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2020年4月28日火曜日

NHK 土曜ドラマ『浮世の画家』(2019) 感想



ケンワタナベ第二弾。

こちらのTV Japanで去年の20197月に放送されたものをやっと鑑賞。
日本でのオリジナルの放送は、2019330日。


ずいぶんほったらかしにしてしまった。いいドラマだろうなと期待したので、気持ちが落ち着いている時に正座して見ようと思っていたら長い間録画機にそのままになってしまった。昨日『王様と私・ミュージカル』を見たので、ケンさんシリーズとして今日鑑賞。


いや~…

謙さんいい役者。

いいですねぇ…
本当にこの俳優さんの財産はお顔。

表情豊かな大きな目

極論を言うと、ケンワタナベは喋らなくてもいいわと思った。

大きな目…苦悩の表情も、涙も、戸惑いも、それはそれは様々な心模様を映し出す目。目で芝居。目の周りの皺で芝居する。すごいね。ラストサムライの頃よりもっと深い皺がいい。
 
 
そもそも私は今まで渡辺謙さんのお芝居をあまり見ていないのですよ。『独眼流政宗』も総集編しか見ていないし、見たのは『ラストサムライ』『硫黄島からの手紙』SAYURIと、いくつかのハリウッド映画。それに日本の『沈まぬ太陽』『明日の記憶』かな。ほとんど知らないんですよ。謙さんがどんな役者さんなのか。連続のドラマも見ていない。あ…『西郷どん』
 
残念ながらいくつかのハリウッド大作の脇役(ノーラン監督とかゴジラ)は全然いいと思わなかったです。脚本がダメ。台詞もあまりなかった。変わり者のキャラが多かったのではないか。だからケンさんがハリウッドばかりにいるのはもったいないと思ってました。…おっと今調べたら、日本のドラマをよくなさっているみたいですね。
 
 
日本の役者さんは日本語の芝居が見たい。
 
 
というわけで、久しぶりに拝見する日本語を喋る謙さん。
日本の日本人を演じる渡辺謙。

このドラマは謙さんの


でした。顔のアップが多い多い。薄い茶色の目の色も、目の周りの皺も、本当に表情豊か。

いい顔だなぁ

と感嘆しました。やっぱり謙さん日本語の芝居がいいわ。
 
 
 
ドラマとしても気合が入ってましたね。すごく豪華。綺麗。俳優さん達も大物が何人も出ているし、お金をかけた贅沢なドラマでした。いい雰囲気。
 
 
 
ただストーリーは…うーん…微妙。意図したところはたぶん理解したと思うのだけれど、どうにも結論が出るまでにもったいぶって時間をかけた割には結果が拍子抜け。構成の問題か?いや原作かな。
 
私はドラマの前半の小野の苦悩から、小野がものすごい犯罪に手を染めていたのではないか…と思ってしまったのです。確かに小野がやったことは、本人にとってはものすごい苦悩なのだろうけれど。しかし当時の(実際に戦地に行った)日本人の苦悩を考えれば、彼の苦悩はそれほど大きな悩みにも思えず。また彼が恐れるほど世間が彼を攻め立てるとも思えず。
 
私の勝手な想像ですが、カズオ・イシグロさんは日本をルーツに持つとはいえ英国人ですから、この話も日本をルーツに持つ英国人が、無難な内容で戦前戦後の日本人の心を想像して、英語圏の読者に向けて書いた話にも思えてしまった。…この話の意図は、原作を読まないとわからないのだろう。
 
 
とにかくこのドラマは、

渡辺謙さんの目力

素晴らしかったです。(話はどうであれ)ケンさんの苦悩の表情が素晴らしい。表情だけで泣ける。あの宙を見つめる無の表情が独特ですね。最後の大粒の涙に心動かされました。ほんとうにすごいお顔だと思った。色々な渡辺謙がもっと見たい。今度老齢の戦国武将をやってください。