さて結果はいかに…。
ロムニー候補7点対オバマ大統領3点
えー…オバマさん、ちょっと日々の業務に忙しかったんですかね…、ちょっと精彩に欠ける感じでした。ロムニーさんがマシンガンのようにガンガン攻撃をしてくるのを、上手くかわせてませんでした。オバマさんの言ってること、考えてることはすべて現在進行形。国政に問題があっても、現大統領として今はそれを改善するための途中段階なんで、思い切った話が出来ないのはしょうがない。だけど、攻撃されたら自分の主張をはっきりと返さなきゃ。あまり防御出来てない気がした。下ばっかり向いてなんだかモグモグ言ってる感じ。もっと上手くディフェンスしなきゃ…。
比べてロムニー候補は絶好調。この人はとにかく攻め攻め攻めばかり。実は現大統領に対する対抗馬の候補は論が立てやすいんです。今現在と過去4年間を振り返って、上手くいってないことをぜーんぶ現大統領のせいにして論が進められるから。だから割と攻撃がやりやすいんだけど、もともと口が立つ人なんでしょうね。まるでマシンガンのようにあれもだめこれもだめだめだめだめ…だから私に投票しましょう…という感じだった。
今回のガチンコ勝負、旦那Aによると、10点の点取り合戦でロムニー7点対オバマ3点だそう。ロムニーさんの一本勝ち。ひゃーこれは厳しい。今年のように分かりやすい選択の理由がない場合、こういう「どっちが喧嘩が強いのか」で印象が決まってしまう場合も多いのだ。というのも、今年の最大の論点=内政の改善なんて一般人にはさっぱり理解できないんだから。国民に不安が充満している時期だからこそ、ドヤ顔で自己主張をする候補者を頼もしいと思うのもしょうがない。ちょっと危ないんだけどな…。
私は基本的にオバマさんの人としての良心は信頼できると思う。それにオバマさん以前から脈々と存在したアメリカの教育や社会保障などの大問題は、共和党の政策(国民が自由に自分の生活を選べるように政府は過剰な干渉をしない)よりも、民主党の政策(政府が率先して国民全員を率いていこう)のほうが、ずーっと理にかなっていると思う。だからもし私に選挙権があるとしたら、今回もオバマさんに投票するだろうと思う。今のアメリカの問題は短期の表面的な改善よりも、長期的な視点に立った改善が必要。それぐらいもう後が無い状態。オバマさんは(少なくとも)それが解っていると思う。とにかく今彼を追い出すのは今までの4年間を無駄にしてしまうことになりかねない。オバマさんの良心を信じて4年後の結果で評価したいと思う。
一方ロムニーさんは、彼がこの討論会で、一見非常に口の立つ切れ者であることを上手く印象づけたにもかかわらず、実際には具体的な政策の内容を一切言っていないことが気になる。要は、喧嘩が強く、夢や理想を語って威勢ばかりはいいけれど「じゃあ具体的にどうするのよ…」の問いには答えていない感じがした。うーん…。
…ところで、ここで旦那Aが発言。どうも「オバマさんは経済に弱い」らしい。今までの政策を見ても全然経済が解ってないんじゃないか…と思うらしい。その点は経済に詳しいロムニーさんのほうが数段上。そのため金融業界やビジネス業界の人達の間では、オバマさんを疑問視する声も多く、ロムニーさんに期待を寄せる人も少なくないらしい。ただし、今現在で彼にどれほどの実力があるのかはまだ不明だそうだ。
討論の最後でどんな政府にしたいかのそれぞれの言葉は以下の通り
オバマ大統領「私は皆さんの良心を信じている。いろいろな問題(教育、エネルギー、海外外注の問題や国内産業の復興、財政赤字、よりよい社会保障など)はあるけれど、今頑張っている。この国には素晴らしい人々が住んでいる。素晴らしいアメリカなら出来る。どうか私を信じてくれ。」
ロムニー候補「オバマさんなんか選んだら大変ですよ。中流家庭は苦労する。彼は年寄りにもイジワルだし、軍も縮小する。税金の無駄遣いもする。それに比べて私なら、失業問題もちゃんとやる。健康保険問題もやる。州ごとにやろう。老人の健康保険も現状のまま。税金は下げるよ。さあどっちを選ぶ?」
それから最後の締めくくりの言葉を聞かれて
オバマ大統領「まず、安全を保障しましょう。それから全国でまとめて改善したほうがいいこと=教育や医療保険は、国がやりましょう。財政赤字も治しましょう。沢山の先生をやとって子供の教育に力を入れましょう。(現在私がやってることを信じてくれ)」
ロムニー候補「私の作る政府は、皆さんの自由を守るために、前に出ることなく後ろから支える存在でありたい。私達の生活と自由、宗教の自由や幸福の権利を守りましょう。そのためには軍を疎かにはしない。オバマさんは軍を縮小するがとんでもない。私は強いアメリカを守る。私達はみな平等に神様の子供達だ(私:おいおいおい仏教徒はどうするんだ)。みんな夢を追いましょう。政府はそこに口を出すべきではない。過去4年間の失敗はぜーんぶオバマさんのせい…。」
これだけでも、いかにオバマさんが予習をせず、ロムニーさんが(攻撃のための)予習バリバリでやってきたかが分かりますね(私の印象だけど)。なんだかオバマさんが下ばかり見て自信なさげなのに比べて、ロムニーさんは、ハンサムで(長身で顔が長方形に縦に長い黒髪の人は政治家としてうける外見)押しが強くて、そりゃーもう見栄えが良かったです。保守派陣営が涙を流して喜ぶほど上手くやったと思うけれど、私には上手く書かれた台本を読んでるだけに聞こえてしまった。だってまた「強いアメリカ」よ。げげっこの期に及んで何を言っているのよ…。この国にはこんな子供だましの合言葉を言えばすぐ喜ぶ輩が結構いるから困ったもんです。それにしてもオバマさんは、もう少し自分のやってる事に自信を持って国民に解説して欲しかった。
さて、今後このような2人の候補者の「生TVガチンコ勝負」はあと2回。それに、同じく副大統領と副大統領候補の「生TVガチンコ勝負」も1回放送される。さて、これからどうなるのか。まず、次回に予想できるのは「オバマ帝国の大逆襲」でしょう。オバマさん、今回これだけ一方的にやられたら、横っ面を殴られたようなもの。次回はしっかりと目を覚まして、一生懸命予習をしてくるでしょう。もともとは弁護士なんだから弁は立つはず。イイ人なんで喧嘩は得意そうじゃないけれど、なんとか頑張ってもらうしかない。どこまで優雅にロムニーさんの論説に穴を見つけて(結構あるぞ)そこを綺麗に攻撃できるかにかかっているでしょう。次回も見逃せません。
討論会の翌日、夜の人気トークショーは、さっそくこのTV討論会を茶化しまくっていた。それから週末のコメディーショーでも散々オバマさんを笑いものにしていた。皆「オバマさんはいったいどうしたんだ…」みたいな内容で笑っている。こういうのも一般国民を大統領選に参加させるために役に立っていたりする。