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2020年3月4日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第7回「帰蝶の願い」3月1日放送



今回は戦国の女性がテーマです。


★あらすじ
1548年 秋。美濃。尾張の織田信秀(高橋克典)は、美濃の斎籐道三(本木雅弘)と和議を結ぶことを決める。道三の娘・帰蝶(川口春奈)を息子の妻に迎え入れたいと伝えてきた。帰蝶は光秀(長谷川博己)に「尾張への輿入れを止めてほしい」と頼む。道三は織田家との和議の理由を光秀に話す。帰蝶は光秀に尾張へ行って織田信長(染谷将太)を見てきてほしいと頼む。


海亀ちょっと泣きました。今週はじんときましたね~びっくりした。戦国の女性の人生を思い大河ドラマで泣く。

川口春菜さんは本当にいい女優さんだ。品がいい。声がいい。繊細な表情も素晴らしい。もちろん脚本も素晴らしいのだけれど、今回私は川口さんの演技で泣いたのだろうと思います。


帰蝶さんは光秀が好きなのね。好きだから光秀の姿を見ると一瞬嬉しそうな顔をする…それなのに直接話し始めるとコチコチに上から目線のお姫様。本当は光秀のことが好きなのに、それが伝わらないようにちょっと冷たく振舞う。若い娘さんはこういう感じですよね。プライドの高いお姫様。

そんな勝気なお姫様の彼女が、父親から敵国への輿入れを申し付けられて、光秀/十兵衛の元に助けを求めてやってきた。

「(光秀のことを)一番親しい身内と思うている…。今度は私を守ってほしい。尾張などへ嫁には出してはならぬ。皆にそう申してほしい。」と泣きそうな顔。

そして後半、「旅か…旅をしてみたい…。十兵衛、供をせよ」とはしゃぐ。しかし光秀の表情を見て顔を曇らせる。

 光秀に「織田の嫡男はうつけ…」と話し「十兵衛、見てきてくれぬか。そなたの目はこの帰蝶の目ぞ。しかと見てきてほしい」
 
…帰蝶さんは、精一杯光秀に「好き」を伝えている。切ない。

遠い国に行きたくない。今まで敵だった国など行きたくない。好きな人に「助けてほしい」と訴える。帰蝶さんはこの頃14歳ぐらいだそうだ。


「信長を見てきてほしい」と帰蝶に頼まれ、光秀が「(私が信長を)見て、もしよきお方なら嫁がれますか?」…その問いに帰蝶は答えない。片思いの好きな人に「(よその男)に嫁ぐのか」と聞かれて何も言えない。振り向かず、無言で目に涙をためて下を向く。私も泣く。切ない。

駒ちゃんがその二人の様子を見て下を向く。彼女の恋も叶わない。二人とも辛い。戦国の女性の心を描いた繊細な脚本。いいドラマ。心に触れました。


今週は戦国の女性の生き方が大きなテーマでしたね。光秀の母・牧の方(石川さゆり)が武家の女の心得を説く場面もありました。
駒ちゃんが「帰蝶様のお輿入れは…」と聞けば、「そのようなこと国の大事ゆえ軽々しう口の端に載せることは控えねばなりません。よろしいか」とそれをたしなめる。さすがです。
 
駒ちゃんはその厳しさにうろたえてます。すると牧の方は穏やかに(その時代の)女の生き方を説く
「女子はいずれ然るべき方へ嫁ぎ、子を産み育てねばなりませぬ。それは誰にでも言えること。帰蝶様も駒さんも。皆等しうそういう時を迎える。それが今日か明日かはわかりませぬが」

すると駒ちゃんが訊ねる「それが出来ぬものは、どうすればよいのでしょうか。思うても思いが遂げられぬ者もありましょう。身分のこと。暮らし向きのこと。さまざまなわけがあり、嫁ぐことが叶わぬ者は…」これも哀しい。

そこへ光秀登場。すぐに駒ちゃんが立ち上がる。彼女は光秀への好きを隠さない。素直に好き好き光線を出している。その素直さがかわいい。もう牧の方は駒ちゃんの気持ちに気付いてますよね。


戦国の時代に武家の女性が政治の駆け引きの道具になるのは珍しいことではない。しかしどんな時代であっても女性はモノではない。戦国の女性達にもそれぞれの想いはあったはず。若い女の子なら身近な誰かに恋をすることもあっただろう。しかし彼女達の生まれはそれを許さない。彼女達は気持ちを押し殺し、家のために運命を受け入れて嫁いでいく。

また自由な恋愛が出来るはずの町娘も、好きになった人が違う身分であればその願いが叶うことはない。駒ちゃんもそれをわかっている。それもまた哀しい。

男性の脚本家の方が描いた「女性の心」の話しなのに、どうしてこんなに心に響くのだろう。近年の大河で女性が書いた脚本よりもずっと細やかで心に沁みますね。

さてそんな帰蝶さんの辛さの元は…勝手なオジサン達なのですよ。まず両家の縁談を思いついたのは織田信秀。彼は先日の戦で毒矢に当たって具合が悪いらしい。駿河の今川、美濃の斎籐、西側には親戚の織田と、三つの敵に囲まれて苦しい。それで斎籐と手を結ぼうと思いついた。


それにのった帰蝶さんのパパ斎籐道三/利政。彼はなぜ尾張と手を結びたいのか。
「海のある国は食うに困らぬ…。この美濃には海がない。国を豊かにするためには海を手にいれることじゃ。あの尾張の向こうには海がある。その尾張が手を差し出してきた…」なるほど…。
 
その頃、帰蝶さんのお兄さん達は道三パパのアイデアに反対している模様。土岐氏を担ぎ出そうと言っている。
 

帰蝶さんと駒ちゃんがお化粧で遊ぶ場面が無邪気でかわいかった。