能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2015年2月9日月曜日

BABYMETAL:2015年度WORLD TOURの日程第1弾・発表



海亀はここ数日風邪をひいて頭が働かない日々が続いておりますゴフゴフコンコン…。ぼーっとしていたらBABYMETALちゃんの新しいニュース発表。今年も海外でツアー!うわーすごいー。


強面イメージが超可愛い

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59()メキシコ・メキシコシティー Circo Volador
512()カナダ・トロント Danforth Music Hall
514()アメリカ・シカゴ House of Blues
516()アメリカ・コロンバスRock on the Range
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524()日本・東京新木場若洲公園
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015
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529()31()ドイツ・ニュルンベルクDER RING - Grune Holle Rock
529()31()ドイツ・ミュンヘンROCKAVARIA
64()6()オーストリア・ウィーンROCK IN VIENNA
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621()日本・千葉幕張メッセ 展示ホール13
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↑青い文字はフェス。まず南北米大陸で4ヶ所。コロンバスではフェス。その後日本でフェス。そして5月末から欧州3箇所でフェス。そして6月末に日本でワンマン。

この発表は第1弾とあるので、また追加で発表があるんでしょうか。もしあるとしたら欧州でロンドンやフランスあたりでワンマンか?それとももっと先なのか?

それにしてもハードです。頑張るなぁ。皆様…女の子達もバンドの方々もスタッフの皆様も本当にお身体に気をつけて。

このブログでは2013年の夏に「BABYMETALは世界に行けます」というエントリーを最初に書いて、当時はお気楽に「このバンド面白いよなぁ」などと思っていただけなのですが、あれから1年半、BABYMETALさんは本当に大きくなりました。このブログも以前は 海外に行くならこうしろああしろ…とうだうだ書いていましたが、もう何も心配はいらない…いや正直大きくなりすぎて、メキシコやドイツやオーストリアがどんな様子なのか見当もつかない。すごいです。このままどんどん突き進んでいけるところまでいくんだろうと思います。怖いものなし。スタッフさんの攻めも本気。本当にすごいです。

どうか皆様お身体に気をつけて。特に女の子達には無理のないように。皆様にとって海外遠征がまた楽しく素晴らしい経験でありますように。応援しております。


2015年2月6日金曜日

お猫様H:顔面マッサージ





黒猫は可愛い写真を撮るのが非常に難しい。何も考えずに撮ると、黒い塊に目が2個だけ…とかそんな写真ばかり撮れる。しょうがないので顔を接写すると、今度は画面の真ん中…鼻ばかりが大きく写ってどうもいけない。

おまけにうちのお猫様はどうもカメラが嫌いらしい。銀色の四角い箱からにゅっとレンズが出てくるのが気持ち悪いんだろうか。小さいときは素直にカメラ目線をしてくれたのに、最近はカメラを向けると俯いたり、目を半分閉じたり、あっちの方向を向くようになった。カメラや写真なんて意味もわからないだろうに反応は写真が嫌いな人間と同じ。どうしてだろう?

カメラに比べるとスマホは写真が撮りやすい。ただの黒い板なのであまり違和感はないらしい。今回の写真も私が彼女の顔を触っているところを旦那Aに撮ってもらった。

お猫様Hは小顔。身体ばかり大きくなったが顔は今も小さい。写真によって子猫みたいに可愛くなったり、変顔になったり、大型の猫みたいに堂々としたり、顔が変わって見えるのが面白い。

猫と暮らす人は皆「うちの子が一番可愛い」と思うらしい。
私もそう思います


2015年2月3日火曜日

空想委員会 - 春恋、覚醒 (2015)



これはとてもいい曲。



空想委員会 - 春恋、覚醒 (2015)
画面の中のWatch on YouTubeをクリックしてください

空想委員会 Major 1st EP
『空想片恋枕草子』2015.1.21発売!


録画していたNHK – Music Japanに出てきたバンド。

今の日本のバンドを知る機会はほとんどないんだけど、時々聴こえてくる音を聴く限り今の日本のバンドは全体のレベルがとても高いんじゃないかと思う。日本で今もバンドの文化が元気なのはとても嬉しい。

断言は出来ないんだけど、米ビルボードのロック・チャートなんかを見てもアメリカのバンド文化はほとんど終わってるみたいで、また英国も面白いバンドは先祖返りしたような音。今の西洋にはただ単純に素直にいい曲をやるいいバンドっていうのがあまりいないのかも。人気のDJにプロデュースされた上手いボーカルとか、出来上がった大スターの方が元気で、西洋のバンド文化にはあまり勢いがない。

日本はかれこれ25年くらい前にバンドブームがあって、当時は私も「イカ天」のバンドなんか見に行ってたけど、あの頃にバンドをやってた人達は今は皆中年のお父さんやお母さんなはず。…ということは彼らのお子さん達の世代が今のバンド文化を支えているわけで…もう時代が一回り以上してるんですよね。もうバンドをやって2世代目、いやそれ以上にもっと前の世代のことを考えればバンドをやってもう3世代目の人達もいるのかも…。そりゃー皆上手いに決まってる。日本のバンドの文化って完全に成熟してるんですよね。だから皆巧み。どうりで皆上手いはず。


この空想委員会さんは、ざっとネットで調べたけど年齢がわからなくて、はてさて「イカ天」世代のお子さんと言えるほどお若い方々なのかどうかもわからないのですが、いいバンドです。瑞々しく元気のいい音もいいし、この曲は特に詩がいい。ドキドキしてるんだな。可愛いですね。

なんかこういう若い男の子が女の子に対してドキドキしてる様子って本当に可愛いと思う。私が年を取ったということだな…。ほんとにおいくつなんだろう。このビデオの三浦さん、肌がツルツルだもの…。


バンドの音がいい。高音の綺麗なギターにゴリゴリしたベースのメロディもいい。この曲は「毎朝、読んでる、本は…」の辺りからのベースがすごくいい。他の曲も「波動砲ガールフレンド」「純愛、故に性悪説」なんてすごくいい。ちょっと昔のイギリスのバンドの音に似ている。切ないメロディに空間のある生な楽器の音がいい。綺麗だ。ボーカルもくせのない真っ直ぐな心地いい声。
 
名前も空想委員会なんて面白いな。いろいろとセンスもいい。「大歌の改新」なんて面白いし、新しいミニアルバムのセンスもいい。

なんだかいろいろといい。
 
ところでこのバンドの方々はPerfumeがお好きだそうです。わー握手できればよかったのにね。次回に期待。


2015年2月2日月曜日

ケイティ・ペリーちゃんのスーパーボウル(2015)ハーフタイムショー!



米国の昨日21日・日曜日はスーパーボウルの日。アメフトは全く見ないけどハーフタイムショーは毎年必ず見る。今年もすごかったです。演出がものすごく派手。主役はケイティ・ペリーちゃん。とにかくお金がかかってます。

 
数多くの風船で描いたペプシマーク(スポンサー)を割り、シルバーの巨大な虎の背に乗ってセンターステージに向かいながら「Roar」を熱唱。その後真ん中の円形の舞台でダンサー達と踊り歌う。平面のシンプルな舞台に映した映像での演出が素晴らしい。白黒チェッカーの床が上下に動き斜めに傾く。その後床の映像は立体の柱になって上下に動き、真ん中の四角いステージを残して全体がぐるぐる回り始める。(←この映像のアイデアが本当に素晴らしい)

そこから移動してレニー・クラビッツの待つサイドステージへ。火の吹き上がる派手派手のステージ演出で歌うと、真ん中のステージは海に囲まれた砂浜の島に早変わり(これも映像)。ここで衣装替え。島のビーチでサメやビーチボール、水着のダンサー達と歌い踊る。

それが終ったらサイドステージからミッシー・エリオットさん登場。床の映像は派手なグラフィティに変わる。ミッシーさんと共演。ミッシーさんがダンサー達ともう1曲やった後はケイティちゃんがステージの真ん中から宙に浮き上がって飛行しながら「Firework」を歌う。会場内には星が踊り、床には花火の映像。外もスタジアムを囲んで大量の打ち上げ花火。使用した衣装は4つ。ケイティちゃん輝いてました。

↑これ全てをやるのにおよそ13分。

 
とことんお金をかけるアメリカのエンタメは本当に面白い。最初のシルバーの虎だって、床に映す映像だって本当に豪華。ケイティちゃんが飛行中はスタジアムの外にも花火がガンガン上がる。この13分だけでいくら使ったのか、どれぐらいの人々が関わっているのか、どれぐらいの時間で準備をしたのか知りたい。
 
スーパーボウルのハーフタイムショーは毎年本当に楽しい。たぶん世界で一番贅沢な13分。楽しかったです。


2015年1月29日木曜日

NHK BSプレミアムドラマ『昨日のカレー、明日のパン』全7回



今日録画を見終わった。なんだかとても可愛かった。ほのぼの…。

最初の数回は、雰囲気はかわいいのにどうも暗くてちと薄気味悪く、微妙にホラーかとさえ思ったんだけど、みんな色々と抱えてる話なんであーそういう話か…と。ちょっと不思議。それでも毎回少しずつ明るくなって人物達にも馴染んできた。

最初は若い女の子なのに幸せを拒否してるし、骨を持ち歩いてるし(!)、途中で首の傷とか幽霊が見えたり…なんだこれヘビーなの?…という感じだったんだけど、それでも登場人物達が穏やかなのでなんとなく見続けた。優しい言葉は1回目からありましたね…そういえば。

最終回はみんなそれぞれ幸せになった。みんなすごく可愛かった。
おとぎ話なのかな。しかし骨を持つってすごいな…。
最後はみんなよかったですね。
かる~く見始めたのにほんのりと温かくなった。

仲里依紗さんはすごく可愛い。ちょっと前に「きょうは会社休みます」で綾瀬さんの同僚をやってて可愛いな…と思ったんだけど、このドラマでは主演。表情が豊かですね。泣きながらご飯を食べるところなんて、はっとするくらい可愛い。ドキッとした。


2015年1月27日火曜日

映画『エクソダス:神と王/Exodus: Gods and Kings』(2014):伝説ロマンは楽しくなくちゃね




 

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Exodus: Gods and Kings2014年)/米/カラー
150分/監督:Ridley Scott
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「グラディエーター」「キングダム・オブ・ヘブン」等、歴史物のエピック映画で有名なリドリー・スコット監督の最新作。…だって「グラディエーター」の監督ですもの。そりゃー見に行かなくっちゃ。こういう大袈裟な話大好き…で去年の終わり頃に見に行った

行く前の期待は半々。まずリドリー先生ならやってくれる…という期待。しかしながらお話は、あの有名なハリウッド映画「十戒」(1956年)それにアニメーションの「プリンス・オブ・エジプト」(1998年)と同じく旧約聖書からの出エジプト記=Exodus。要はあの超超超有名な「十戒」のリメイク。うわー勝てる気がしない…。いや…リドリー先生だもの彼ならやってくれるはず…というわけで期待と不安を胸に映画館へと向う。

「十戒」なんて…チャールストン・ヘストンのモーゼにユル・ブリンナーのラムセスなんて、真っ向から喧嘩する相手じゃないですよ。あまりにも大きすぎる。勝てる気がしない。なぜこの題材を選んだのよリドリー先生?なぜこれをやろうと思った?「十戒」と喧嘩をする前に、そもそもなぜあれほど有名な話をまた再度リメイクするのだ…?何故だ何故だ何故だ?

というわけで見た結果…。


ネタバレ注意

CG、スペシャル・エフェクトが面白かった。巨大なワニが踊ったり、ハエがわんわん押し寄せたり、カエルにイナゴ、赤い川、紅海はチャールストン・ヘストンがミラクルを起こしたようには割れなくて大きな津波。エジプトの街の様子も素晴らしい…昔やったPCゲームのPharaohを思い出してニヤニヤ。エジプト勢の二輪戦車が岸壁を走るのもかっこよかった。ビジュアル的には面白かったです。さすがリドリー先生。

しかしだ…それ以外で「十戒」に勝てたところがあるのか?…うーん…。


どうも映画としてすっきりしない。満足感も薄い。何故だろう…?なんだろうなぁ…どうも私はクリスチャン・ベールの悩みの多いモーゼに納得できなかった。だって…モーゼさんてもっと万民を有無を言わさず惹きつけるだけの超絶カリスマなスーパーヒーローなんじゃないの?それにラムセスさんだってもう少しまともでもいいんではないか…。

考えが上手くまとまらなかったので早速批評サイトに行ってみる。全体に評価がとても低い。Rotten Tomatoesなんて100点満点の28点!オイーッそんなに酷いのか(笑)そんなわけでプロの批評家の方々も満足できなかったらしい。


たしかに「十戒」と比べても最初からずいぶん内容が抜けている。モーゼとラムセスが一緒に育てられたのはいいとして、なぜそこまで憎み合ってしまったのか。モーゼは一人砂漠を彷徨う間に何を思ったのか。なぜ人々はモーゼを信じることができたのか…。かなり脚本が不親切。編集も粗い。人物達が魅力的に見えてこない。

出来の悪いラムセスがモーゼを嫌うのは優秀なモーゼへの嫉妬?。モーゼはモーゼで自分の使命を神様に告げられたのに、なんだかうんうん唸っているばかり。二人とも小物の普通の人々。


問題はきっとそこなんですね。リドリー監督がやりたかったのは、普通の人物達で描くリアルな出エジプト記。モーゼはミラクルを起こす超人ではなく悩み多き普通の人。エジプトの王様も小物で一緒に育った優秀なモーゼに嫉妬ばかりしてる。二人ともあまり頭が良くなさそうだ。神様も突然空から声が聞こえてくるわけではなく、なんだかロンドンの郊外にいそうな坊主頭の不機嫌な中学生(?)。紅海は超人モーゼが杖を振って割るものではなく大きな津波の前の引き潮…モーゼが寝てる間に自然に起こってしまった…なんだがっかり。

別にいいんですよ…モーゼが超人でなくても。普通の人でもいいんです。でもそれならそれで普通の人=モーゼがなぜ数十万の人々を率いるほどの力を持ったのか、それなりの説得力がなければ観客は納得できない。

ミラクルに溢れる聖書物語を無理にでも現実的にとらえるのであれば、この出エジプト記だってもっと現実的に考えてもいい。例えばユダヤ人は奴隷の身ではあるものの、それまでエジプトに数百年間も住んでいたわけで、住み慣れた場所を急に離れることはかなり怖いことだったはず。だって一か八かの賭けですもん。成功するかどうかもわからない。怖いのはエジプト軍だけじゃない。旅の途中に砂漠で餓死するかもしれない。そもそも行った事もない故郷なんてどんなところかもわからない。そんな状態で数十万人の人々がたった1人の人物に希望を託し迷わずついていくためには、その人物に何か特別なもの、信じられる確かな理由がなければいけないはず。例えば「十戒」のモーゼのような絶対的なカリスマとか、結局はミラクルを起こすとか…。なのにあのクリスチャン・ベール=モーゼは普通の人。神様との関係もよそよそしく全然頼りにならなそう。まずいでしょうそれは…。

リアルな人物像で描こうとした伝説の巨人たちはどうもスケールが小さくなりすぎて、結局それが話の大きさに合わなかったという印象。せっかくあれだけのイメージを作ったのに、肝心の内容が雑。人物達も心を寄せられるほど魅力的でもない。

結局大昔の「十戒」が嘘っぽくてもいろいろと楽しかったのにくらべて、このリメイクは、映像は素晴らしいのに内容に深みが無く、ドラマも人物描写も薄っぺらで、全体に映画としての面白味がほとんど無いことが一番の問題だろうと思う。もう少し人物達に踏み込んで魅力的にしてもよかったのに。

ただしリドリー・スコット印のスペシャル・エフェクトは健在。大袈裟なCGを見ておおと思うためならこの映画は十分に楽しめる。リドリー監督は結局大掛かりなアクション映画の監督なんですね。それだけは間違いない。


やっぱり大昔のこういうLegend話は大袈裟だからこそ面白いんだな。伝説ですもん。やっぱミラクル起こしてくれなくちゃ…モーゼさん。

…個人的な意見だけどクリスチャン・ベールさんは英雄には向かない。悩むバットマンもだめでしたね。万人を惹きつけるヒーローをやるならもう少し姿勢を正して元気を出してください



2015年1月26日月曜日

映画『6才のボクが、大人になるまで/Boyhood』(2014);リアルすぎる12年間



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Boyhood2014年)/米/カラー
165分/監督:Richard Linklater
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映画ビフォア・シリーズで知られるリチャード・リンクレイター監督が撮った実験的映画。12年間の年月を継続的に、同じ俳優が同じ人物を12年間かけて演じる。お話は米テキサス州のとある一家の12年間の記録。6歳の男の子が成長して18歳で高校を卒業するまでを描く。
 
12年間もの時間をかけて撮った気長な映画作りが、この映画の成し遂げた一番の偉業。たぶん今までこういう映画を撮った人はいなかったんだろうと思う。10年毎に同じ人物達のその後を描いて成功したこの監督の映画・ビフォア・シリーズの成功で出てきたアイデアであることは間違いない。…もし撮影を10年毎にせず、同じ俳優達で12年間の時間の経過を、年代毎に順番に撮っていったらどんな映画になるか…それがこの映画の趣旨。
 
 
内容は米テキサス州の普通の一家族の話。早すぎる結婚をした両親二人が早い時期に離婚。意志の強い母親は学校に行きながら2人の子供を育て、再婚・離婚を繰り返しながら教師になる(←ものすごい努力家)。意志の弱い父親は暫くフラフラした後にいつの間にか再婚して他の家族を持つ。両親とも12年の間に大人に成長している。
 
子供達2人は無邪気に日々を過ごす。もちろん両親の離婚で生活は変わるし、母親が再婚すれば新しい家族との生活が始まる。母親はまた離婚し…。
 
 
2時間45分をかけて描くアメリカの小市民の12年間。よくこんな映画が撮れたもんだと、まず監督、スタッフ、俳優さん達の12年にも渡るこのプロジェクトへの献身と、作品を完成させた意志の強さに感動する。それがこの映画の一番の偉業。
 
当然のことながらアメリカの映画業界は、この偉業に対して最大の賛辞を惜しまない。IMDB (International Movie Data Base)サイトでの評価は10点満点中8.3点。あのRotten Tomatoesでもなんと100点満点中98点!である。これ以上の最高評価があるだろうか?
 
 
実はこの映画を見終わって私は暫く感想が書けなかった。見たのは今から何ヶ月も前。何度も感想を書く機会はあっただろうに全く文章が出てこなかった。映画を見た直後、普段はすぐにうだうだと批評を始める旦那Aと私も、この映画の後は二人とも無言のままただ淡々と歩いて車に向かったと記憶している。「すごいねぇ」「うんすごいねぇ」などとボケた感想を述べただけで二人ともボーっとしていた。
 
あれから数ヶ月経ったが、長い間感想が書けなかった一番の理由は、この映画があまりにも普通の人々の普通の12年間を描写したものだったからだ…と今では思う。英語で言えばUneventful…何にも起こらないんですよ要は。
 
普通の人々の普通の日常。脚本も編集も演出も巧みなせいで全てがあまりにもリアル。リアルな普通の人々が淡々と、淡々と淡々淡々淡々淡々…と日々を送るのをほぼ3時間も見ることになる。おそらくそれがこの映画の好き嫌いの分かれる所。
 
この監督は、普通の人々の12年間をそのまんまカプセルに詰めたような映画が撮りたかったに違いない。そしてそれは誰も成し遂げなかったほどのリアリズムを生み出した。本当にすごい映画なんですよ。まさに偉業。
 
しかしその偉業そのものが、ある人々からは正反対の批評を引き出す。
 
興味があったので、この映画を低評価している感想をいくつか読んでみたけれど、ほぼ全てのアンチの人々の感想が、「つまんない、長い、だらだら、がっかりした、何も起こらない、金返せ…boring, long, slow, disappointing, nothing happens, I want my money back…」…とまあ酷い酷い(笑)。要は映画らしいドキドキするようなイベントが全く起こらないので退屈してしまったらしい。アメリカの人は正直ですね。
 
 
私はこの映画を見て良かったと思う。演技も素晴らしい、話の内容もいろいろと考えさせられるものがあったし、どこかの家族をカメラを通して12年間も見続けたようなリアルさは十分に面白かった。ただ決して見なきゃよかったとは思わないけれど、不満をネット上に書き込むアンチな人々の気持ちもわからないではない。確かに映画としては盛り上がりに欠ける。この映画は一概には傑作だと言えないものなのかもしれない。いろんな意味で。
 
そんな複雑な思いがあったのも事実で、おそらくそれも感想を長い間書けなかった理由。映画というよりもドキュメンタリーを見たような感じ。見た後は、映画の感想を語るよりも、むしろ自分の人生や知り合いの誰かの人生と照らし合わせて…うーん…と考え始める。結局映画のことよりも自分の人生や誰かのことについての会話が始まってしまう。そんな映画。そういう映画もなかなかない。
 
それにしても主役の男の子は可愛い。あの小さな子供がほぼ3時間の間に18歳の青年に成長するのを見るのは、それだけでもかなり感動する。若い頃は可愛かったパトリシア・アークエットさんがどんどん肝っ玉母さんになっていくのも凄いなと思う。見る人によってハマるツボはそれぞれだろうと思う。本当に批評の難しい映画。
 
私は見て良かったと思う。