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2015年1月29日木曜日

NHK BSプレミアムドラマ『昨日のカレー、明日のパン』全7回



今日録画を見終わった。なんだかとても可愛かった。ほのぼの…。

最初の数回は、雰囲気はかわいいのにどうも暗くてちと薄気味悪く、微妙にホラーかとさえ思ったんだけど、みんな色々と抱えてる話なんであーそういう話か…と。ちょっと不思議。それでも毎回少しずつ明るくなって人物達にも馴染んできた。

最初は若い女の子なのに幸せを拒否してるし、骨を持ち歩いてるし(!)、途中で首の傷とか幽霊が見えたり…なんだこれヘビーなの?…という感じだったんだけど、それでも登場人物達が穏やかなのでなんとなく見続けた。優しい言葉は1回目からありましたね…そういえば。

最終回はみんなそれぞれ幸せになった。みんなすごく可愛かった。
おとぎ話なのかな。しかし骨を持つってすごいな…。
最後はみんなよかったですね。
かる~く見始めたのにほんのりと温かくなった。

仲里依紗さんはすごく可愛い。ちょっと前に「きょうは会社休みます」で綾瀬さんの同僚をやってて可愛いな…と思ったんだけど、このドラマでは主演。表情が豊かですね。泣きながらご飯を食べるところなんて、はっとするくらい可愛い。ドキッとした。


2015年1月27日火曜日

映画『エクソダス:神と王/Exodus: Gods and Kings』(2014):伝説ロマンは楽しくなくちゃね




 

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Exodus: Gods and Kings2014年)/米/カラー
150分/監督:Ridley Scott
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「グラディエーター」「キングダム・オブ・ヘブン」等、歴史物のエピック映画で有名なリドリー・スコット監督の最新作。…だって「グラディエーター」の監督ですもの。そりゃー見に行かなくっちゃ。こういう大袈裟な話大好き…で去年の終わり頃に見に行った

行く前の期待は半々。まずリドリー先生ならやってくれる…という期待。しかしながらお話は、あの有名なハリウッド映画「十戒」(1956年)それにアニメーションの「プリンス・オブ・エジプト」(1998年)と同じく旧約聖書からの出エジプト記=Exodus。要はあの超超超有名な「十戒」のリメイク。うわー勝てる気がしない…。いや…リドリー先生だもの彼ならやってくれるはず…というわけで期待と不安を胸に映画館へと向う。

「十戒」なんて…チャールストン・ヘストンのモーゼにユル・ブリンナーのラムセスなんて、真っ向から喧嘩する相手じゃないですよ。あまりにも大きすぎる。勝てる気がしない。なぜこの題材を選んだのよリドリー先生?なぜこれをやろうと思った?「十戒」と喧嘩をする前に、そもそもなぜあれほど有名な話をまた再度リメイクするのだ…?何故だ何故だ何故だ?

というわけで見た結果…。


ネタバレ注意

CG、スペシャル・エフェクトが面白かった。巨大なワニが踊ったり、ハエがわんわん押し寄せたり、カエルにイナゴ、赤い川、紅海はチャールストン・ヘストンがミラクルを起こしたようには割れなくて大きな津波。エジプトの街の様子も素晴らしい…昔やったPCゲームのPharaohを思い出してニヤニヤ。エジプト勢の二輪戦車が岸壁を走るのもかっこよかった。ビジュアル的には面白かったです。さすがリドリー先生。

しかしだ…それ以外で「十戒」に勝てたところがあるのか?…うーん…。


どうも映画としてすっきりしない。満足感も薄い。何故だろう…?なんだろうなぁ…どうも私はクリスチャン・ベールの悩みの多いモーゼに納得できなかった。だって…モーゼさんてもっと万民を有無を言わさず惹きつけるだけの超絶カリスマなスーパーヒーローなんじゃないの?それにラムセスさんだってもう少しまともでもいいんではないか…。

考えが上手くまとまらなかったので早速批評サイトに行ってみる。全体に評価がとても低い。Rotten Tomatoesなんて100点満点の28点!オイーッそんなに酷いのか(笑)そんなわけでプロの批評家の方々も満足できなかったらしい。


たしかに「十戒」と比べても最初からずいぶん内容が抜けている。モーゼとラムセスが一緒に育てられたのはいいとして、なぜそこまで憎み合ってしまったのか。モーゼは一人砂漠を彷徨う間に何を思ったのか。なぜ人々はモーゼを信じることができたのか…。かなり脚本が不親切。編集も粗い。人物達が魅力的に見えてこない。

出来の悪いラムセスがモーゼを嫌うのは優秀なモーゼへの嫉妬?。モーゼはモーゼで自分の使命を神様に告げられたのに、なんだかうんうん唸っているばかり。二人とも小物の普通の人々。


問題はきっとそこなんですね。リドリー監督がやりたかったのは、普通の人物達で描くリアルな出エジプト記。モーゼはミラクルを起こす超人ではなく悩み多き普通の人。エジプトの王様も小物で一緒に育った優秀なモーゼに嫉妬ばかりしてる。二人ともあまり頭が良くなさそうだ。神様も突然空から声が聞こえてくるわけではなく、なんだかロンドンの郊外にいそうな坊主頭の不機嫌な中学生(?)。紅海は超人モーゼが杖を振って割るものではなく大きな津波の前の引き潮…モーゼが寝てる間に自然に起こってしまった…なんだがっかり。

別にいいんですよ…モーゼが超人でなくても。普通の人でもいいんです。でもそれならそれで普通の人=モーゼがなぜ数十万の人々を率いるほどの力を持ったのか、それなりの説得力がなければ観客は納得できない。

ミラクルに溢れる聖書物語を無理にでも現実的にとらえるのであれば、この出エジプト記だってもっと現実的に考えてもいい。例えばユダヤ人は奴隷の身ではあるものの、それまでエジプトに数百年間も住んでいたわけで、住み慣れた場所を急に離れることはかなり怖いことだったはず。だって一か八かの賭けですもん。成功するかどうかもわからない。怖いのはエジプト軍だけじゃない。旅の途中に砂漠で餓死するかもしれない。そもそも行った事もない故郷なんてどんなところかもわからない。そんな状態で数十万人の人々がたった1人の人物に希望を託し迷わずついていくためには、その人物に何か特別なもの、信じられる確かな理由がなければいけないはず。例えば「十戒」のモーゼのような絶対的なカリスマとか、結局はミラクルを起こすとか…。なのにあのクリスチャン・ベール=モーゼは普通の人。神様との関係もよそよそしく全然頼りにならなそう。まずいでしょうそれは…。

リアルな人物像で描こうとした伝説の巨人たちはどうもスケールが小さくなりすぎて、結局それが話の大きさに合わなかったという印象。せっかくあれだけのイメージを作ったのに、肝心の内容が雑。人物達も心を寄せられるほど魅力的でもない。

結局大昔の「十戒」が嘘っぽくてもいろいろと楽しかったのにくらべて、このリメイクは、映像は素晴らしいのに内容に深みが無く、ドラマも人物描写も薄っぺらで、全体に映画としての面白味がほとんど無いことが一番の問題だろうと思う。もう少し人物達に踏み込んで魅力的にしてもよかったのに。

ただしリドリー・スコット印のスペシャル・エフェクトは健在。大袈裟なCGを見ておおと思うためならこの映画は十分に楽しめる。リドリー監督は結局大掛かりなアクション映画の監督なんですね。それだけは間違いない。


やっぱり大昔のこういうLegend話は大袈裟だからこそ面白いんだな。伝説ですもん。やっぱミラクル起こしてくれなくちゃ…モーゼさん。

…個人的な意見だけどクリスチャン・ベールさんは英雄には向かない。悩むバットマンもだめでしたね。万人を惹きつけるヒーローをやるならもう少し姿勢を正して元気を出してください



2015年1月26日月曜日

映画『6才のボクが、大人になるまで/Boyhood』(2014);リアルすぎる12年間



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Boyhood2014年)/米/カラー
165分/監督:Richard Linklater
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映画ビフォア・シリーズで知られるリチャード・リンクレイター監督が撮った実験的映画。12年間の年月を継続的に、同じ俳優が同じ人物を12年間かけて演じる。お話は米テキサス州のとある一家の12年間の記録。6歳の男の子が成長して18歳で高校を卒業するまでを描く。
 
12年間もの時間をかけて撮った気長な映画作りが、この映画の成し遂げた一番の偉業。たぶん今までこういう映画を撮った人はいなかったんだろうと思う。10年毎に同じ人物達のその後を描いて成功したこの監督の映画・ビフォア・シリーズの成功で出てきたアイデアであることは間違いない。…もし撮影を10年毎にせず、同じ俳優達で12年間の時間の経過を、年代毎に順番に撮っていったらどんな映画になるか…それがこの映画の趣旨。
 
 
内容は米テキサス州の普通の一家族の話。早すぎる結婚をした両親二人が早い時期に離婚。意志の強い母親は学校に行きながら2人の子供を育て、再婚・離婚を繰り返しながら教師になる(←ものすごい努力家)。意志の弱い父親は暫くフラフラした後にいつの間にか再婚して他の家族を持つ。両親とも12年の間に大人に成長している。
 
子供達2人は無邪気に日々を過ごす。もちろん両親の離婚で生活は変わるし、母親が再婚すれば新しい家族との生活が始まる。母親はまた離婚し…。
 
 
2時間45分をかけて描くアメリカの小市民の12年間。よくこんな映画が撮れたもんだと、まず監督、スタッフ、俳優さん達の12年にも渡るこのプロジェクトへの献身と、作品を完成させた意志の強さに感動する。それがこの映画の一番の偉業。
 
当然のことながらアメリカの映画業界は、この偉業に対して最大の賛辞を惜しまない。IMDB (International Movie Data Base)サイトでの評価は10点満点中8.3点。あのRotten Tomatoesでもなんと100点満点中98点!である。これ以上の最高評価があるだろうか?
 
 
実はこの映画を見終わって私は暫く感想が書けなかった。見たのは今から何ヶ月も前。何度も感想を書く機会はあっただろうに全く文章が出てこなかった。映画を見た直後、普段はすぐにうだうだと批評を始める旦那Aと私も、この映画の後は二人とも無言のままただ淡々と歩いて車に向かったと記憶している。「すごいねぇ」「うんすごいねぇ」などとボケた感想を述べただけで二人ともボーっとしていた。
 
あれから数ヶ月経ったが、長い間感想が書けなかった一番の理由は、この映画があまりにも普通の人々の普通の12年間を描写したものだったからだ…と今では思う。英語で言えばUneventful…何にも起こらないんですよ要は。
 
普通の人々の普通の日常。脚本も編集も演出も巧みなせいで全てがあまりにもリアル。リアルな普通の人々が淡々と、淡々と淡々淡々淡々淡々…と日々を送るのをほぼ3時間も見ることになる。おそらくそれがこの映画の好き嫌いの分かれる所。
 
この監督は、普通の人々の12年間をそのまんまカプセルに詰めたような映画が撮りたかったに違いない。そしてそれは誰も成し遂げなかったほどのリアリズムを生み出した。本当にすごい映画なんですよ。まさに偉業。
 
しかしその偉業そのものが、ある人々からは正反対の批評を引き出す。
 
興味があったので、この映画を低評価している感想をいくつか読んでみたけれど、ほぼ全てのアンチの人々の感想が、「つまんない、長い、だらだら、がっかりした、何も起こらない、金返せ…boring, long, slow, disappointing, nothing happens, I want my money back…」…とまあ酷い酷い(笑)。要は映画らしいドキドキするようなイベントが全く起こらないので退屈してしまったらしい。アメリカの人は正直ですね。
 
 
私はこの映画を見て良かったと思う。演技も素晴らしい、話の内容もいろいろと考えさせられるものがあったし、どこかの家族をカメラを通して12年間も見続けたようなリアルさは十分に面白かった。ただ決して見なきゃよかったとは思わないけれど、不満をネット上に書き込むアンチな人々の気持ちもわからないではない。確かに映画としては盛り上がりに欠ける。この映画は一概には傑作だと言えないものなのかもしれない。いろんな意味で。
 
そんな複雑な思いがあったのも事実で、おそらくそれも感想を長い間書けなかった理由。映画というよりもドキュメンタリーを見たような感じ。見た後は、映画の感想を語るよりも、むしろ自分の人生や知り合いの誰かの人生と照らし合わせて…うーん…と考え始める。結局映画のことよりも自分の人生や誰かのことについての会話が始まってしまう。そんな映画。そういう映画もなかなかない。
 
それにしても主役の男の子は可愛い。あの小さな子供がほぼ3時間の間に18歳の青年に成長するのを見るのは、それだけでもかなり感動する。若い頃は可愛かったパトリシア・アークエットさんがどんどん肝っ玉母さんになっていくのも凄いなと思う。見る人によってハマるツボはそれぞれだろうと思う。本当に批評の難しい映画。
 
私は見て良かったと思う。
 
 
 

2015年1月25日日曜日

Perfume:アメリカのフェス「SXSW 2015」に出演決定



おっと変化球来たな…。

海亀は今でもPerfumeが好きです。しかし去年のWT3を終えてから本当に書く事がなくなってしまった。というのも今の時点でPerfumeがどういう方向に進んでいくのかが全く見えなくなってしまったから。

1.海外展開もワールドツアー3回目の終了でとりあえず一段落した。
2.Perfumeがこれからどういう方向に行きたいのか、それを予想出来るような手掛かりが今のところ全く出ていない。
3.前回のシングルは万人ウケ路線ではなかったと思うが、今後彼女達が(一緒に歌いましょう系)歌ものに行くのか、音ものに行くのか音楽の方向がわからない。
4.いや音楽の方向と言うよりも、彼女達がどういうグループになりたいのか…万人に愛されるアイドルなのか、それともダンスのすごいアーティスト系なのか…も見えてこない。
5.ライブは相変わらず漫談満載。海外に行ってもファンクラブツアー的な内輪ノリは変えない。

いろんなことが去年で一段落して、今後彼女達がどうしたいのかが今のところ私には見えない。


海外に関しては、もともと以前からあ~ちゃんが乗り気ではないというのが聞こえてきていて、とりあえずWT3が終わったらもう海外はお終いなのかな…とも思っていたのだけど、ツアーの後で聞えてきたのは「もっとやりたい」=もっと海外やってみたい…だそうで…ほんとかな?

というのもここ数年のPerfumeの売り方というのが、どうしても海外向きではないということを私は暫く前から思っていて(これは以前にも書いた。またしつこく書く)

・海外ライブでも漫談満載。Perfumeを既に知っていなければ戸惑うライブ構成
・ライブの後でセットリスト公開は厳禁
・内容もネタバレになるから話すな
・ファンカムなんてとんでもない
・ライブはチケットを買って実際に会場に来たファンだけの秘密の楽しみにしろ
・ライブに来ない奴は公式映像が出るまで待て(その映像がなかなか出ない)

…等々「海外やる気ないでしょ」と思ってもしょうがない売り方。結局海外在住の私も正直それで心が離れた。以前ほどの熱がなくなった。

しかしとはいっても冷静な目で見るならば…、彼女達の長年のキャリアのおかげでPerfumeのあり方をそのまま受け入れてくれるファンベースが海外にもある程度存在することを考えれば、ファンクラブツアー的に10003000人程度の箱を地道に回る方法もあって、それはそれで決して悪くはない。海外のファンのための安定した海外展開。ただし大きく広げるつもりはもうないんだろうと思っていた。

ところが今回かなり大掛かりなフェスへの出演。客層は予想不可能。
…いったい何を考えてるんだろう。


いいと思いますよ。いろいろとやってみることは決して悪くない。この決定が…実際にご本人達が行きたがっているのか、それともライゾマさんが引っ張り出したのか…本当のところはよくわからないけれどどうなんでしょうね。もしかしたら3人とも去年のツアーで海外に目覚めて、やる気満々なんだろうか。

私も今回ばかりは本当にわからないです。同じフェスでも、去年BABYMETALがソニスフィアに出たのとは状況が全く違う。BABYMETALはフェスの前に海外のメディアがかなり騒いでましたから集客も成功もある程度は予想できたけれど、今回のPerfumeには何もない。場所も、集客を見込めるニューヨークやLAではなくテキサス。

もしかしたら当たって砕けろ的に、海外いっちまおーか…とやる気満々なのかも。チャレンジ精神が出てきたのか?去年のWT3で海外に味をしめたか?

ともあれ今のPerfumeさんは日本では経験豊富なベテランの大スターですから、たとえこのフェスへの出演がなんともならなくても、日本での地位はびくともしない安定性は十分にあるだろうと思う。これくらいの未知への挑戦はやってみてもいい。今回はとりあえず実験的に未開拓の海外のフェスに行ってみて様子を見ようかということかもしれません。

少しずつではあるけれど、彼女たちも変わっていく時期なのかも。
応援しましょう。


2015年1月24日土曜日

映画『はじまりのうた/Begin Again』(2013);音楽好きのための映画



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Begin Again2013年)/米/カラー
104分/監督:John Carney
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去年2014年は本当に映画を見なかった…ということは以前猫のページで書いた。そう、お猫様がうちに来てからどうも外に出にくくなった。いや…お猫様と一緒にいるほうが楽しいから出なくなったと言ったほうがいい。
 
さてもうすぐオスカーのシーズン。なんとか賞取り合戦が始まるまでに、映画館で見た映画だけでも簡単な感想を書いておこう。
 
というわけで、キーラ・ナイトレイさん主演の小作品『Begin Again』。端的に言えばこの映画は、
 
音楽好きの人による音楽好きの人のための映画。
 
いい話です。
 
 
★あらすじ
 
昔は売れっ子、今は落ちぶれた中年音楽プロデューサーのダン。そして恋人と別れたばかりで傷心の女性シンガーソングライターのグレタ。彼女がライブハウスで演奏するのを見て将来性を感じたダンが、彼女と共にアルバムを制作する…というお話。

 
以下ネタバレ注意

(ずいぶん前に見たので細かい内容は間違っているかもしれません)
 
表向きのストーリーは恋愛もの。しかし実は恋愛話はサイドストーリー。この映画で見えてくるのは、この監督さんがいかに音楽を愛しているかということ。一つ一つの場面、エピソードが音楽への愛に溢れていて、観客も音楽好きならいろんな場面でうんうんと頷き、 わかるわかると微笑み、そうだよねと涙を流す…そんな映画。
 
音楽を聴けば同じ景色も違って見えてくる。音楽で人は癒され、喜び、また音楽で人は出会い、共鳴し合い、友情を育み、時には音楽で傷つくこともあるけれど、また音楽が喜びをくれる。別れていた人々も音楽によってまた結び付けられる…。
 
…もっとあっただろうと思う。「音楽がいかに人生に潤いを与えてくれるのか」…という監督の音楽への愛を映画の隅々まで感じる。それが素晴らしい。
 
アルバムの録音はライブ一発どり。これもたぶん音楽への愛からくるもの。緻密な構築型の録音方法もあるけれど、この映画が見せたかったのはライブ録音の生なエネルギーと情感。このプロデューサーは音楽の技巧よりも音楽の心を録音したかったんだろうと思う。これもおそらくこの監督の音楽への愛。
 
2人のアルバム作りが次第に人と人とを結び付けていく流れは楽しく、ライブ録音のクライマックスは本当に素晴らしい。「おっいいね…」と思い隣の席を見ると旦那Aが泣いていた。
 
恋愛映画ではありません。恋愛ものというよりも音楽映画。音楽が好きな方に特にお勧めします。心が豊かになる温かい映画。
 
今の若い人達は戸外でイヤホンをシェアして一緒に音楽を聴くのね。
ほー…。