の子供達二人が駆け寄ってくる。二人に菜々が驚いていると旦那様の声。顔をあげると風早市之進が立っている。優しい音楽。…じわっときますね。

旦那様・風早市之進が、江戸へは行かず「ここで暮らす…菜々を妻として…」と伝えると、ふんわりと微笑む菜々。そこに蛍草の水彩画が重なる。涙。

うれしくて目尻がヨレヨレになる。菜々ちゃんよかったねぇ。いいドラマ。

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このドラマは、日本で20197月に「BS時代劇」で放送されたものを、2020125日から321日までNHK総合「土曜時代ドラマ」として再編集で放送されたもの。
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綺麗なドラマでした。
 
気持ちのいい綺麗なドラマ。まず言葉が綺麗。特に風早家は、若い俳優さんや女優さん達が、皆落ち着いた綺麗な言葉を話すのが本当にいい。(原作と脚本と演出がそうなのだろう)ちょっと昭和の昔の映画のように皆落ち着いているんですよ。丁寧な言葉が自然に使われていて、それぞれ相手を気遣う様子はとても綺麗でした。
 
ストーリーは仇討ちもの。いい人々がいて悪い人々がいる。最後はいい殿様が出てきて一件落着。綺麗にまとまってます。
 
しかしこのドラマのよさは、一話一話ごとの小さなストーリーの積み重ね。奉公人の若い娘を家族のように受け入れる武家の若い夫婦。綺麗な言葉の会話。美しい家族の風景。姉妹のように仲のいい二人の女性。若い娘を助ける町の人々。毎話ごとに、健気に生きる若い娘・菜々を応援する。
 
 
菜々の清原果耶さんは表情がどんどん変わる女優さん。子供達への穏やかで優しい表情。苦しい時、危険に晒されたときの真剣な顔。強い意志を持った目。若い娘さんらしい可愛らしい笑顔。泣く時は本当に泣いている。もらい泣きをしそうになる。 最終話の御前試合で、轟と向かい合い白装束をまとった彼女の真剣な表情はとても綺麗でした。
 
他の出演者もいい。風早家の旦那様と奥様。可愛い子供達。優しい甚兵衛。そして菜々を囲んで皆親切な町の仲間達…だんご兵衛さん、お骨さん、死神先生、駱駝の親分。皆それぞれ優しい。
 
北村有起哉さんの轟平九郎はわかりやすく悪い人。怖い。
 
 
風早家の旦那様・市之進の町田啓太さんが綺麗。このお方も現代劇よりこういう古風な役のほうが綺麗さが際立ちますね。実直で真面目。誠実。だからいい。若い俳優さんが綺麗な日本語をお話しになる様子は本当に素敵です。
 
そして奥様・佐知の谷村美月さん。以前『八重の桜』での彼女の落ち着いた演技をよく覚えています。穏やかな大人の女性の佇まい。非常に美しい。まず1話目で「このドラマはいいドラマ」だと思ったのは、佐知と菜々の会話の台詞でした。佐知と菜々が姉妹のように仲がいい。その様子が素晴らしかった。
 
 
番組の予告CMを見て録画したのですが、1話目から見始めて、丁寧に作られたいいドラマなのはすぐにわかった。毎回最後の蛍草(ツユクサ)の水彩画と穏やかな音楽で、ああいいなぁと思う。
 
いいドラマ。日本語が綺麗なドラマは気持ちがいい。綺麗な台詞は原作からなのだろうか。

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蛍草を見ながら菜々に話をする佐知の言葉を記録しておこう。

小さな花に目がとまるのは、心が豊かな証です。

この花は朝早くに咲いて昼過ぎには萎れてしまいます。たった半日の命しかないのです。だからこそ儚げで美しいのでしょう。蛍のように。

午後に萎れた蛍草を見て
でも朝にはまた別の花が開きます。そして命を繋いでいくのです。

花の命は短いけれど、でも精一杯に咲いて実を結び命を繋ぐのが使命です。おなごとは花と同じ。あなたのこの手も大切な命を守るためにあるのですよ。そのことだけは決して忘れないで。

菜々が武家の娘なのを隠していたことを告げると
誰でも人に言えない悩みや苦しみを持っています。菜々はそれを知っているから人に優しく出来るのだろうと思います。
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