能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2017年10月10日火曜日

LIVE★Tommy Emmanuel/トミー・エマニュエル Live!! -7 Oct 2017




Classical Gas [Mason Williams] | Songs | 

Daytripper / Lady Madonna (The Beatles) | Songs |

キレッキレよ 痺れる




行ってきました!

このお方を今回見に行った理由はただひとつ…大昔、たぶん20年ぐらい前にこのお方のライブをロンドンで1度だけ拝見したから。場所はSouthbank Centreの小さいホールだったと思う。当時の友人に連れられて見に行って、ライブの後でステージから降りてきたトミーさんとちょっとだけお話もした。とてもフレンドリーで気さくな方だったと思う。当時のトミーさんの髪はダークだった。

普段からロック寄りの好みなので、アコースティック・ギターにはそれほど馴染みがなかったのだけれど、初めてトミーさんを見た時に「すごいお方だな」と思ったのは記憶している。…しかしながら凄かったことは覚えていても彼の「音楽」はあまり覚えていなかった。もう一回見にいこう。拝みに行こう。

いやー…パワフルでした。

楽器は(専門的になんて呼ぶのかわからないけど)電気の通ったアコースティック・ギターだけ。ステージ上はトミーさんがお一人。3本のギターを取り替えながら、大変元気のいいライブをなさる。

キレッキレ
キレるキレるきれっきれっ斬れ斬れ男一匹ギター侍!
ふわーかっこいい。


最初は黙々とただただギターを演奏なさる。1曲目から元気がいい曲。ステージから少し離れた場所で見ていたのだけれど、まず音の綺麗さ、クリアさに驚く。1曲目2曲目と元気のいい曲で、3曲目か4曲目あたりからビートルズメドレー…それが止まることなく暫く続く。ビートルズのメドレーが終わったのが開演から20分ごろ。それまでMCはなし。

このライブのスタートのセットは、おそらくアコースティック・ギターで演者一人という(比較的穏やかな)セッティングで、観客の目と耳をまず惹きつけるため意図的なものなんだろうと思います。最初の30分ぐらいでノリのいいアップテンポの曲と、馴染みの深いビートルズの曲をやってお客の心をがっちりと摑む。いったん心を奪われたら観客はどんな曲も真剣に聴き入ってしまう。セット作りの技なんだろうと思います。

様々なリズムの曲を演奏なさるのに、ペースがしっかりと安定しているのも凄い。過去に見たギターのソロのライブでは、アマも(時には)プロでさえも、曲中に(ダレや勢いで)時々ペースが微妙に変わることに気付く事があったのだけれど、このお方はお一人なのにリズムがヨレることがない。しっかりと安定したリズムをキープ。どんなに複雑なフレーズでもリズムが安定しているから、アコギ一本なのにロックバンドのようにノリが気持ちよくて身体が揺れる。これ、実は何にも増してこのお方の一番凄いところなのではないかと思った。

ビートルズのあとには穏やかな美しい曲。1014連の音が連なってハープのように聞こえる綺麗な曲。そのあたりからMCでたびたびお話をなさるようになる。

ジョージ・ハリスンの「While My Guitar Gently Weeps」。バート・バカラック/カーペンターズの「Close To You」。数曲の早い曲。違う曲2曲を同時進行で演奏して1曲として成り立たせてしまう職人芸の曲。すごいです。

それから師匠チェット・アトキンス/Chet Atkins氏との逸話と彼の曲のメドレー。このメドレーが終わった頃に会場中観客全員が立ち上がる。大きな歓声と拍手。いつものことだけれどお客さんのノリがよくていい。

アンコールはジョン・レノンの「Imagine」。曲中の「ふっふーうぅ←オットこれは「ゆっうーうぅだそうだ…シランカッタ😅」の後トミーさんに促されて会場中で合唱。この曲は覚えておくとなにかと便利な洋楽No.1。イマジンをみんなで一緒に歌ってライブは終了。


トミーさんも楽しそうでした。皆に向って「いい観客だね」などと言ってくださる。2回目に会場中で立ち上がった時、拍手に合わせて「イチニ、イチニ…」と2拍づつ左右に身体を揺すって手を叩きながら踊っていたら、トミーさんが(どうやら)こちらに気付いて下さって合わせてギターをトントントントンと叩いて下さったぞギャー!!!!!!! ほんとかね…思い違いかもしれないけれど…でもいいやうれしいぞ キャートミーさん踊ります踊ります拍手でも何でも海亀踊って応援イタシマス…いい思い出ができたワヘヘ。

トミーさんがかっこよくて、安定したリズムも、技がキレキレでノリがいいのも気持ちいい。とても楽しかったです。ギター1本でお一人なのにロックバンドのように観客を沸かせる

男一匹ギター侍
…くーかっこいい
 
トミーさん来て下さって有り難うございますLove Love Love
😍😊😍😊😍Thank you


2017年10月5日木曜日

フランスの俳優の色気について考える




Olivier Gourmet

映画『ルージュの手紙/Sage femmeThe Midwife』の感想を書いたついでにもうひとつ。フランスの俳優のルックスに関してひとこと言わせてくれ。ずいぶん前から気になってたこと。




フランスの俳優さん達って、
どうしてあんなに個性的なルックスのおっさんが多いの?


いやいや文句じゃないんです。いいんです。皆さん素敵なんです。しかしフランスの俳優さん達は、皆さん「あれれ」と思うほど個性的なお顔の方が多い。どうしてなの?

国民的俳優ジェラール・ドパルデューも癖のあり過ぎるお顔でしょう? 近年ならロマン・デュリス…一見かっこいいのに口元が個性的で笑うとおっさん。この映画のオリヴィエ・グルメさんも…何処から連れてきたのよこのおっさん?…と思った。ジャン・レノ?ヴァンサン・カッセル?皆さん癖がありますよねぇ。

それなのに映画で見ているとどの俳優さんも素敵に見えてくるから不思議。この映画のオリヴィエさんも、主人公のクレールさんのことが大好きで、部屋に入ったところでチュッチュッチュッチュとチューをするところはなかなか可愛い。一緒にいると楽しそうだ。


もちろんフランスにはお顔の綺麗な俳優さんもいるんです。若い頃のアラン・ドロンは言うまでもなし。近年では(1作品しか見てないけれど)ギャスパー・ウリエルも綺麗。30年前のランベール・ウィルソンもよかったですねぇ。もっと大昔にはジェラール・フィリップなんていうお方もいました。

しかしなんだかね…フランス映画ではただ綺麗なお顔の俳優さんというのはどうも安っぽく見えてしまうんですよ。不思議。どうしてでしょう。フランスでは綺麗なお顔の俳優さんはあまりありがたがられないんだろうか?

実は若い頃に綺麗だった人…ランベール・ウィルソンも、年取ってからはちょっと変な癖の強いおじさんになってるんですよね。決して整形で若さを保ったりはしていない。年を取って皺が増えた方が味が出て良くなっている。


フランスの俳優さん達に個性的な外見の方が多い理由は、おそらくフランスの女性達が綺麗なだけの男性を求めないからなんですよね。ポイントは色気

…人の色気とは必ずしも美しいからあるというものではない。

 
例えば男性でも女性でも綺麗なモデルさんにはまったく色気を感じなかったりする。左右対称完璧に整った美しい人というのにはあまり色気がないものなんですよ。年を取ればよくわかる。人は他人の外見のちょっと変なところ、ちょっと妙なところに色気を見出すものなのかもしれない。
 
…ちょっと鼻が大きすぎたり、ちょっと頬が緩んでいたり、左右非対称だったり、目が大きすぎたり小さすぎたり、口が大きすぎたり、歯が出ていたり、髪が薄くなっていたり、髭が濃過ぎたり、眉毛が太過ぎたり、頬に傷痕があったり…(もちろん好みはさまざまではあるけれど)

人は不完全なものに生々しい色気を見出すものなのかもしれないと思う。そういうのをフランスの女性達はよくわかってるのだろうと思う。男性の魅力は特にそうですね。ジェラール・ドパルデューさんなんて相当癖が強いお顔。だけど彼はフランスの国民的大スターでしょ。モテモテでしょう?

おもしろいですよね。どうしてでしょうね。そういえばアメリカの整ったお顔の俳優さん達には、フランスの俳優さん達のような強烈は色気をあまり感じないです。

…人は不完全さに色気を見出す

ちょっと思いついたので書き留めておこう。

この映画のオリヴィエ・グルメさんは強烈な色気のある俳優さんだと思います。この映画『ルージュの手紙/Sage femmeThe Midwife』の穏やかなトラック・ドライバーはいい感じのキャラ。全く好きなお顔じゃないのに不思議。…しかし私は近年どの俳優さんが好きなのだろう。

 
 
 

映画『ルージュの手紙/Sage femme/The Midwife』(2017):春の突風おばちゃん








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Sage femme2017年)/仏/カラー
117分/監督:Martin Provost
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 1ヶ月程前(だったかな)に見た映画。忘れないうちに感想を書いておこう。映画を映画館で見るのは久しぶり。もちろんカトリーヌ・ドヌーヴ様を見に行く

日本では映画祭で公開されたそうだ。一般公開は年末らしい。

主人公はパリ郊外に住む優秀な助産婦クレール。真面目な女性です。学生の息子さんが一人。シングル。

その彼女のもとに父親の昔の愛人ベアトリスから突然の電話。彼女とはもう30年間会っていない…「大切な話があるの」。30年ぶりに会うことになった父の娘と父の愛人…決して穏やかな関係ではない。


主人公クレール(カトリーヌ・フロ)は真面目。苦しいほどに真面目。地味。化粧っ気も無い。週末は小さな菜園で野菜を育てる。実は父親と別れた実の母も真面目で厳しい母親だったらしい。クレールは実の母に似ているのかもしれない。真面目で誠実。しかし堅苦しい。

一方、父の昔の愛人ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)は派手なおばちゃん。お酒とお肉とタバコとギャブルを好む派手なおばちゃん。きっと男も好きなのよね。派手なドレスに濃いメイク。自由。自分勝手。それでも人生を楽しむ達人。陽気で歌を歌うことが好き。

この二人…全く正反対。さてどうなる?


佳作です。いい話。フランスの映画はこういう小作品でもちょっと考えさせられる人生哲学を含むのがいい。

人はどう生きるべきか…? 「…べきか?」なんていうものでもないんだろうなぁ。しかしこの映画のメッセージは明確。

真面目で誠実…しかしちょっと笑顔の少ない地味な中年の女性クレールの心が、型破りで自由な派手派手おばちゃんの突然の登場によって少しずつ少しずつ柔らかく溶けていく話です。


★ネタバレ注意

(追加と訂正:両親の離婚はベアトリスとは関係ないらしいので訂正しました…実はよく覚えていない。それよりもクレールの父親の話があまりにも深刻なので話の辻褄があうのかと疑問に思い始めてしまった。許せるものなの?)


ぶっちゃけ二人の関係を簡単にまとめると…

春の突風のように突然やってきた派手なおばちゃんベアトリスは、クレールの父親の昔の愛人。子供の頃に一時期だけ一緒に暮らしたパパのガールフレンドの綺麗なお姉さん。ところがある日突然、ベアトリスはパパとクレールを捨てて突然出て行ってしまう。パパは傷ついた。それから30年も経った…。

ベアトリスとは、クレールのパパを酷く傷つけ、家庭を引き裂いた女。クレールにとっては許しがたい敵なのよ。

だからそんな女が30年間も全く連絡してこなかったのに突然電話してきて「会いたい。助けてよ」と言ってきても、そんなの関係ねーよって話なんです。そりゃそうだわ。


ところがベアトリスは重い病気にかかっているという。そして身寄りもなく独り者。そこで昔の(仮の)家族…クレールに電話をしてきたというわけです。

クレールは優秀な助産婦さん。日々女性達を救い助ける職業に就いている。そんなクレールも最初は突然現れたベアトリスに憤っていたのだけれど、彼女の病状を知って彼女を放ってはおけない…クレールは優しい女性なんです。

すごーく迷惑な人なのに…昔パパを酷く傷つけた人なのに…家庭を引き裂いた人なのに…30年間も全く連絡してこなかったのに…もう自分には全く関係のない人なのに…、クレールはベアトリスを放っておけない。一緒に時間を過ごすにつれてゆっくりと二人の間の氷が溶け始める。


ベアトリスは一緒にいれば楽しい女性。あれから30年も経った。クレールも大人…49歳。過去の思い出は悲しいものだけれど、今大人になって知るベアトリスは確かに魅力的な女性

恋を謳歌し、歌を歌い、お酒と美味しい食事を楽しみ、ギャンブルを楽しみ…ベアトリスは人生の楽しみ方をよく知っている。クレールの父親もそんなベアトリスの陽気な性格に惹かれたのに違いない。


ベアトリスが現れたのと同じ頃、クレールにも恋人が出来る。借りた畑の隣の男。同世代。もっさりとした地味な外見のトラック・ドライバー。…実は彼も恋とワインと食事を楽しみ歌を歌う…人生の楽しみ方を知る愛情深い素敵な男性だった。

このもっさりとしたボーイフレンドがなかなかいい。美男じゃないんだけれどちょっといい。普通の地味な男…だけどきっとこの人と一緒に過ごす時間は楽しいはずだ。

冷たく堅苦しかったクレールの日常に温かい風が流れ始める。


春の突風のようにやってきたベアトリスおばちゃんは、クレールの冷たい日々に春風を吹き込みいろんなものを吹き飛ばし、ぽかぽかと暖かい春をつれてくる。そしてある日また突然去っていく。

ちょっといい話なんですよね。ベアトリスおばちゃんは春の妖精のようだわ。カトリーヌ・ドヌーヴ様がステキです。

フランスの映画には、人生の美学や哲学を感じることが多い。人は何のために生まれてきたのか? 人生とは楽しむ為にあるのではないか。人生とは、美味しい食べ物とワインと恋と歌と美しいものを楽しむ為にある。人生は短し。いいですねぇ…ちょっといい話だと思うわ。

 

2017年10月2日月曜日

犬さん達と知り合った話



日記的なものはあまり書かないつもりなのだけれど、嬉しかったので記録しておこう。

***

入り口が大通りに面していないので今まで行かなかった近所の公園に初めて出かけてみることにした。高台にあるその場所から夕暮れ時の海を見ようと思った。
 
階段をのぼって公園に入ると、ちょっと向こうに白い犬がいた。こちらを見ている。じーっと見ている。大きな犬だ。白い顔に黒い目がボタンのように2つ。可愛い顔。大型のプードルだろうか。
 
腰の辺りでパーに開いた手を振って小さく「ハロー」と言ってみた。白い犬ははっとしたようにうなずき、ゆっくりとこちらに向って歩き始めた。
 
周りにはいつの間にか3頭ほどの大きな犬達が騒いでいる。わらわらと駆け寄ってきてこちらの腿のあたりを嗅ぎ回り、撫でようと伸ばした手に濡れた鼻を付けてへらへらはぁはぁと動き回る。ずいぶん元気がいい。
 
どの犬も前を歩く旦那Aを先に取り囲む。彼にわらわらと挨拶をした後ですぐにこちらにもやってきてまた同じようへらへらはぁはぁと周りを取り囲む。全身がくるくるのカールに覆われた白い犬もやってきた。他の犬に混じってこちらを嗅ぎ回り尻尾を振ってへらへら笑っている。
 
白い犬の背の高さはこちらの腿くらい。カールに覆われた背中もとても長い。その背中がこちらの腿の前面にぴたりと寄り添って動かなくなった。道をふさぐように脇腹をこちらの腿の前面に寄せてじっとしている。じーっと立っている。あれれ。
 
ほかの犬達はいつのまにかあちらに走っていった。旦那Aもいなくなった。

白い犬はじっと動かない。こちらの両腿にピタリと身体を寄せてじーっとしている。ふわふわのカールに覆われた後頭部が誘っているので、おそるおそる頭を撫でる。掌を顔の横に回し犬の頬から顎に手を伸ばしてさわさわと撫でてみた。犬はやっぱりじっとしている。

そろそろ行こうかな…と一歩後ろへ下がり体の向きを変えようとしたら、白い犬は顔を上げ首と頭をうねうねとくねらせてこちらのお腹に頬を摺り寄せてきた。そして少し身体をずらしてまたこちらの両腿にピタリと脇腹を寄せてくる。またじーっと立っている。

頭を撫で、背中を撫で、両手で頬の毛を持ち上げ、手を伸ばしてふわふわの顎の下を撫でる。なんだか私好かれてるんだろうか。可愛いね。この子は大きいけれどなんだか優しい。

23度と身体の向きを変えても同じように犬さんに前方をブロックされるので、しばらく犬さんを撫でて立ち止まっていたら、飼い主のおじいさんがゆっくりとやってきた「そろそろ帰ろうか…」。「女の子ですか?」と聞くと「うん…シニアなんだけどね。」「可愛いですね…」少し会話をする。白い犬さんはそれでもこちらにピタリとくっついて離れない。うわーなんだかすごく可愛い。

おじいさんがすぐ近くに来たところで犬さんはやっと離れてくれた。これからお家に帰るそうだ。「バイバイ」と犬さんの背中を撫でて別れる。


どうやらこの公園は、この近所に住む人々が夕暮れ時に犬を連れてくる場所になっているらしい。見回すと大中全部で6頭ほどの犬が自由に走り回っている。元々ドッグパークではないのだけれど近隣の愛犬家の間でいつの間にかそういう風に使われるようになったものらしい。4人の飼い主さん達がこちらのベンチに集まって雑談をしている。軽く挨拶をする。

見回すと旦那Aが遠くのベンチに座っていた。2頭の犬が周りを走り回っている。

そちらに向うと2頭の犬が全速力でこちらに走ってきた。白に茶のブチの色素の薄い犬…鼻はピンクで目の色も薄い…赤白のアイリッシュ・セッターだろうか。そしてがっしりとした茶色の犬…ピットブルの雑種だろう。それぞれハッピーで元気がいい。

先ほどの白い犬はおばあちゃんで優しい物腰だったが、この2頭はまだ若い。はちきれんばかりに元気がいい。へらへらはぁはぁへらへらと寄ってきて所構わず嗅ぎ回りまわりをぐるぐると動き回る。背中に触るとがっしりと固い。パーンと弾き返されそうなくらい身体に力が漲る。わらわらわらわらと常に動き回っているのでゆっくりと頭を撫でることもままならぬ。

圧倒的に元気がいい。元気元気元気。ぱたぱたと気ぜわしく尻尾を振り、高速で動き回って所構わず嗅ぎ回り、走り去ってはまた全速力で賭け戻ってくる。すごいな。犬さんは元気がいい。


猫は柔らかい。触ればフワフワの毛。身体もふにゃふにゃと柔らかい。胸の下に手を入れて持ち上げれば溶けるように身体が掌に吸いつく。その柔らかさが何とも言えずかわいくて、思わず鼻や頬を寄せる。ふんわりといい匂いがする。

しかし犬は激しい。元気がいい。びっくりするぐらい元気がいい。身体も固く筋肉が張り詰めている。まともにぶつかったら23メートルは弾き飛ばされそうだ。

それに大きい。遠くから見ればスリムで上品に見える犬も、目の前で見るととても大きい。胴周りは私と同じくらいあるのだろうか。重そうだ。持ち上げるのも難しいのかも。犬さんはがっちり大きい生き物なのね。

わらわらと動き回り、追いかけっこをし、草に顔面ダイブをして頬をすりすりしながら転げまわる。急に立ち止まっておしっこをしたり所構わずウンウンを落としていったりする 😭 おぉ…困ったね…いろいろとびっくりさせられる。

犬さん達はその後も公園中を走り回って好き勝手、自由にわらわら遊んでいた。新しい犬がやってくると、全員で取り囲んでお尻の匂いを嗅いで挨拶。すぐに馴染んで一緒に走り始める。友達になるのも早いらしい。犬は猫ほど気難しくないのだろう。

先ほどの白に茶ぶちの犬とピットブルの雑種犬は、時々こちらに様子を見に来てへらへらはぁはぁ言ってはまた走り去っていく。陽気な生き物だ。

山の陰にお日様が沈んだので家に帰ることにした。立ち上がると犬さんたちはまたわらわらと走り寄ってきた。皆の頭や背中に触ってお別れ。飼い主さんたちに軽く挨拶をして車に乗り込む。

この公園は楽しいかも。また夕暮れ時に見にこよう。夕日と犬さん達を見にこよう。