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2013年11月4日月曜日

NHK大河ドラマ「八重の桜」第44回「襄の遺言」



落ち着いて見れた。…とは言っても京都編になってからは、大河の流れというより歴史に関係ない内容がぶつ打つ切れになって羅列されているような印象なので、そのあたりの修正はもう無理。大河として面白いわけではないけれど、細切れのエピソードの中で俳優さん達がよかったので、それを書こうと思う。

1. 加藤虎ノ介さん=伊藤博文

この俳優さんいいですね。すごく気になる。そういえば去年の「平清盛」では西光をやってた方。坊主になって光った人。あの時も印象に残ってますが今回もいい感じ。歴史的に重要な人物とはいえ、この大河では主人公・八重+Joeの前に立ちはだかる狸オヤジという役柄なので実にもったいない。しかしこのイヤなオヤジぶりがまた素晴らしいです。新島Joe君と対面していても、食えない男の感じがよく出ててすごくいい。こういう人には純粋なJoe君は全く歯が立たないでしょう。短い場面なのにそんな感じがよく出ててすごいなと思う。
 
2.谷村美月さんー山本時栄

色っぽいですね。以前も書きましたがこの女優さんはお若いのにどうしてあんなに落ち着いているのか不思議1990年生まれで、まだ23歳だそうです。大阪の方で関西弁に慣れているせいなのか自然で、大人だし、母親だし、色っぽくていい女なんですよ。生まれた年を見ても信じられない。本当に上手い女優さんなんだろうと思う。小柄で、丸い顔立ちもどちらかと言えば可愛い感じなのに幼い感じが全くしない。どうしてあんなに落ち着いているんだろう。今回、(問題の)青木さんとのやりとりがありましたが、青木さんが年下に見えるし、時栄さんは既婚の女性=年上のお姉さんに見えるんですよ。なんだか落ち着いていてお母さんみたいにさえ見える。すごいと思う。
 
3.稲森いずみさん=松平照姫

会津戦争の終戦時、みんなを指揮して堂々と大きくて強い女性だった方が、今回本当に小さく見えた。大殿が部屋に入った時、座っている様子が弱々しくてどきっとした。あの小さい感じを演技で出しているんだとしたら本当にすごいと思う。この女優さんは日本髪がよく似合ってとことんお姫様に見える。すごいです。
 
4.綾野剛さん=松平容保

会津編ファンとしては、このお方が出てくると落ち着いていい。話がひきしまる。やっぱり会津の話はこの殿あってのことでしょう。八重ちゃんがいくら京都で頑張ってても、殿にかなわないのはしょうがないと思う。綾野さんも初回の若殿の頃に比べるとずいぶん落ち着きました。この俳優さんははまり役だったと思う。
 
 
俳優さん達はこんな感じ。ちょっと気になった点が一つ。
 
女学校をめぐって八重ちゃんと外国人教師がぶつかる場面。私は全く知らなかったのですが、ネット上で調べてみると、どうやら同志社女学校はアメリカンボードが出資していて、新島襄さんは元々雇われ校長的な立場だったらしい。当時の日本の決まりで、形だけ日本人(新島襄)運営とはしていても、実際にお金を出しているのはアメリカンボード。そのため外国人の宣教師達は学校を彼らの学校だと思っていたらしい。当然彼らは学校経営も支配しようとしたために、日本人教師達とぶつかることになったそう。
 
ドラマでは、八重ちゃんがJoe君のいない間、女学校を外国人の横暴から守ろうとするように描かれていましたが、実際は宣教師達に抵抗すればするほど出資の元がなくなるかも…ということで大変無謀。後で佐久さんが八重ちゃんを諭していましたが、ここは佐久さんが正しい。
 
しかしながら、もめていた場面も、佐久さんが学校を辞める事で収まったように描かれていたのは、現実にはありえないです。現実的な西洋人相手の喧嘩なら、あの場面で佐久さんが一人辞めたからって場が収まるはずがない。彼らにとって佐久さんはあくまでも蚊帳の外。(佐久さんが辞めても)自分達が学校を運営するという主張は一歩も譲らないはずです。

結局最終的にはそのあたりの溝が埋まることはなかったらしい。日本人には誇りがあっただろうし、宣教師達は出資者として当然の主張があった。最初から話が全くかみ合わなかったんですね。このあたりの話は興味深い。