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2012年6月17日日曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第24回「清盛の大一番」



面白かったですよ。話の流れもよくこれだけ詰め込んだものだと思うほど。ただしこの面白さは第20回の保元の乱前夜のような面白さではないです。第20回、21回が大河ドラマらしい面白さだったのに比べて今回のは話の流れが面白いということかな…。


まず、ダメ出しから

●とにかく今回またまたボケボケの画面。全部が白とびして俳優の顔も見えない。コーンスターチの量もすごいのだと思うが、とにかくカメラそのものの設定がおかしいのでは。最近はこれほど白ボケした画面も無かったと思うが、また以前に逆戻り? セットなんかすごく綺麗でいいのに、もったいないと思う。

●保元の乱も終わって、おそらく今回は大きな事柄と事柄の間の回なので、話の流れを進めるためだけに早足にまわしたのだろうと思うが、とにかく展開が速い。個人的には初回から欠かさず見ているので、とりあえず何をやっているのかは解るのだが、決して解りやすいとは言えない。録画を2回目に見直したほうがずっと面白かった。

●以前第8回の感想で、この大河ドラマは画面の切り替わりが早すぎて付いて行くのがやっとだと書いたのだが、今回もまた久しぶりにそんな印象を受けた。今回の画面の切り替わりは26回。相撲節会と重盛の婚礼を切り刻んで交互に見せた場面を一つ一つ数えれば全部で32回! 大まかな話の流れも、
1-崇徳上皇の讃岐流し、2-清盛の九州大宰府行き、3-重盛の婚礼、4-信西の清盛を使った野心、5-義朝の苦悩、6-相撲節会、7-後白河天皇の譲位、8-清盛大宰大弐へ…
等など内容がてんこ盛り。これは初めて見る人には解るはずが無いし、ずっと見ている者にも非常に足早すぎる。展開が速すぎてドラマとして面白くない。なんだか箇条書きの歴史年表を見ている感じ。第8回の感想と同じく、感情移入が出来なくて話が史実の表面だけをなぞるように非常に薄っぺらなので、結局なんの印象も残らない。相撲節会と重盛の婚礼を同時進行にする必要性がない。無駄に話しを解り辛くしているだけ。お相撲さんがもったいない。大宰府の話なんて回の半分ぐらい使ってもいいくらいのおもしろい素材だと思うんだけどな…。


画像的なスタイル(白ボケ)は制作の方々に変更する意思が全く無いみたいなので、もうしょうがないのだろうと思う。それに今回の表面をなぞるだけの話の展開も以前に戻ったよう。ようするにこのドラマ、その回その回によって印象が全然違うのが一番の問題ではないか。保元の乱(前夜)であれだけ重厚に話を作り上げたのに、今回はこんなに印象が薄いなんて。全体を通してみるとムラがありすぎてついていけない。うわーっと盛り上がったのに次の回でがっくりなんて、これで見るのを止めてしまってもしょうがない。それで唐突にまたいい回があったりするのだろう。ずーっと見ていれば何回かに1回はいい回があるのだけど、打率が低すぎて結局匙を投げかねない。もったいないです。どうしてなんだろうと思う。


俳優さん達は相変わらず素晴らしいと思う。一番の懸念だった清盛君も大変落ち着いて棟梁としての貫禄が十分に出てきたし、不運な義朝君の心理描写も相変わらずいい(可哀想だ)。後白河天皇の究極のオレ様ぶりも毎回最高。信西の野望と頭脳のバランスも面白い。俳優さん達に関しては本当に素晴らしいと思う。今の私はそれぞれの人物を演じる俳優・女優さん達を見たくて見ている状態。だからこそ演出や編集で彼らの良さが消されてしまうのは非常にもったいない。

歴史的な素材としては(私が平安末期をよく知らないので)非常に面白いです。今回も内容は非常に面白かった。毎回いろんな事を学んでいる。それがすごく楽しい。初回から見てもう20数回分の話の積み重ねがあるので、最近ますます面白くなってきたと思う。これこそが大河ドラマの醍醐味。だからいまさら簡単に視聴を脱落するつもりも無い。少なくとも過去何年かの大河ドラマよりずーっと面白い。今後もずっと見続けると思うが、それにしてもドラマとして「もっとこうすればいいのにな…」とか「どうしてこうなんだろう」などといろいろと不満がたまるのも事実。もっと面白くなるはずなのに。

ともかくこの大河ドラマはいろんな意味でムラがあります。なので今回は拍手喝采は出来ないのだけど、またいい回が来ると思うので今後に期待したい。それにしても今回の清盛君はほんとによく成長しました。


追記;今知ったのだけど、長男重盛のお嫁さんはなんとAKB48の高橋愛さんという方だそうだ。ほーアイドルは眉毛が無くてもすごく可愛いのね。若い女の子が出ると華があっていい。