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2017年9月5日火曜日

映画『シング/SING』(2016):笑のツボ…とてもいい映画です







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SING2016年)/米/カラー
108分/監督:Garth Jennings,  Christophe Lourdelet
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劇場で見るのを逃してしまったもの。Netflixに出ていたのでうちで一人で見ることにした。

大笑い。

笑のツボにハマって、全体で4回ほど大笑い。階下で一人で見て大声でゲラゲラ笑っていたら、2階から旦那Aが降りてきたので「これすごく面白いよ」と報告。週末に二人でもう1回みてまた大笑い。面白かったです。
 
前知識はゼロ。動物が口パクで歌ってそれだけの映画だろうと思っていたら、ちゃんとストーリーもありました。
 
コアラの劇場支配人バスター・ムーンが潰れかけた劇場を再興させるというもの。オーディションで選ばれた才能のあるシンガー達が劇場の再興の為にショーをやるお話。
 
いい話です。話の展開がとても早くて全く飽きさせない。キャラクター達も魅力的。どんどん引き込まれます。ストーリーがしっかりしている。全く期待していなかったのにとても面白かった。
 
音楽が好きな人には楽しめる映画だと思います。何も考えずに見れて、音楽を楽しんで、時々大笑いさせられて、最後はちょっといい話だな…と思ったり。すごくいい映画なんじゃないかなぁ…これ。
 
動物達は可愛くて、旧『ジャングル・ブック』のリアル感とは違って、いかにも「人間」なんですけど、顔の表情が素晴らしいです。こういうCGでの感情の表現も徐々に進歩しているんだろうなと思う。内気な象の女の子とか、コアラ支配人のガッカリした表情とか、ヤマアラシ・ガールの葛藤、ゴリラパパの「わしの息子だ」のウルウル目とか…表情でおっと思う場面がいくつかあった。
 
しかし一番面白かったのは、全編に溢れるユーモア。かなり笑った。
 
 
 
★ネタバレ注意
まだ見ていない方は読まないほうがいいと思います。

ユーモアに乱暴さがあまりないんですよ。安心して見られるのがとてもいい。ゴリラ一家はギャングだし、ねずみは悪いいかさまなんだけど、悪役にもそれほど悪い印象はない。実はこの映画の前に見た『ペット』は乱暴過ぎてまだ全部見ていないんですよ…だって荒っぽいんだもの。この『シング』は全体に可愛くていい。
 
細々と色んな場面がおかしいんだけれど(カタツムリのクリストファー・クロスとか)、まず大笑いした場面をリストアップしておこう。

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★主役のコアラがマシュー・マコノヒー
 
この俳優さんは存在そのものがおかしいので、彼が主役コアラのムーンさんの役をやっているだけで笑える。

★コアラと羊のカー・ウォッシュ。

どうしようかと思うくらい腹を抱えて爆笑。腹がよじれる。映画でこんなに笑ったのは久しぶり。結構哀しい場面なんですよね。それなのに笑いが止まらない。わかっているのよ、悲しい場面なんだ…でもコアラが泳いじゃうし、平泳ぎしちゃうし。羊君は協力してくれてるのね。二人で黙々と仕事をする…なんだか思い出すだけでも笑いがこみ上げる。何度も見直して大笑い。

★物干しマシンに吊り下げられた子豚たち。

一瞬で笑う。瞬間芸ですね。これも笑いました。
 
★ジャパニーズ・レッサーパンダ・アイドル・グループ
 「キューティーズ」



これも大爆笑。この5人のアイドル・キャラはよく出来てるなと感心したの。日本のアイドル文化の寄せ集め的なものだと思うんだけれど、制作者は日本の文化をよく見てますよね。感心。それにとてもかわいい。5人で色の違うコスチュームだから「ももクロ」とかああいうグループでしょ。歌はきゃりーぱみゅぱみゅを3曲。英語が全く話せなくて、時々話す日本語「ワレワレハー…」はたぶん初音ミクの声に近い。
 
可愛い彼女達は日本からはるばるやってきてアメリカでチャンスを摑もうとしている日本のアイドルグループの設定なんでしょうね。ところが英語が全く話せない。だから所構わず音楽をかけてキャッキャッと歌って踊る。「LUCK」ならぬ「F*CK」と聞こえる歌詞にあわせて踊るのが、なんとも得体が知れなくておかしい(笑)。それをみてマコノヒーコアラが唖然とするのもまたおかしい。オーディションに落ちて「帰れ」と言われても勝手に練習をして次のチャンスを狙ってるんですよ…英語がわからないだけなんですけどね。健気じゃないですか。可愛いわ。
 
途中、出演メンバー不足による再オファーで、マコノヒーコアラが彼女達となんとかコミュニケーションを試みる。まず英語で話しかけると、女の子達はそれぞれ顔を見合わせて怪訝な顔をする「このおじさん何言ってるの?」…表情がリアルでおかしい。それからコアラが日本語の会話本を取り上げて読み上げるんだけれど、明らかに内容が間違っているわけです。大変失礼な内容。そこでまた爆笑ギャハハハ。英語圏ではあのコアラのムーンさんの読み上げる日本語には字幕が付かないんですよ。だから英語圏の観客には何を言っているのかわからない。日本人は密かにクスクス笑えるわけです。私は家で爆笑しましたけど。
 
まぁとにかく可愛い。最後にヤマアラシガールが歌い終わった後でキャーキャー言いながらステージに集まってくるのもまた可愛い。このパンダちゃん達のことはすごく気に入って何度も見直しました。動画サイトにもレッサーパンダだけを集めた映像があがってますね(→検索「SING Red Pandas Moments」)。かわいいぞ。
 
ところで、あの日本人アイドルキャラを見て「あんなものに日本人を代表させるなどけしからん」などと思うべからず。誰もあの可愛いアイドル・グループを見て日本人が皆あんな風だとは思わないですから。あくまでも日本のアイドルを面白いキャラとして取り上げただけ。それに若い日本人の女の子が海外に出れば、最初は皆あんなものですあははははは。
 
ワタクシも英国に移り住んだばかりの頃は英語の会話についていけなくて、いつもおとなしくニコニコ笑ってごまかしてました。ある日旦那Aとその友人達と飲んでいたら皆でゲラゲラ笑い始めたので(内容はわからなかったけれど)とりあえず一緒にゲラゲラ笑ったんですよ。そしたらお姉さんに「あなた内容がわかって笑ってるの?」と聴かれたので「NO」と言ってまたゲラゲラ笑ってごまかしましたとさ。そんなもんですって…笑笑笑。だからちょっと嬉しハズカシ・レッサー・パンダちゃんがとても可愛いのです。がんばれよぉ。かわいいな。

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●おまけ・英語版では英語のアクセントでキャラ設定

いくつかのキャラは喋る英語のアクセントでキャラ設定をやってます。これも面白いなと思ったので書いておこう。他にもあるかもしれません。

・象の家族:アフリカ系のアクセント。温かい大家族。歌の上手いミーナちゃんは内気。お爺ちゃんがちょっと怖い頑固爺。でも優しいのね。
 
・ゴリラのギャング:英国ロンドンの下町のアクセント。下町のギャング風ですね。お父さんが怖い。

・豚のグンター:変なドイツ人の設定(笑)。こういう変なドイツ人キャラってアメリカに昔からあるステレオタイプだそうです。グンター君はいい人なんですよね。

・羊のディーバ・ナナ様:英国アクセント。高貴なちょっと怖いスーパースター。

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というわけで面白いポイントだけを書いておこう。予想以上に楽しめました。音楽と舞台…ライブが好きならきっと楽しめます。CGのアニメーションなのに、ゴリラ君や象のミーナちゃんが歌って盛り上がるところはちょっと感動しましたもん。ライブはいいよね。やっぱりライブは楽しいよねとしみじみ思う。
 
マコノヒーさんはやっぱりおかしいですね。続編が出来るのかしら?楽しみだわ。