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2017年2月14日火曜日

Bruno Mars - That’s What I Like (2016)



Smooth…


Bruno Mars - That’s What I Like (2016)


Album:  24K Magic
Released: Nov 18, 2016
℗ 2016 Atlantic Recording Corporation for the United States
 and WEA International Inc. for the world outside of the United States.
A Warner Music Group Company



上手いよなぁ。いいな色男。いい声。これが先日のグラミー賞でのご本人の曲のパフォーマンス。このお方は何をやっても上手い

歌が上手い。340秒あたりから観客の前に下りてくると、前の席の女性達が嬉しそうにしている。ジェニファー・ロペスもリアーナも嬉しそうだ😄😄😄。さすが客の扱いが上手い。色男ですね。


アルバム『24K Magic』はいいアルバム。

彼は存在が面白い。彼の曲は、過去の有名なスターの曲や、過去の時代の音楽のサウンドを真似して作っているように聴こえる。どの曲も「あ、これはあれ風、これはあの時代の音だ」と思える音。温故知新。過去のスタイルをアレンジしてモダンに味付け…一見真似しているようにも聴こえるんだけれど、それがとんでもなく上手い。すごく上手い。

この曲の元ネタはたぶん90年代半ば。とても気持ちいい音。


あのプリンス先生はMinneapolis Soundを作ったし、ジェームス・ブラウンやマイケル・ジャクソンにもそれらしい音があった。80年代にはその時代の音、90年代にもそれらしい音があった。

しかしブルーノ君にはBruno Soundはないのかもしれない。彼は過去の色んな曲を聴いて、いいところだけ引っ張ってきてモダンにアレンジして曲を書く。その結果は全て極上。ものすごく上手い。ものすごくキャッチー。

彼の曲が過去の音楽からスタイルを借りてきていることは、ご本人も認めているらしく、去年の米CBSTV番組「60 Minutes」でもこんなインタビューがありました。

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Lara Logan: When I listen to your songs. あなたの曲を聴くとね、
Bruno Mars: Uh-huh. うん
Lara Logan: You can hear all those people that you’ve listened to. 
あなたが誰を聴いてきたのかが聴こえるのよ
Bruno Mars: Yeah. ああ
Lara Logan: Over the years. 長年に渡って
Bruno Mars: A lot of people are really quick to say, “That song sounds like this.” Or you-- “He’s tryin’ to sound like this.” And I’m always like, “You’re damn right I am. That’s how-- that’s why we’re all here.” You know, we all grew up idolizing another musician. That’s how this works. That’s how music is created. 
沢山の人がね「これはあの曲みたいだね」とか「奴はこの曲みたいなサウンドをやろうとしてるよね」とかすぐに言うんだ。だから僕はいつもこう言うんだよ「そのとおりさ。だってだから僕達はここにいるんじゃないか」。僕らはみんな誰か他のミュージシャンに憧れて成長するものでしょ。そういうものだよね。音楽ってそうやって作られるものなんだよね。
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彼の曲は全て過去の音楽に対してのトリビュート。全てがトリビュート。リスペクト。盗んでるんじゃない。尊敬してるのね。
 
彼は外野からパクリだとか、コピーだとか、スタイルを盗んでいるとか言われることも恐れてはいない。なぜなら彼にはエンターテイナーとしての絶対的な自信があるからだろうと思う。
 
彼のオリジナリティはステージ上のパフォーマンス。どんなスタイルの曲も巧みに操れる技。何をやってもとことん上手い。何から何まで過去の音楽のいいとこ取りをして、自分なりに消化して、結果ブルーノ印の曲を書き、完璧なパフォーマンスを披露する。色んなスタイルを自由に操れるのが彼独自の見せ方。歌える、踊れる、様々な楽器も上手い。総合エンターテイナーとして最高レベル。
 
 
大衆音楽が生まれてからもう何十年も過ぎた。5060708090年代と様々なサウンドやスタイルはもう出尽くした。実際に新しいサウンドやスタイルを追求しても今はもう難しいのだろうと思う。だから彼は、今まで出尽くした様々なスタイルを温めなおして新しい曲に仕上げる方法をとった。
 
頭のいい人だと思う。30年以上前のアーティスト達は己の身を削って独自のスタイル、独自の新しい音を探していたものだけれど、彼は音楽に対してもっと冷静なのではないかと思う。現代のこのスーパースターは、自分が好きな過去の曲(スタイル)をとことん突き詰めて、煮詰めて、磨き上げて極上のモダンなポップスを作り出す。ステージでのエンターテイナーとして、とにかく観客が喜ぶもの、気持ちのいいものだけを作り出す。子供の頃からプロとしてスターの完コピ/物まねを極めた人だからこそ、様々なジャンルを自由自在に操れる技とセンスを得た。まるで職人芸のように。それが、彼が業界でも特別な存在である理由。
 
ブルーノ君は変幻自在のエンタテイナー。21世紀だからこそ出てきた新しいタイプのアーティスト…現代のスーパースター。彼が触れば過去のどんなスタイルもモダンな極上のエンタメに変化する。最高。本当に面白いアーティストです。
 
それにしてもグラミー賞の彼の「Let’s Go Crazy」の映像を動画サイトで出してくれないものだろうか。