TVでの話がどんどん進んで、感想は遅れるばかり。どうしようかねぇ。以前『軍事官兵衛』の時には翌年まで感想がなだれ込んでしまったのですが今回もそうなるのかなぁ。
上手い事を書こうと思って気負い過ぎるのがいけない。簡単に寸評だけ書いて似顔絵を描けばいいのよね。できるだけ簡単にいこう。
その前に…、
実は今回はあらためて『真田丸』についてわかった事があったので書きとめておこう。今まで感想とは言いながら文句ばかりを書いてきたのだけれど、その理由がわかった。
このドラマの本質は
歴史の裏話
なのね…ということに今回やっと気がついた。な~んだ真田家の大河ドラマというのは建前だったのだな。
真田家の話なので真田家に関わりの無い話は有名な事件も描かない…とか、戦シーンが無いとか、有名人がナレ死するとか、秀吉の老衰ばかりで数週間とか、歴史のうねりが見えないとか…今までいろいろと文句ばかり書いてきたわけですが、そんな文句の理由は、このドラマが
歴史の小ネタ、裏話
を細々と積み重ねたドラマだったからなのだと気がついた。
なんだか話が小さくて盛り上がんないわね…と思ってたんですけどそりゃそうだ。だってこのドラマ、人物達の経験する日常の出来事を並べただけですもん。全部そうよ。信濃編も大坂の秀吉編もそう。主人公の信繁が見た日々の出来事を描いたドラマ。最初から大きな歴史のうねりを描くドラマではなかったのね。
大河ドラマって歴史のうねりを描くのがお約束だと思っていたのよ。だからなんだかおかしいよなと思ってた。なんだか全体に、
小さい…。
そういう切り口の歴史ドラマはあってもいいと思います。細かい日常のエピソードを積み重ねて戦国の日常を描く連続ドラマがあってもいい。
しかしそれを実在の歴史上の人物でやるのなら、人物描写はリアルに真面目にやって欲しい。人物達の言葉遣いや所作、社会でのマナーはリアルに凝って欲しい。戦国のリアルな日常を見せて、その時代の空気を感じさせて欲しい。時代考証をちゃんとやってください…ということです。
このドラマの違和感は、歴史のうねりを描かない上に、細部の描写も出鱈目だから歴史ドラマとしての面白さが見えなくなってしまってることなんですよ。例えば戦国時代なのに現代人のきりちゃん。他の女性の描写も酷い。普通の女性がほとんどいない。皆ネタ要員。せめて人物達の描写だけでもその時代上で説得力があったら、歴史ドラマとして楽しめただろうに。
『たそがれ清兵衛』という映画がありますけどいい映画なんですよ。話は小さいし、日常の描写だけなんだけど、時代劇としての描写がとてもリアルで丁寧。だから江戸時代にタイムスリップしたように映画を楽しむ事が出来る。
(↑追記:今この映画のDVDを見てきた。あのリアルさはテレビでは無理でしたね。地味過ぎる暗すぎる。テレビにはある程度の華やかさも必要。…そうだなぁ、近年なら『八重の桜』の会津編が適度にリアルだったと思います)
(↑追記:今この映画のDVDを見てきた。あのリアルさはテレビでは無理でしたね。地味過ぎる暗すぎる。テレビにはある程度の華やかさも必要。…そうだなぁ、近年なら『八重の桜』の会津編が適度にリアルだったと思います)
このドラマでの三谷さんの狙いは「現代人を戦国に連れてきたらどうなるか & 人物達の日常と小ネタだけで歴史を描く」ということなんだろうけど、どうも狙いすぎて違和感の方が大きい。今まで海亀が何度も文句を書いてきたのも、そういうところなんだろうと思います。このことは書きとめておこうと思う。
…こうやって文句の理由を書いたので、これからは文句を書かなくてもいいかな…と思います。だといいな。
★あらすじ
家康は会津の上杉を打つために進軍。大坂では三成と大谷が立った。真田は今後の行方を決める。信幸は徳川サイドへ。信繁と昌幸は西軍へ。どちらが勝っても負けても真田の家は残る。
●流れと感想
・稲ちゃんは信幸の妻=真田家の嫁・宣言…それを聞いた昌幸パパが稲ちゃんの手を握る。さすがに草刈パパに手を握られて稲ちゃんも嬉しそうだわね。・信繁が寧さんを訪ねる。…もう徳川が進軍してるのに、なんだかのんびりしてますね。
・上杉の殿「徳川来るの?困ったな…ヤバイね」
・秀忠「パパはわかってくれない」
・大谷さんは徳川方なのに、訪ねてきた三成に説得されて西軍にいくの?
・ところで、この大谷さん…片岡愛之助さんが、今回本当に素晴らしかった。流石ですね。時代劇での存在感が他の方と別レベル。落ち着きも貫禄も男臭さも最高。戦国の大名として納得です。ものすごくいい男。この俳優さんはやっぱり時代劇で輝く。現代劇でおねえ言葉よりも全然いい。時代劇だからいい。貫禄がすごい。いい役者さんですよね。芝居が上手いから病気もリアルで本当に痛そうに見える。苦しそう。勝てるかどうか揺れる三成を怒る…「勝てると思っておるのか。ともに死ぬのはまっぴらごめん。兵をあげるからには必ず勝つ。私がおぬしを勝たせてみせる」←素晴らしい…88888888。ちょっと荒っぽい声もいい。このドラマの中ではこの俳優さんが一番時代劇らしい。最高。流石です。かっこいい。絶賛。武将としてもかっこいいし、娘の春ちゃんと一緒の時にはお父さんの顔をしている。いい役者さん。
・こらっ三成っ!また泣くな泣くな泣くなっ!
・上田城のパパはウキウキ。
・大阪城では江雪斎が密かに小早川君を徳川サイドへいらっしゃい。
・三成が、大坂にいる徳川方武家の家族を人質にする…細川の玉ちゃん(ガラシャ)が殉死。とってつけたような悲劇ネタの玉ちゃんの死でしたが、ちょっと興味深い描写。この玉ちゃんは完全にイッちゃってる人なのね。目がイッてる。「神のもとに召される私…幸せ」という目をしている。そういう描写なんですかね。なるほどそういうのもあるのかも。それにしても橋本マナミさんはキレイだ。
・大谷さんと三成のお手紙大作戦。えぇーもう徳川は進軍してるのに、いまさらお手紙は遅くない?これは史実ですか。
・上田城…昌幸パパは捕らぬ狸の皮算用…長期の戦乱を予想。しかし信繁「大戦は早く決着がつくかもしれない」・信幸のアイデア…信幸は徳川につく。信繁とパパは西軍に。いずれが勝っても真田は残る。勝った方が負けた方を助ければいい。…この場面。そう。大泉さんがいい表情。この俳優さんは、以前はコメディ要員の印象があったんですけど、この信幸はとてもいい。大泉さんの印象が変わりましたね。ちょっと苦労性ながら責任を全うする真面目な信幸が非常に魅力的。大泉さんがこんなにいい表情をなさるとは…。いい役者さん。
・信繁っ泣くなっ泣くな泣くな泣くなっ…あ…そうか…お兄ちゃんと最後の別れになるかもしれないからなのか…そうか。
・最後は親子三人で和気藹々。一緒に過ごす最後?