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2014年10月7日火曜日

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第38回「追い込まれる軍師」 9月21日放送



何も進まなかった回。官兵衛が宇都宮氏暗殺を引き摺ってぐだぐだ言ってる。

前回、長政君の宇都宮氏暗殺の場面を素晴らしいと褒めたのですが、今週はなんと官兵衛パパが宇都宮氏の息子を自ら殺害。さて前回は長政君の潔さがいいと思ったのですが、今週の官兵衛パパの黒い場面は微妙。

というのも、まず脚本家さんが官兵衛を善人に書きたい(書かねばならぬ)せいで、キャラ設定が破綻してきてると思うのよ。今回の宇都宮朝房殺害はそりゃー酷い(現代の常識では)。しかし時代は戦国。秀吉の命には絶対服従。従わなければ黒田がお取り潰しになるかもしれない。そもそも九州に左遷されてあまり優遇されてないのに秀吉に逆らうわけにはいかない。佐々さんの例を出してそんなあたりも臭わせた。上司の命令は絶対。あがいてもどうにもならん。

それなのにバッサリ行かずに無駄に時間をかけて朝房を殺し、その後うじうじ落ち込んでる。善人黒田官兵衛がたった1人の若者を殺して苦しんでるんだけど、しかしこの人、今まで実際には直接・間接共に今まで何百人単位で人を殺してきてますよね。ドラマで描かれなかっただけで戦に勝てば敵は多く死ぬ。戦略を考えて城攻めをすればまた人が多く死ぬ。そんな優秀な軍師が、今さらたった1人殺したからってそんなに悩むのか?味方の吉川さんだって病気なのに怒鳴りつけて戦に担ぎ出して殺したようなもんじゃないか…。

だから彼がこれくらいのことで今さら悔やんだり落ち込んだりするのは変なんですよ。ドラマ的には酷い上司=秀吉の命令で罪の無い青年を殺してしまった…ってことで悪いのは全部秀吉ということなんだろうけど、そんなのはおかしい。もう若くないのに今頃こんなことで苦しむのか。苦しんだからって善人には見えないし、うじうじ悩むのも頭が悪く見えてしまってる。キャラが破綻してる。

ちと気が早いとはいえ、黒田家のためにパッと行動を起こした長政君の方が有能に見えてしまった。世間の一般的なこの二人の評価ってどうなんでしょ。


それから問題はもうひとつ。光ちゃん。もう現代人の常識で戦国の成人した息子を怒鳴ったりしないで欲しいですな。この人以前にも黒田の家には迷惑にしかならないことを、自分の好き嫌いだけでヒステリックにガミガミ騒いでましたね。旦那にも息子にも「ダメだダメだ」と否定ばかりする。男達がお家存続のために必至で頑張っているのに、それを妻としてサポートすることを言わないんですよこの人。がんばってる男達には邪魔でしかない。いやなら黙ってればいいのに。たかが女一人の平和主義だけで戦国の世は動かんのだ。イライラ。

再度例に出して申し訳ないが、96年の『秀吉』の明智光秀の嫁は、夫の本能寺での勝利を聞いた後「秀吉の居城・長浜城の城兵と女子供を皆殺しにせよ」と家臣に命じたりしてるんですよ。彼女はかっこよかった。戦国の女性とはこれくらい強いもんだとワタクシは思います。


★あらすじ

肥後にて官兵衛は宇都宮氏の息子朝房を殺害。秀吉はだんだん予想不可能になってきた。官兵衛、大坂で家康に会う。


●流れと感想

豊前・中津城 長政は宇都宮氏を暗殺。落ち込む長政を又兵衛が責める「やるしかなかったのだ。父上は知らぬ。」松坂さんはいい役者。長政君ぐらい若い人なら、自分のやったことを泣いたり悩んだりしてもいいんです。
肥後 宇都宮暗殺のニュースが官兵衛に届く。人質の宇都宮氏の息子はどうする?
豊前・中津城 牢屋に入れられた鶴姫を光ちゃんが助けると言う。長政は城井谷に兵を出す。それに光ちゃんが文句を言う。おい~~~~光ちゃん…文句言うなーっ。16世紀に現代の常識を語ってもしょーがねーのだ。この人は全く役にたってません。めんどくさい母親なだけ。長政君は黒田家を救う為にがんばっとるんだよ。
肥後 官兵衛、宇都宮朝房を呼び自ら殺害。おいーいきなりじゃないかー。こういうことは官兵衛本人がやらなくても部下にやらせればいいんじゃないの?善助君、これから殺される朝房君にお父さんのことを話さなくてもいいのよ。演出が過剰に黒い。3人の家臣も一気にいけばいいのに。こういうのはうだうだやって時間を引き延ばせば引き伸ばすほど残酷。こんなジリジリ殺すなんて酷すぎる。わかんない間にパッと斬った方がまだ辛くないと思うぞ。この描写は何をやりたいのかわからんな。黒い演出も必要もない。
・そして官兵衛泣く。善助君も。九郎君も口元押さえてドキドキしてるし…。おいーそんな戦国武将達が草食獣リアクションでいいのか?長政君のほうが潔くてよかったぞ。
大坂城 ツンデレ茶々と道化関白。おっと三成が城を建てろと進言。なんと金のかかる。三成は何がしたいのだ?おっと三成と茶々、目配せし合ってますよ。長政の宇都宮氏暗殺の成功を聞いて喜ぶ秀吉。
肥後 そしてその後も落ち込む官兵衛。んもーいつまで引き摺ってるのよ。なんだかもうダメパパだな。長政君のほうが戦国武将らしい。
豊前・中津城 鶴姫は牢に。長政になまいき糸ちゃんがまたぶつぶつ文句。もーたまらんなこんな嫁。旦那は外で仕事してるんだから黙って嫁の仕事をしろ。そこへまた現代人光ちゃんも来てガタガタ文句を言う。もうだめだこのキャラ。こんな女この時代にいるわけが無い。結局鶴姫は逃がすことになった。史実は磔になったらしいけど、逃げたという説もあるらしい。
豊前・中津城 5月、官兵衛は肥後の一揆を鎮めて帰還。あ…長政君あやまらなくてもいいと思うよ。んもー光ちゃんにはイライラ。この女性には戦国の嫁らしいことは何ひとつ期待できない。中途半端に現代の女。
大坂城 秀吉は人生哲学をおねに語る「人は将棋の駒じゃ」。
尼崎・法園寺 佐々成政は切腹させられる。
大坂城 茶会。佐々のいなくなった肥後には、加藤清正と小西行長が入る。将来の明攻めの地固めのため。官兵衛はまた文句。またガタガタ文句。なんだかヤンキー風。三成も三成だけど、反対に怒鳴られておしまい。秀吉は怖いです。素晴らしい。利休危ないぞ。
・おねVS茶々。おね+官兵衛。おねちゃんが愚痴をこぼす。なんだか頼られてます。
豊前・中津城 黒田家は加藤清正と宴会。加藤さんも三成と茶々が嫌いらしい。ともに豊臣を守ると誓い合う。
駿府城 家康が北条にプレッシャーをかけると言いながら縁側で趣味の薬草の調合をやっている。
京都・聚楽第 家康がやってきた。北条の件を相談。秀吉が怖いです。
茶室 利休の茶会。あ…家康がやってきた。そうか官兵衛と家康が会うのってこれが初めてだっけ。家康は口が上手い。家康が秀吉との宴席での言葉を伝える。「次の天下人は…官兵衛じゃ」官兵衛ドキドキ、ヤバイ。