能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2016年6月30日木曜日

TBS 火曜ドラマ『重版出来!』全10回・感想



好きだったドラマの感想は書いておこう。いつも新しいドラマが始まると大抵の番組は予約録画をして見始めるのだけれど、面白くなければ簡単に見るのを止めてしまう。最後まで見続けるのは好きなドラマだからなんですよね。

このドラマも前情報は無く見始めた。実は最初、黒木華さんの黒沢心ちゃんのキャラに馴染めなくて脱落するかと思ってしまった。

原作は漫画の作品なんだそうです。漫画のせいなのか、主人公のキャラがあまりにも嘘っぽくてなかなか馴染めなった。だってあんな女の子今どきいないでしょう。『スチュワーデス物語』か。元気一杯「ハイッハイッガンバリマスッハイッ…」…って…あーだから体育会系なのか…。

黒木華さんは悪くない。しかしあのキャラはなかろう。実は1話から内容は深くて話には引き込まれたんですよ。だから余計にあのとってつけたような元気キャラが浮いて浮いて…。おそらく原作の漫画のキャラがああいう感じだったんでしょう。…だったら別の女優さんでもいいような…。

…などと文句を言いながらもとりあえず見続ける。
そうやって見続けていたら、

だんだん良くなってきた。
 
このドラマ、まわりにもいい役者さん達が沢山出ている。上手い方々。そして話の内容が非常に濃い。かなり深い。だんだん見ているうちに驚くほど深い内容でびっくりさせられる。
 
 
一番心に残ったのは、

ムロツヨシさんの回。

7。成功を夢見て20年も頑張ってきた漫画家の卵/アシスタント40歳の沼田(ムロ)が、突然現れた天才中田を見て現実を見つめなおし、夢を追う事を断念する話。切ないけどいい話です。最後中田に別れを告げて一人歩き始める沼田君の顔は涙でゆがんでいる…私も泣く。あの場面はね…夢を追ったことのある人間には心に突き刺さりますよ。いや私は夢を追うことに憧れただけだったけれど。それでもあの気持ちはなんとなくわかる。夢を断念すること…漫画家でも俳優でもミュージシャンでも映画監督、ゲーム作家、アイドル、職人、優秀な営業マン、ベンチャー業の事業主、様々な成功…ああいう話はどんな夢にもあてはまる。成功の結果が華やかであればあるほど、志半ばで夢を断念する人の数は多いだろう。一人の成功者の後ろにはきっと何千人、何万人の敗者、脱落者、離脱者がいる。ムロさんと共に泣いた人も多かったんじゃないだろうか。
 
そこからますます目が離せなくなった。
…と思ったら10話で終了。おおぉ。
 
ドラマが終わる頃には、人物達全員にも馴染んできて毎週が楽しみでした。心ちゃんのキャラには最後まで違和感がなかったとは言えないけれど、それでも十分馴染んだ。いやー正直もう少しリアルな普通の女の子のキャラの方がいいんではないかと思うけれど。…しかしあのキャラは誰がやってもうざいな(笑)。…この話は、心ちゃんが花咲か婆さんのように周りの様々な問題を毎週解決していく話なので、ああいういかにもフィクションっぽいキャラの方がいいのかもしれないですね。
 
ところで三蔵山先生…小日向さんがすごいなと思う。現在丁度NHK大河でワガママな天才秀吉をなさっているので、この穏やかで紳士的な小日向さんには驚く。印象が全く違う。こんな優しい人はいないでしょう…というくらい紳士。大河の秀吉とは正反対。小日向さんはすごい方ですね。
 
 
ともかく最初は軽い話だろうと思っていたのに、毎回かなり深刻な内容なのでどんどん引き込まれた。以下、大変乱暴なあらすじ。真面目に見ていなかった回もあるので記憶があいまい。
 
1話:三蔵山先生(小日向)のスランプ問題
2話:うだつの上がらない営業の復活
3話:わがまま看板漫画家高畑
4話:漫画家の金の卵2人発掘。東江を先輩編集者安井に引き抜かれる
5話:社長の話
6話:新人ツブシの安井+東江。悩む東江。安井の過去
7話:天才中田+沼田(ムロツヨシ)
8話:伝説の漫画家・牛露田+娘
9話:漫画家高畑…引き抜き事件
10話:中田単行本 先生受賞

原作は漫画作品。実際に漫画家の方が書いた話だからなんでしょう…才能やプライド、嫉妬、競争、スランプ等の、作家(作る人)の内面の話、それから関わってくる外の人々の苦労…家族、編集、営業、本屋さん…等々、作品が出来るまでのリアルな現場の話がとても面白かった。作品は作家にとって身を削る芸術であり、また同時に本を作るというのは現実的な商売ですからね。いろんな裏の物語があるんだろうと思います。それが垣間見えたのが面白かった。
 
(繰り返すけれど)一番心が動いたのは天才中田君とムロツヨシ沼田君の第7話。これは泣けた。しかし天才中田君も心に闇を抱えているのね。深いですね。この回は心に染みる言葉が多かったので、録画を見直して台詞を書きとめておこう。
 
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三蔵山先生:一つ一つ作品を作るということは、自分の心の中を覗き続けるということだ。どんなに醜くても情けなくても、向き合わなくてはならない。

●沼田の独白
沼田:小さい頃から漫画が好きだった。描いた漫画を友達に褒められて、漫研でも一番上手かった。二十歳で賞だって取った。でもそれからずっとネームはボツで、何年たってもボツばかりで、いつまでもアシスタントで、みんなどんどんプロになって売れっ子になって、冗談言って悔しさをごまかして、まだやれる。まだ諦めない。俺は漫画を描く。まだ描ける。まだ、描ける。(中田について)…圧倒的な才能。小さな、小さな自分。アイツは自分に正直で、他の事などお構い無しで、自由で、残酷で、漫画の神様に愛されるのは、きっとああいう男だ

中田が沼田の漫画を読んでいる。誰も理解してくれなかった漫画を読んで中田が言う。「これは自分自身の存在を問う物語です。」中田は理解してくれた

沼田:(過去の編集者について)この編集さんは感性が鈍いのかもしれない。一人一人好みも違えば、持ってる教養だって違う。自分の書きたいものとこの人の興味が一致しないのなら仕方ない。(意に沿わないアドバイスをしてくれた先生には)…ありだとは思う。でも俺の作品とは違う。いつか自分の自由に描ける時がきたら世に出そう。いつか、いつか、いつか、いつか、いつか…。

黒沢心:天才はみんなに夢を見せる事ができる。だからこそ、近くに影を作ってしまうのかもしれません。

●沼田と三蔵山先生の会話
沼田40になりました。二十歳から倍も経ってしまいました。倍もの時間、戦わずに来てしまいました。いつか理解してもらえる。いつかいい編集者にめぐり合える。いつか認めてもらえる。いつか。そうやって本気で戦わないまま、ここまで。そのくせ同級生のサラリーマンには言ってたんですよ、偉そうに「ものづくりはこうじゃなきゃいけない。クリエーターたるものこうであらねば」夢を追いかけてる自分は、他の人とは違う。そう思いたかったんです。漫画家を目指してる間は、特別でいられた。特別な人間でいたかったんです
三蔵山:自分に向き合ったんだね。
沼田:時間がかかりました。

●中田に別れを告げ遠ざかる沼田
沼田:ずっと漫画のことだけ考えていた。子供の頃から。36524時間。幸せだった。現実なんていらなかった。ただ漫画の中だけで生きていたかった。
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中田君だけが理解した沼田君の漫画…アンドロイドの話…を読んでみたいと思ったのは私だけだろうか。沼田さん、酒屋を継いでも作品は完成させればいいのに…。

2016年6月29日水曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第25回「別離」 6月26日放送



泣きました。今回は本当に泣いたわ。このブログではよく感想に「←涙」と書くのですが、実際に涙が出るのはまれ。「涙が出るほど心が動いた」場合に「←涙」と書くわけですが(先週もそう)今回は本当に涙が出た。

本当に泣く事は、実は大河ではめったにないんですよ。1年も続くドラマでは毎回泣く必要もない。しかし泣くほどの回があるとドラマにますますはまっていく…。毎週うだうだ言ってますが、実はもう海亀はすっかり真田丸のファンなのよ。

今回は脚本がすごいです。こういうのが三谷さんならではなんだろうなぁ。秀吉の息子・鶴松君の最後の一晩をベースに、それにまつわる様々な事柄を山のように盛り込んで構成。本当にすごいわ。


今回語られた内容は…
鶴松危篤。あと一晩。
・千利休のたたりじゃないのか。
利休の切腹までを振り返る。
・石田三成と大谷吉継が利休を失脚させたい。
・小田原城の鉛がいいきっかけになった。
・秀吉を秀長に説得してもらう。秀長退場
・実は黒い大谷。
・大徳寺山門の利休像。これはなんだ?
利休の蟄居→死刑宣告
・利休の思い
・真田カオル様と片桐さんの薬草ドタバタ。
・沼田城・矢沢の叔父に困る信幸。
・信幸の稲問題→おこうと仲良く
・まっちゃんと小山田氏の再会。
・大徳寺山門の利休像の種明かし。茶々。
・三成の裸。
徳川家康と真田昌幸の豊臣家に対する思索
・秀次、きりちゃんに告る。
・秀吉の大陸攻めのアイデア。
鶴松の死

これだけを45分間に盛り込んでます。よくまとまったもんです。内容が濃いから目が離せない。これだけ話がぎっちり詰まっているのに不自然な感じもない。ドラマとして面白いです。そして最後の鶴松の死でクライマックスへ。すごいわ。

最後の場面は脚本なのか演出なのか…すごいですよね。秀吉のでんでん太鼓が泣ける。秀吉が無言で鶴松をじっと見つめているのが悲しい。まだ息子の死が信じられないのね。それから無言で部屋を出て行く茶々。彼女は今までに何度悲しい事があっても、ずーっと感情を殺してきたのだろう…その彼女が寧さんに抱き締められて号泣。あ~この茶々さんは寧さんのことをお母さんのように思っているのかも。これはまた新しい関係ですよね。この最後の場面は泣きました。

それから利休もよかった。このアキンド魂全開の生臭い利休は嫌いじゃないです。今までの大河の千利休は、お茶の大先生のイメージのせいなのかインテリでセンスが良くてどこか飄々としていた人物が多かったように思うのですが、この利休は人間臭い。生々しいですよね。でもこういうこともあったかもしれないと思う。常に金儲けを画策し「戦は儲かる」と言い切り、秀吉の敵にも武器を売る。問い詰められても悪びれず「殿下がお信じになるかな?」と開き直る。有名な利休像は、なんと茶々さんへのプレゼントだった!茶々さんに、自分の像を欲しいとリクエストされたら大喜びで特大サイズをプレゼント…ウヒャー。…で「いらない」と言われる(笑)。なんと愚かな。そんな生臭い利休に桂文枝さんは最高のキャスティング。こんな違う視点からの千利休があってもいいと思う。大きな拍手。面白い。

そして利休が生々しいなら、理性的だと思っていた大谷さんが急に黒く見えてきたのも面白い。利休の切腹だけじゃない、鶴松の死の前に「葬儀の準備」を始めるのもなかなか冷たい。そして心が冷たいと思っていた三成が実はいい奴で、大谷さんの決定に戸惑ったり、鶴松君の為に水をかぶったりするのもいい。

後半、家康と真田昌幸が全く同じ内容を交互に話すのもいい場面。二人とも豊臣に見え始めた陰りを嬉しそうに語る。ちょっとドキドキした。

この回は本当にいろんなものが見えてきた回。これからますます面白くなりますね。


★あらすじ
利休失脚。鶴松死去。

●内容
○淀城。鶴松の病状は重い。今夜が山
○利休のたたりではないか。

○回想
利休の切腹まで。切腹時、微笑むような利休の顔。
・大谷/石田が小田原城で見た利休印の鉛を問い詰めると「ほんまでんなぁ」「でも殿下はお信じになるかねぇ」
・大谷/石田が秀長に相談。
・秀長が秀吉に伝える。秀長病死。
○大谷、鶴松の葬儀の準備を始めるという。

○回想
・徳寺山門・楼上の利休像
・秀吉に伝える。秀吉「よきようにせよ」
・利休へ堺に蟄居を命じる。早速お金を取り出す利休。
・切腹を伝えると利休、出したお金を引き取り「ということでしたら、引き取らせていただきます。…(お金を)無駄にしたら罰が当たりまっさかい」←わかりやすい

○大谷「たたりなどあるわけがない。たたられるならこのわしだ。」←おいいいぃ大谷さんは病気になるじゃないか。

○回想
利休+信繁。利休「商人の町に生まれ、金が人の心を動かすことを学んだ。戦は儲かる。しかし人の心を、命を金で操るのは業が深い。だから茶を点てる。ここまで茶の道を極めることが出来たのもそれだけわての業が深い故。像は…足すくわれましたな。一言で言うなら…さだめや。(笑)」この利休は人間臭い。
○真田昌幸とカオル様が大坂にやってくる。カオル様は薬草を煎じに片桐さんとキッチンへ。
○秀次も鶴松を見舞いにやってくる。

○大蔵卿局が利休像の種明かし
・利休像は茶々さんの注文。利休「寸法を間違えた」←嘘だね。この利休は茶々さんに像が欲しいと言われて大喜びで特大サイズを作ったに違いない。虚栄心の塊。いやー俗っぽいなぁ。若い娘にいい気になって隙を見せたのがおしまいですね。
・茶々「いらない」利休「捨てるのは不憫やし…」…大徳寺に寄贈は茶々さんのアイデアだったのね。

○カオル様と片桐さんの薬草をめぐるコント。
○加藤と福島もやってきた。水垢離をするという。
・水垢離中の加藤+福島(肩から水をかけている)。石田君登場。もろ肌脱いだ!おぉー色が白いね。肌がつるつる。綺麗だな。頭から水をかぶる。石田君は実はイイ奴なんだよね。
○徳川は夜食の差し入れ。

○真田+徳川の語り
 秀吉に子は出来ん。
 跡継ぎがいない。
 鶴松が死ぬと豊臣は一代で終わる。
 秀吉は老いている。
 後を継ぐのは秀次。
 秀吉に比べればひ弱。
 わしの思い通り。
 豊臣の世はそう長くは続かんぞ。
 もうまもなく…。

○秀次+きり
「私が関白になる」秀次の告白タイム。側室へのオファーか。

○徳川「見舞いに来たのが伝われば十分」←わかりやすい
○真田と徳川が顔を合わせる「祈ることしかできませんね」←何を祈っているんだよ。

○秀吉+信繁
秀吉「鶴松に~してやるつもりでいた」信繁「これからのことを考えましょう」秀吉は明国に攻め入ると言う。

○鶴松の容態急変
・茶々が部屋から出る。
・秀吉が無言ででんでん太鼓を振る。これは悲しい。←泣く。
・茶々。表情がうつろ「死んでしまった…皆死んでしまう、私の大切な人達…」。寧さんが抱きしめると子供のように泣き始める。←泣く。

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○沼田城の信幸
・矢沢の叔父を説教中
・稲ちゃんに愚痴をこぼしても受け止めてくれない。稲ちゃんはかわいくないのぉ。
・おこうの元へ行ってしまう。
○まっちゃんと小山田氏の再会。小山田さんは真田家に受け入れられたのね。彼等はイワビツ城へ行くそうだ。とりさんの白髪が増えた。

2016年6月26日日曜日

英国がEUから離脱!



これにはびっくりした。英国を離れて早10年、もう英国の新聞やBBCを毎日チェックすることもないので、今の英国を語れるわけではないのだけれど、ちょっとびっくりしたので書き留めておこう。

週末は忙しかったので英国のメディア記事もまだ一切読んでいない。思いついたことだけを書いておく。

…しかしどうするんだろうこれから…本当に。英国は大丈夫なんだろうか。


ロンドンには外国人が多い。10年前でもそうだった。石を投げればほぼ外国人に当たる。アフリカ、中近東、インド、ロシア、北米、南米、極東アジア、豪州にNZEUに限らず、ロンドンには様々な国からやってきた外国人が非常に多い。

…英国には世界中から人々が集まってくる。そのなかでも距離の近い欧州と英国との関係は深い。今まで英国がEU=欧州連合のメンバーであったことで、英国からも欧州からも、人々はお互いに国境を意識しなくていい自由な関係を作ることが出来ていた。


EUから英国へ
職を求めてやってくる東欧からの人々。建設業では特にポーランド人をよく見かける。家や庭の改装/リフォームを頼めば、塗装業Painter/Decorator、土木業/建設業/大工Builder/Carpenter等、英国人の元で働く優秀なポーランド人の職人・技術者がやってくる。個人で高級不動産リフォーム専門の工務店を開業し成功しているポーランド人もいた。

それ以外に私が見かけただけでも、フランス人の美容師やシェフ、ドイツ人の教師、オランダ人の舞台俳優、ギリシャ人の実業家、ドイツ人とデンマーク人の歯科医師、様々な国からの投資銀行家…。それだけじゃない。どれだけいるのか想像も出来ないほどの「ちょっとだけ英国にやってきて、ちょっとバイトをして人生を楽しんで帰っていく」欧州からの若い人々。彼らは気楽にやってきてウェイターなどをしながら語学学校に通い、数ヶ月の単位で英国に出入りを繰り返す。まるで隣町に行くかのように英国にやってくる。

★英国から欧州各地へ
もちろん英国人も欧州へ気楽に出かけていく。ドイツで年の半年を過ごすビジネスマン。フランス人と結婚してロンドンとフランス両国に家を持つ銀行員。スペインでの英国人向けの不動産業で働く30代の青年…そう、英国人の中には老後をスペインやポルトガルに移住して暮らす人も多くいる。今wikipediaで調べたら、スペイン在住の英国人は(登録しただけで)30万人。BBCによればスペインに滞在中の英国人はおよそ70万人だという(登録しなくても滞在できることによる)。実際に南スペインのリゾート地には移住してきた英国人のコミュニティが出来上がっていて、その土地のスーパーの店内には英国国内と全く同じ商品が並んでいる。

欧州から多くの若者がやってくるのと同じように、英国の若い人々も欧州に出かけていく。語学を磨けばドイツで職を探すこともできる。英国国内の国民保健サービス(NHS)の質に満足できなければ、フランスの医療機関で治療を受けることも可能だ。ドイツで遊学し、オランダで遊び、イタリアで英語を教え、スペインでのんびりして、フランスで恋に落ち…家族を作って5年を欧州で過ごした後、英国に帰ってくる人もいるだろう。英国人にとってEU=欧州連合のメンバーであるとは、そういうことが自由に出来るということなのだ。


これからだって英国人が欧州で仕事を探したり、旅行、スペインの不動産を購入することはできるだろう。しかし今後EUから離れることになって、何事をするにも申請、登録を義務付けられ、様々な書類にサインをし…などという手間が増えれば、今までのような英国と欧州大陸との自由な行き来をためらう人も多いのではないか。家族の関係を引き裂かれたと感じる、イギリス海峡を越えた国際結婚の家族も多いに違いない。

まだ資料を一切読んでいないので詳しいことはわからないが、欧州に家族や仕事を持つ英国人、ロンドンで働いている多くのEU圏の外国人達はこれからどうなるのだろうかと思う。本当に英国は大丈夫なのだろうか。



2016年6月23日木曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第24回「滅亡」 6月19日放送



今回は氏政親分の最後、北条家滅亡です。

歴史なので結果はわかっているとはいえ、やはり悲しい。

氏政親分はとことん頑固者。折れればいいものを意地を張ってとうとう北条家を滅亡させてしまう。誇り高い武将として、敵に抵抗もせずただ屈するのは己のプライドが許さない。せめて戦国武将らしく「華々しく戦って散りたかった」と言う。不器用です。この不器用さがまた悲しい。この人物は嫌いになれない。

降伏してもなお自分を曲げようとはしない。「とりあえず頭を下げろ」と説得に来た徳川+上杉+真田を前に「秀吉のために生きてもいいのか」と問いかける。それに対し真田昌幸が「生きていればなんとかなる」と諭す。昌幸も過去に(第18回)氏政と同じように秀吉に屈する事を悩んだんですね。だから氏政の気持ちはよくわかる。上杉も同様。苦しんで秀吉に屈した。徳川は時勢を読み利を取り、秀吉に降伏したふりをしている。皆戦わずに秀吉に屈している。辛いのは皆同じ。だから同じ立場の氏政を助けたい。それでも意地を張る氏政…戦わずに屈するくらいなら死んだ方がまし「秀吉の下、秀吉ためには生きない。」強い意思表示です。

そして意地を張ったまま氏政は処刑される。
息子・氏直は出家。北条家は滅亡。

前回も書きましたけど、このドラマは戦国の終わりと武将達の心の葛藤…彼らの誇りの行方をよく描いてますよね。なるほどな…。確かにこういう葛藤はあっただろう。ドラマとして面白い。この北条氏政の最後は心に残りますね。

それにしてもこのドラマは小ネタが多いですね。北条家滅亡をめぐる深い話に入り込んだと思ったら突然小コントみたいな台詞が出てくる。重厚か…と思えば小ネタが出てきて調子が狂う。重苦しいだけの場面は続かないですよね。三谷さんは真面目なだけのドラマを作ることに照れがあるのかもしれない。


★あらすじ
北条家は秀吉に降伏した。氏政は切腹。氏直は出家。後北条氏は滅亡。伊達政宗は秀吉のために酒宴を開く。秀吉は天下統一を成す。

 
●内容
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◎北条家滅亡まで
○信繁・氏政を説得へ
・さて先週の続き。まっちゃんの旦那・小山田さんから助け出された信繁は小部屋へ通される。小山田さんはなんと北条の家臣になっていた。
・あ、こら、そんなにのんびり座り込んで話してる場合ではなかろう。
・…急に江雪斎が現れる。おぃいずいぶん簡単だな。
・そしていきなり氏政親分の前に。さっきの騒ぎはなんだったのだ。
・おっとコープスペイントの氏政親分。
・なんと氏政親分と信繁が二人きりに。
・氏政さんの迫力。追い詰められてます。名演。表情が…高島さんすごい。
・氏政「返す返すも心残り。どうせ秀吉と一戦交えるなら、伊達や徳川と組んで日の本を分ける大戦をやってみたかった。華々しく戦国の世に幕を引きたかった。」←涙。
・しかし真田の小童の説得で氏政親分が動くわけが無いではないか。
・これで説得成功なの?

・信繁もう一度まっちゃんの旦那に会いに行く。これもずいぶんのんびりしてるのね。この人も北条の部下なのに、この部屋で一人サボっていたんだろうか。

・八王子城攻め中の昌幸パパと信幸。北条の抵抗の話題。
・出浦さん、パパに対し「おぬし氏政が羨ましいようだな。」
・パパ「あやつは己の為の戦をしておる」←確かに。

○北条・降伏
159075日、北条は降伏。
・秀吉「氏政は死んでもらおうか。…示しがつかんだろう。…もうそれでいいだろう。うるさいっ!」敵将の命の行方も思いつきで簡単に決めちゃう。秀吉は氏政のことなんて何とも思っていないのね。この秀吉はドライです。伝統や誇りや名誉も何とも思っていない。このドラマの秀吉がいかに宇宙人みたいな存在なのかというのがよくわかる。情が薄い…だから怖い。

○三大名と氏政・最後の会話
・氏政の元に家康がやってくる。氏政「生き恥を晒しとうない
・今度は家康+上杉+真田が説得にやってきた。3人とも氏政を救いたい。なぜなら氏政の抵抗の理由…氏政の気持ちがよくわかるからなんですね。自分達も秀吉に頭を下げるのは嫌なのに、やむを得ず家臣になって生き延びた。北条も時代の変化を受け入れて生きろと説得する。
・すると氏政「むしろあなたに伺いたい。秀吉のために生きるのでござるか。それでよろしいのか」皆言葉を無くす。
・真田昌幸「死にたければ死になされ。されど生きておればまだまだ楽しいものが見られますぞ。このまま秀吉の天下が来るとは到底思えん。…もう一暴れしたいとは思いませんか。」
・氏政「ここまででござる…」←この氏政親分はいい…。チャラチャラしたキャラの多いこのドラマの中で心に残ります。誇り高く不器用な愛すべき頑固者。
・家康は情が深い。家康もいいキャラですよね。みんないい。この大名3人と氏政親分のシーンはとてもいい。
・江雪斎が悲しい。
・氏政、最後の食事…汁を全部かける。もう戦いの人生も終わり←涙。ここはしんみりとします。高島さんがいい。
・氏直は出家。北条家滅亡。
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・利休は北条に鉛を売っていた!この利休は生臭くて面白いな。
・忍城では三成が苦戦。真田パパの心理作戦で開城へ。
・上野・宇都宮城 伊達政宗のパーティー。いきなり餅つき。一昔前の体育会系の学生が学園祭で騒いでるようなノリだぞ。
・秀吉が一緒に餅つき。お祭り男は気が合うらしい。
・徳川は江戸に転封でくさっている「な~んにも無い」。江戸は当時湿地帯だったらしいけれど、現代から見れば、国内最大の平野で東京湾も港になるし、大都市になりやすかったのではないかと思うけれど、当時は誰もそれを考えなかったのだろうか。
・お祭り男の伊達さんも天下を狙いたかった。
・秀吉、晴れて天下統一。