能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2012年7月4日水曜日

Kerli - Walking On Air (Armin van Buuren Mix) (2008)



エストニア出身のケルリちゃん。可愛いです。



Walking On Air (Armin van Buuren Club Mix)(2008)

Walking On Air (Remixes) - EP
Released: Jan 1, 2008
℗ 2008 The Island Def Jam Music Group
 
これがオフィシャルだとばかり思っていたら、BuurenさんというオランダのDJ(かなり有名らしい)のリミックスだそうで、オリジナルのリミックス無しのPVもあがってました(オリジナルもいいけど私はこっちのほうが好き)。ということは、このビデオもどなたかがリミックスにあわせてPVを編集したんだろうか…。これが結構いい。

癖になる曲もいいですが、このケルリちゃんの衣装が日本のゴスロリ路線(それともバレリーナ?)ではないかとちょっと心配になった。これこれ今度は香港じゃなくて旧ソ連です。あちらでもゴスだのロリだの日本の女の子達が作ったものが一部で流行っているらしいし、このケルリちゃん本人が日本のアニメなどのファンだそうで、やっぱりちょっと参考に…いや商売にされちゃったのか…。

しかし、このプラチナ・ブロンドに可愛い顔でこの衣装がよく似合いますね。ちょっといけない感じがすごくいい。それにシーンの繰り返しのビデオ編集、ちょっとアクセントのある英語に、妙な歌詞、たたみかけるようなリズムに魂を抜かれそうだ(笑)。すごく可愛い。

歌詞も変なの。「気持ち悪い世界のきもちわるい小さな町で、気持ち悪いところにキモチワルイ小さな家があって、気持ち悪い顔のキモチワルイ小さな女の子がいて、あなたが聞いたこともないような変な事を言ってるの…」

リミックスをやったArmin Van BuurenさんというDJの方も全く知らなかったです。ちょっと前、CD屋の視聴コーナーにたまたまあったトランスのアルバムを聴いたら、この手のものでは珍しく聴ける曲揃いだったので、帰って調べたらトランス系のDJで世界一の人気らしいとのこと。この手の曲の多くは直ぐ飽きるんだけど、この人の曲は、踊れるのはもちろん曲としても聴けるのが多い。世界一というのもそれなりに理由があるのかもしれません。

Youtubeを見ても、まあーコラボの多いこと多いこと。オランダ人なら最低34カ国語は話せるからなんでしょうか、ヨーロッパ中のアーティストのリミックスをやっていて、それも驚いた。



Perfume 3rd Tour「JPN」初回限定盤DVD予約できました!!!



ネットで予約できました!!!
追加プレスされたみたいです。
それとも在庫をネットに回してくれたのかな。
うれしい。すごくうれしい。
ユニバーサルさん、ありがとうありがとうありがとう(涙涙涙…)
オフィシャルのサイトも見たら、内容も最高。
ああぁしみじみうれしい…。
ユニバーサルさんどうもありがとう…♪
アイシテマース♪




NHK ドラマ10『はつ恋』第6回-Endless Kiss



今、録画を見終わったんですけど…うわぁヘビーだなぁ…。


お父さん、酔った勢いでそんなことまで喋っちゃだめですよぉ…。ありえないー。んもー。緑さんもやっとの思いで心にケジメをつけて、今はプロとして患者さんの治療にあたっているのに…。最後にお父さんに頭を下げてたった一人出て行く三島先生もとても心配。これから電車に乗って東京まで帰るんだろうか。前の奥さんはGPSでちゃんと見つけてくれるのかな…。このドラマは毎回、あああああっというところで終わりますね。これはかなり後味が悪い。もちろんそこがドラマとしての面白さなんだろうけど…。


今回は、なんだか緑さんと潤ちゃんが心配でしょうがなかったです。潤ちゃんがとても心配。この旦那さんはどこか自信が無いんですかね。こんな異常な事態だからこそ、緑さんには普段の10倍くらい愛情を持って潤ちゃんに接して欲しい。奥さんが昔の恋人に毎日会うのを、心はイヤでしょうがないのに、それを理屈で必死に抑えてるんだもの。そりゃあイヤだと思うわ。言葉でもいいし抱っこでもいいし、もっとしっかり心のケアをして自信を持たせてあげないとかわいそう。青木さん上手いです。そんなわけで今回の話の焦点は潤ちゃんの不安感なのかと思った。


三島先生と緑さんも、少なくともこの回では三島先生が過去の想いを少し引きずってるだけに見えた。緑さんからは特にヘビーな葛藤も感じなかったです。仮に多少あったとしても抑えられるレベル。三島先生がどんなにステキでも、私なら今の幸せのほうがずーっと大切。緑さんの中に、昔大切だった人を何とかして助けてあげたいっていう思い以上に、特別な情が残っているのかどうかは私には分からない。この状況でもひきずる人はいるんだろうな…。


それにしてもタイトルの「Endless Kiss」もなくホッとした。前進しなくてよかったです。(緑さんと三島先生が)先生と患者の立場で淡々と話が進んでたので、安っぽい話にならずによかった。公民館のシーンもちょっとよろめいたかに見えたけど、緑さんが(無理やりでも)サバサバ状況拒否して終わったし。幸絵さん(サトエリさん)も一緒になって皆でリハビリを手伝ってるのも(妙だとはいえ)いい感じだったし。ただ三島先生が緑さんのお父さんちに泊まるのはどうよ。ちょっと苦しいかも…。あ…あれが次の展開へのきっかけなのか…。


それにしてもあの眼鏡っ娘はうざいですね。潤ちゃん、よろめいてはいけない。ああいう娘は主婦の敵(笑)。とにかく今回、一番心の葛藤があったのは潤ちゃんでしょう。だから心配。もしかしたら今後一番暴れるのは潤ちゃんじゃないかとも思えてきた。大人な三島先生や緑さんではなくて、潤ちゃんの不安感、不信感が家族の不幸を招くのでは…だとしたら怖いな。そもそもこのドラマ、不倫をするはずの2人が割に大人で感情を抑えているのに、周りの人間が状況を引っ掻き回しているのが印象的。広瀬君も眼鏡っ子も今回のお父さんもとても迷惑。それに敏感に反応するのが不安定な潤ちゃん。だいじょうぶか…。


ところで中山さん(大竹さん)はいい。けっこうヘビーな心理劇になりそうなところに、いい意味でポジティブな笑いを作ってくれるのは大変ありがたい。カラオケで三島先生と2人で、前回余った青いシャツを着てるんだもの(笑)。


そんなこんなで、潤ちゃんの心理状態以外は割に淡々と平和に進んだ回だったのに、最後の最後であれはもう大変。案の定、来週の予告では、三島先生が潤ちゃんに殴られてたり、緑さんのお腹にちゅーしてたり、「イッショニイタイ」とか言っているし…やめろーあああぁ来週はとうとう修羅場かっ…。




2012年7月3日火曜日

東京カワイイTV「香港カワイイが世界を狙う!?」



香港のセレクトショップ「I.T」 を紹介。日本での放送は630日(土)


かなり面白い内容だった。日本のカワイイファッションがアジアで大人気であること。そんな中、香港の巨大企業が日本のカワイイを元に、世界クラスのビジネスに乗り出しつつあるらしいこと…。うわーこれは大変なことになった…。


日本のストリートファッションが世界中で(一部の人に)人気だというのは、以前からこの番組でも紹介されていたのだけれど、私の個人的な印象は、西洋ではまだまだで、よほど変わり者のトンガリっ子でもない限り、日本のアニメに興味をもったり、カワイイファッションを楽しむこともないだろうというもの。

それに比べてアジアは違うだろうとも思っていた。もう30年も前から先進国として存在し続ける豊かな国=日本に(いろんな意味で)アジアの人々が憧れるのも楽に予想できることだからだ。そういえば日本のアイドルが、1980年代ごろからそれなりにアジアで人気だということも聞こえてきていた。

それからここ20年ぐらいだろうか…日本の若い人達が作り上げたファッションの急激な成長。日本の女の子達が西洋人の真似をすることなく、いかに可愛く綺麗に見せるかを独自に考えつくしたファッション。そんな東京のストリートファッションがいつしかアジアに広まったのも当然のこと。西洋のファッション誌を見て白人のメイクを真似しても出来ないことは多い。だけど東京の女の子なら同じアジア人。アジア人の女の子達が、オシャレな日本の女の子達を参考にするのも十分に納得できることだ。

番組では、香港の様々な若い子達を取材。もう香港だろうが日本だろうが外見は全く同じ。みんなすごく綺麗。スタイルのいいカワイイ女の子達が香港の町中に溢れている。そんな女の子達が買い物をするのが、香港のセレクトショップ「I.T」。話はここから大きくなる。元々は日本のブランドと提携して日本の商品を売る商売をしていたらしいのだが、ここに来て独自のブランドの開発を開始。香港オリジナルのカワイイファッションを売り始めた。この企業、中国やその他のアジアにビジネスを展開しているだけでなく、アメリカ、フランス、ドイツ、ロシア、サウジアラビアなどアジア以外の国々にも出店しているらしいというのだ。

そこで番組は原宿ファッション界の重鎮・米原康正さんにインタビュー。彼の答えは、「もう日本は置いていかれてるかも。日本でカワイイって言っている場合じゃない。もともと日本のものだったカワイイが、香港などでもっと巨大ビジネスになって、日本もいずれ逆輸入をすることになりかねない。日本はこれから、もっと自分達がオリジナルだというのを出していかなきゃいけない…」などと言う話。ああぁそのとおり。私もそう思う。まさにその通り。


この「I.T」という企業の副社長の女性にインタビューをしていたけど、まだ若いのね。30代前半じゃないかと思う。そんな若い女性が、自信に溢れ、相手の目を見てしっかりと臆することなくビジネスプランを語る姿にちょっとドキドキした。彼女には迷いがない。こういう若い人達がアジアからどんどん出てきているんだと思う。これは怖いですよ。実害がすぐに出るわけではないと思うけれど、なによりも悔しいじゃない。要は日本人が、世界的なビジネスの展開に戸惑っている間に、香港を始めとする他の国の企業に、日本のアイデアのいいとこどりをされてしまうかもしれないということです。

香港は97年までイギリス領だったので、英語を話せる人が多い(人口の38%)だけでなく、英国やアメリカに既にビジネス上のつながりが出来ていること。英語が日常語であることから、西洋でMBAなどのビジネス教育を受けている人も多い。世界規模でビジネスを展開する基盤が既にあるんですね。香港だけじゃない。シンガポールの公用語も英語。そもそも日常は中国語を話すんです。こんな英語と中国語を自由に操るアジアの企業に、おもしろ日本のアイデアがいいとこどりをされるケースは他にも出てくると思う。


でも文句は言えないの。こんなのやったもん勝ちなのも事実。 彼らだって前を向いて真剣にがんばっているんです。負けたくないなら競争に参加するしかない。それとも日本ならオリジナルである事を強調して、小さなビジネスでもカルト的にコアなファンに売る商売で対処するのか…。考えどころですね…。日本もがんばってほしい。




2012年7月2日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第26回「平治の乱」



うーん…。たぶん次回からの戦にフルに時間をとるための、タメの回だったんだと思うけど、多少間延びした印象。

主役の清盛が、今もって魅力的でないのはかなり苦しい。40歳を過ぎた大の大人が自分の息子より馬鹿っぽく見えたり、緊急事態なのにしんみり思い出話をしたり、お友達が死んだと言ってメソメソ泣いたり…どうしたものかな。ちょっと前に貫禄が出てきたと思ったのに、また子供に逆戻り?そんな泣いてる暇があったら、さっさと作戦でも考えれば?泣いてる暇なんてないですよ。信西の首を見て怒りに体を震わせ、すぐに戦に向けて気持ちを引き締めるほうがずーっと本気っぽいのに。

脚本に主役の清盛を魅力的に描く意思が一切見えないのは困りもの。息子の方が10倍ぐらい頭がいい。彼をあれだけ切れ者に設定して主役の清盛をこれからどうするつもりなんだろう。あんなに感情的な、知恵も見えないお人好しに描いて、この後もそのまんまなんだろうか。あの台詞にあの人物設定じゃ、どんなに経験を積んだベテランの俳優さんでも清盛を魅力的に演じるのは難しいだろうと思う。「オレはタイラノキヨモリぞ。」なんていう台詞も何の意味があるのだろう。こけおどしだろうか。

確かに松山さんが若すぎて役が大きすぎるのではないかという心配もある…が、ちょっとまって。そもそも映画やドラマ作りって、俳優1人の力だけにたよって出来上がるものではないと思う。ドラマの良し悪しは監督や演出、脚本など、画面に出てこない制作の方々の力がすごく大きいのでは? もし監督に描きたい清盛像がはっきりとあるのなら、(極論を言えば)どんなに未経験な俳優さんを連れてきてもそれなりのものになるのではないか。衣装もメイクもそう。台詞もそう。もし俳優さんに威厳が足りなければ、まず演技指導をして声の出し方を指導し、カメラワークで大きく見せる…など、俳優さんの力以外のところで何とかすることももう少し考えられるのでは。そんな努力をしているのだろうか。


1960~70年代のイタリアにヴィスコンティという有名な映画監督がいたのだけど、彼の話をしたい。この監督さん、ド素人の男の子を顔が綺麗だというだけの理由でつれてきて、自分の監督する大作映画の準主役に抜擢したんです。現場では、このド素人の男の子に文字通り手取り足取り、指の上げ下げから首の角度にいたるまで、逐一演技指導をしたのだそう。その映画の名は『地獄に堕ちた勇者ども(1969年)』。顔の綺麗な素人の男の子の名はヘルムート・バーガー。映画も評判だったし、その男の子は、その後ヴィスコンティと組んで世界的なスターになった。

こんな例があるからこそ、ドラマや映画制作は面白いのだと思う。。知性を感じられない台詞とともに、いったい現場ではどういう風に清盛の役作りをやっているのだろうと思う。清盛を魅力的に見せるかどうかも、作り手の力次第ではないのだろうか。

俳優さん達は本当に頑張ってると思う。信西の阿部さん、おつかれさまでした。これで終わりなのは残念。「なんでもよーい」だけではなくて、もう少し踏み込んで知りたかった。義朝の玉木さんなんて、普段は細身の優男なのに、よくぞここまで漢な印象を作り上げたものだと惚れ惚れする。怒鳴りつける時の吼えるような声が素晴らしい。この人ももうすぐ退場ですね。この俳優さんには、またこういう時代劇の漢な役をやってもらいたい。歳を重ねていけばもっと威厳も出てくるはず。重盛の窪田さんも、若いのに危機感を上手く演じている。彼は顔がどこか緒形拳さんに似てますね。義平の波岡さんもヤンキーがそのまま武将になったような感じがいい。こんな触ると切れるような激しいタイプの武将はいっぱいいたと思う。深キョンにも威厳が出てきた。

さあ来週は男祭りか…。


追記;清盛と信西の最初の出会いが、穴の中の信西を清盛が助け出す場面だったと思うけど、これって今回の信西の最後の場面でオチをつけるためのもの? げげっ…。







2012年7月1日日曜日

The Jacksons - Shake Your Body (Down to the Ground) (1978)



マイケルさん。625日の彼の命日も過ぎてしまいました。



Michael Jackson & The Jacksons - Shake Your Body (Down to the Ground) 

Album:  Destiny
Released: 1978
℗ 1978 CBS INC.


彼のように、ステップを踏むだけで他人を踊らせてしまえる人もそういるものではない。だってほんとうに楽しそうにリズムをとるんだもの。ヨシ私も…と無意識に体が動く。やっぱりこんな人は他にいません。リズムの神様の申し子だったんです、ほんとに。この頃のビデオを見るとほんっとに楽しそう。音楽が鳴るとじっとしていられないんだと思う。体の芯がリズムに反応して止められないかのよう。すごいです。

マービン・ゲイのような声ではなかったし、ポール・マッカートニーやプリンスのような天才作曲家でもなかったマイケル。でも彼の体から溢れるリズム感だけはものすごかった。鞭がしなるように弾む体、映像が止まったかのようにぴたっと決まるポーズ。訓練に訓練を重ねて作り上げた動き。体中の隅々まで全ての筋肉と神経をコントロールしつくした彼のダンスは、まさに神の領域に届いていた。後から彼の物真似はごまんと出てきたけど、誰一人として彼にはなれなかった。

今思えば『スリラー』で世界中がこの人に狂ってしまったのも、彼にとっていい事だったのかどうかわからない。アルバム『スリラー』は私も買ったしあなたも買った。あの人もこの人も彼も彼女もみんな買った。プログレ好きの友人のレコード棚にさえ『スリラー』は並んでいた。街の店の客寄せのTVスクリーンに「スリラー」のビデオが流れるだけで、歩いていた人全員が立ち止まって人だかりが出来たくらいみんな夢中だった。当然みんなあのゾンビダンスを真似した。

だけど、あれ以来マイケルは幸せだったのだろうか…と思う。

ダンスはますます研ぎ澄まされて、誰も真似の出来ないものになったけど、彼独自のポーズ;「左手で軽く押さえた帽子」「蹴り上げる右足」「ムーンウォーク」「掴んだ股間」「開いた脚の角度、斜め上に上げた腕の角度」…ばかりが目立って体の芯から弾むような楽しいダンスはなくなってしまった。私達観客は、そんな彼を見ればうわーっと思ったけど、実際にはマイケル本人を見ていたのではなく、彼の演じる「マイケルのイメージ」を見て喜んでいたに過ぎないのではないか。彼はいい人だったから、客を喜ばせるために、そんなお決まりの「マイケルのポーズ」を常に完璧にキメていたけれど、若い頃の弾けるようなエネルギーはいつしか消えていたと思う。昔のような、ただ楽しいから踊っている感じがなくなってしまった。あれで楽しかったのだろうか。

もし『スリラー』があれほど売れなかったら…。もし彼がKING OF POPにならなかったら…。もし『スリラー』の後も上質のポップ、ダンス・アルバムをプレッシャーの無い状態で淡々と出し続けることが出来たら。(客の期待がそれほど大きくないからこそ)音楽的にもいろんな実験ができたら…失敗することも許されていたら。自分の楽曲だけにこだわるのではなくパフォーマーとして、他のアーティスト達とももっと積極的にコラボしていたら…。ソロでも活動するけどJacksonsとしても時々気楽にお兄さん達とやれるような立場だったら。もっと気楽にいろんなことを楽しめたら…。いつもあんなふうにキメポーズを作る必要が無かったら。 もし普通に結婚して子供も7人ぐらい作って、毎晩ビールを飲んでガハガハ笑うような親父になっていたら…。

こんな事を書くのも『スリラー』の後の彼の人生があまりにも多くの試練に満ちていたからだ。あれほどすごい才能の持ち主だったのに、人としてありえないほど純粋過ぎたのではないか。当時力をつけてきていた百戦錬磨のプリンスやマドンナのようなライバル達に比べて、彼は人としてもアーティストとしても、あまりにも幼い感じがした。そんな彼に世間やメディアは冷たかった。もし『スリラー』の成功がなかったら違う人生もあったんじゃないだろうか。

このビデオの頃の若いマイケルはほんとに楽しそうだ。目がキラキラと輝いて、歌うこと、踊る事を心から楽しんでいるマイケル。見ているだけで嬉しくなってしまう。そんな彼は本当に美しい。ずっと忘れない。ほんとうにありがとう。

 

2012年6月30日土曜日

日本人はスーパースターになれるのか-15

--西洋におけるアジア人の芸能活動への考察




これからのアジア・将来への可能性 -3-------------------------

15-●まとめ・日本人はどうする


長々と書いてきた。基本的に言いたかったのは、現在文化的に、西洋と東洋の間には大きな溝があるということだ。この溝は私達日本人が想像する以上にずっと大きい。アジア人のポップスターや芸能人が西洋で苦戦する理由もそこなのだ。


音楽関係で言うのなら(アジア人が)曲の良さやパフォーマーとしての質の高さ、技術的なレベルの高さなどで、たまになら売れることも可能だ。だが、そんなパフォーマー本人が言葉もしゃべれないのに憧れの存在=アイドル(偶像)として西洋人の心を掴むのは、ほぼ不可能に近い。過去にアメリカで売れた日本人の楽曲も、曲は売れてもスター本人達はその後、誰もが名前を知るようなスーパースターににはなり得なかった。


だからと言って悲観する必要もない。現状をしっかり見据えることで見えてくることもある。こんな現状だから何をすればいいのか…何を予測できるのか。現状を分かっていれば、かなうはずもない夢を無駄に追い続けることだけは避けることが出来る。西洋へどのように出ていくのかはこれからの課題だ。やり方はいろいろとあると思う。過去のYMOなどの前例から学べることも多いだろう。業界の方々がK-POPの戦略を度々口にするのも、K-POPの戦略がこういった厳しい現状に対して彼らが独自に出した一つの答えだからなのだ。日本独自の方法も見つかるかもしれない。


幸いなことに世界の状況は日々変化している。西洋も今までのように排他的・保守的なだけではやっていけないだろう。インターネットでは、国や人種の壁がほとんど無くなってきている。世界中の若い世代の人達は、彼らの両親に比べればずっと異文化にも寛容であるはずだ。アジアの文化が西洋に出て行ける可能性はこれからもどんどん増えてくるだろうと思う。


だからこそ日本の様々な分野の方々にも頑張って欲しい。大雑把な言い方をすれば、インターネットでもいい、初音ミクでもいい、侍でも芸術でも漫画でもアニメでも、ポップスターでも、ファッションでも…何でもいいのだ。今すぐに大きな結果は出ないかもしれないが、もっとどんどん出て行っていいと思う。この波に乗っかった方がいい。せめて今からでも乗っかる準備を始めた方がいい。いつかきっと将来面白いことになる日が来ると思う。


日本のポップスター達を取り囲む環境も、西洋での一時的な成功を唯一の目標にして大騒ぎをするのではなく、単純に(私達のスターが)国外に出て行くことのプロセスそのものを、ファンも本人達ももっと気楽に楽しめるような空気感になればもっといいと思う。もう西洋は特別な場所ではない。海外なんて1日もあれば飛んで行ける時代なのだ。


今はアジア人が西洋で売れなくても当たり前。それは日本人やアジア人がダメだからではない。問題は西洋=アチラ側にあるのだ。だからこそ、ただただ気楽に挑戦し続ければそれでいい。当たるか当たらないかだけを心配して、今出来るいろんな事を躊躇しているのがいちばんいけない。今はリスクを一切負うことなく自己のプロモーションが簡単に出来る時代なのだ。動画サイトなどでの世界に向けたプロモーションなんて、誰にでも簡単に出来るのだから。


西洋社会での立ち位置は、日本人でも他のアジア人でも状況は全く同じ。西洋には日本人だから特別だという考え方は一切無い。以前のように「日本人の1人のポップスターがビルボードチャートでどこまでいけるのか」だけを気にかけるのではなく、もっと大きな括りで、西洋に向けて吹き始めたアジアからの風の一つとして(自覚を持って)展開していくことを考えたほうがずっとチャンスはあるだろうと思う(まずアジア市場に展開するのも一つの方法)。日本のファンも業界の方々もそれを理解したほうがいい。もう時代は変わってきているのだ。